2021/05/04
高血圧
※2021年7月更新
【一般的な説明】
血圧とは、心臓が血液を動かす時に血管の壁にかかる圧力です。
最高血圧(収縮期血圧)とは、全身に血液を送り出すために心臓の心室が収縮したときの血圧、
そして、最低血圧(拡張期血圧)とは心臓の筋肉が拡張して、心臓の心室に血液が入り込むときの血圧です。
高血圧は、明らかな原因の有無によって、2種類に分けられます。
特に明らかな異常がないのに血圧が高いもの(原因不明)を一次性高血圧(本態性高血圧)と言います。
一方、腎臓病やホルモン異常など、原因がはっきりとしているものは、二次性高血圧と言います。
高血圧の9割が原因不明の一次性高血圧です。
一方で、血圧を上げる要因は知られており、「遺伝的要因、塩分の摂りすぎ、肥満、アルコール、
喫煙、運動不足、ストレス、加齢による血管の老化」などが挙げられます。
高血圧の治療では、特に中等症や重症の高血圧の場合、
強力に血圧を下げる西洋の薬が必要となるケースは多いです。
高血圧の治療薬(西洋薬)として、
※カルシウム拮抗薬
日本で、もっとも多く処方されている降圧剤。血管の壁のなかに存在する
筋肉(血管平滑筋)にカルシウムイオンが入ってくると、この筋肉が収縮します。
これをブロックすることでこの筋肉を弛緩させ、血管の収縮を妨げ、血圧を下げます。
副作用:頭痛、動悸、胸やけ、ほてり、むくみ、血糖値の上昇、うつ、歯肉増生、便秘
※アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
日本ではカルシウム拮抗薬に次いでよく使用されている薬です。
ARBはアンジオテンシンⅡという血圧を上げるホルモンの働きを抑えます。
副作用:高カリウム血症、腎機能低下、感染症
※ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬
ACE阻害薬は、アンジオテンシンⅡという血圧を上げるホルモンの生成を仰制します。
副作用:咳、高カリウム血症、頭痛、めまい、疲労、悪心、腎機能低下
空咳(からせき)の発症率は高く、服用した20~30%の人に症状がみられます。
一方、漢方薬には血圧を素早く強力に下げる処方は少ないですが、漢方薬は高血圧に伴う様々な症状を
強力に改善し、患者さんの心身の状態を良好にする効果を持っています。
従って、中等症や重症の高血圧の場合は、西洋薬の降圧剤に漢方薬を併用する場合が多いです。
◎体力がない、胃腸も弱い(虚証)
・八味地黄丸:老人で夜間排尿回数が多く、喉が渇く
・七物降下湯:冷え性、貧血、排尿回数が多く、尿量減少
◎体力はふつう(中間証)
・黄連解毒湯、温清飲:不安感、のぼせ、胃のつかえ
・釣藤散:朝方の頭痛、頭重、耳鳴り、のぼせ
◎体力は比較的ある、胃腸も丈夫(実証)
・防風通聖散、桃核承気湯:肥満体で、便秘する
・柴胡加竜骨牡蠣湯:神経症状が目立ち、動悸、不眠、便秘
・大柴胡湯、続命湯:肩こり、耳鳴り、みぞおち硬く便秘する
・三黄瀉心湯、大承気湯:精神不安、のぼせ、胃のつかえと便秘
【運龍堂での実際の運用】
血圧は、様々な要因で上がったり、下がったりします。
例えば、
※血管が硬ければ、血液が流れにくいので、血圧は上がります。
※血液の粘性が高ければ、血液が流れにくいので、血圧は上がります。
※心臓のポンプ機能が低下すれば、血圧は下がります。
※体の姿勢、精神状態、気温、時刻、運動などで血圧はすぐに変化します。
また、加齢とともに、血管の柔軟性は低下しますが、
脳血流を確保する必要があるので、血圧は上がります。
つまり、年齢とともに血圧が上昇するのは、正常は事です。
血管の柔軟性を変えずに、無理矢理、血圧を下げすぎるのも、問題となります。
従って、漢方では、血管の柔軟性をあげて、血流を改善することを行います。
血流の悪化は、様々な病気の原因になるので、血流を改善することは、
高血圧に限らず、健康をキープする上でも重要な要素です。
血流を改善するためには、血管の柔軟性を上げることと、
赤血球の弾力性を上げることが効果的です。
血管の柔軟性を上げるためには、ヒル、ミミズ、田七人参などの生薬を使用します。
ヒル、ミミズというと怖いイメージがありますが、強力に血管内を磨いてくれます。
赤血球の弾力性を上げるには、朝鮮人参や牛黄(ごおう)などが有効です。
また、丹参(たんじん)という生薬は、血液の粘性を下げ、かつ血管の柔軟性を上げるので、
丹参製剤である冠心二号方(かんしんにごうほう):製品名=和漢薬も多用します。
冠心二号方が毛沢東が心臓を悪くした時に、中国全土で開発された処方ですが、
血流を改善することで、心臓の負担を減らすとともに、高血圧にも大変有効です。
【一般的な説明】
血圧とは、心臓が血液を動かす時に血管の壁にかかる圧力です。
最高血圧(収縮期血圧)とは、全身に血液を送り出すために心臓の心室が収縮したときの血圧、
そして、最低血圧(拡張期血圧)とは心臓の筋肉が拡張して、心臓の心室に血液が入り込むときの血圧です。
高血圧は、明らかな原因の有無によって、2種類に分けられます。
特に明らかな異常がないのに血圧が高いもの(原因不明)を一次性高血圧(本態性高血圧)と言います。
一方、腎臓病やホルモン異常など、原因がはっきりとしているものは、二次性高血圧と言います。
高血圧の9割が原因不明の一次性高血圧です。
一方で、血圧を上げる要因は知られており、「遺伝的要因、塩分の摂りすぎ、肥満、アルコール、
喫煙、運動不足、ストレス、加齢による血管の老化」などが挙げられます。
高血圧の治療では、特に中等症や重症の高血圧の場合、
強力に血圧を下げる西洋の薬が必要となるケースは多いです。
高血圧の治療薬(西洋薬)として、
※カルシウム拮抗薬
日本で、もっとも多く処方されている降圧剤。血管の壁のなかに存在する
筋肉(血管平滑筋)にカルシウムイオンが入ってくると、この筋肉が収縮します。
これをブロックすることでこの筋肉を弛緩させ、血管の収縮を妨げ、血圧を下げます。
副作用:頭痛、動悸、胸やけ、ほてり、むくみ、血糖値の上昇、うつ、歯肉増生、便秘
※アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
日本ではカルシウム拮抗薬に次いでよく使用されている薬です。
ARBはアンジオテンシンⅡという血圧を上げるホルモンの働きを抑えます。
副作用:高カリウム血症、腎機能低下、感染症
※ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬
ACE阻害薬は、アンジオテンシンⅡという血圧を上げるホルモンの生成を仰制します。
副作用:咳、高カリウム血症、頭痛、めまい、疲労、悪心、腎機能低下
空咳(からせき)の発症率は高く、服用した20~30%の人に症状がみられます。
一方、漢方薬には血圧を素早く強力に下げる処方は少ないですが、漢方薬は高血圧に伴う様々な症状を
強力に改善し、患者さんの心身の状態を良好にする効果を持っています。
従って、中等症や重症の高血圧の場合は、西洋薬の降圧剤に漢方薬を併用する場合が多いです。
◎体力がない、胃腸も弱い(虚証)
・八味地黄丸:老人で夜間排尿回数が多く、喉が渇く
・七物降下湯:冷え性、貧血、排尿回数が多く、尿量減少
◎体力はふつう(中間証)
・黄連解毒湯、温清飲:不安感、のぼせ、胃のつかえ
・釣藤散:朝方の頭痛、頭重、耳鳴り、のぼせ
◎体力は比較的ある、胃腸も丈夫(実証)
・防風通聖散、桃核承気湯:肥満体で、便秘する
・柴胡加竜骨牡蠣湯:神経症状が目立ち、動悸、不眠、便秘
・大柴胡湯、続命湯:肩こり、耳鳴り、みぞおち硬く便秘する
・三黄瀉心湯、大承気湯:精神不安、のぼせ、胃のつかえと便秘
【運龍堂での実際の運用】
血圧は、様々な要因で上がったり、下がったりします。
例えば、
※血管が硬ければ、血液が流れにくいので、血圧は上がります。
※血液の粘性が高ければ、血液が流れにくいので、血圧は上がります。
※心臓のポンプ機能が低下すれば、血圧は下がります。
※体の姿勢、精神状態、気温、時刻、運動などで血圧はすぐに変化します。
また、加齢とともに、血管の柔軟性は低下しますが、
脳血流を確保する必要があるので、血圧は上がります。
つまり、年齢とともに血圧が上昇するのは、正常は事です。
血管の柔軟性を変えずに、無理矢理、血圧を下げすぎるのも、問題となります。
従って、漢方では、血管の柔軟性をあげて、血流を改善することを行います。
血流の悪化は、様々な病気の原因になるので、血流を改善することは、
高血圧に限らず、健康をキープする上でも重要な要素です。
血流を改善するためには、血管の柔軟性を上げることと、
赤血球の弾力性を上げることが効果的です。
血管の柔軟性を上げるためには、ヒル、ミミズ、田七人参などの生薬を使用します。
ヒル、ミミズというと怖いイメージがありますが、強力に血管内を磨いてくれます。
赤血球の弾力性を上げるには、朝鮮人参や牛黄(ごおう)などが有効です。
また、丹参(たんじん)という生薬は、血液の粘性を下げ、かつ血管の柔軟性を上げるので、
丹参製剤である冠心二号方(かんしんにごうほう):製品名=和漢薬も多用します。
冠心二号方が毛沢東が心臓を悪くした時に、中国全土で開発された処方ですが、
血流を改善することで、心臓の負担を減らすとともに、高血圧にも大変有効です。