投稿日:2023.05.01/更新日:2024.04.18

五苓散のすごい効果とは?二日酔いや自律神経の不調におすすめの漢方薬

五苓散」は自律神経への効果がある漢方薬で、二日酔いをすることが多かったり、身体のむくみが慢性的に現れている場合にもおすすめです。

本記事では五苓散の効果以外にも副作用や飲み合わせの禁忌などについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

五苓散のすごい効果とは?二日酔いにおすすめ

五苓散(ごれいさん)とは、下記の5種類の生薬が組み合わされた漢方薬です。
五苓散(ごれいさん)は5種類の生薬が組み合わされた漢方薬

茯苓(ぶくりょう) 茯苓(ぶくりょう)は、中国や日本で伝統的に用いられてきた薬草です。主に湿気を排出し、体内のバランスを整える効果があるとされています。消化不良やむくみ、神経の緊張などに効果があるとされ、漢方薬や健康食品として利用されています。
猪苓(ちょれい) 猪苓(ちょりょう)は、中国の漢方薬に用いられる植物の一つです。茯苓(ぶくりょう)と似ていますが、茯苓よりもさらに強力な利尿作用があります。主に体内の湿気を除去し、利尿作用によってむくみを改善する効果が期待されています。
蒼朮(そうじゅつ) 蒼朮(そうじゅつ)は、中国の伝統的な漢方薬や食材として利用されるハーブの一つです。生姜の仲間であり、消化を促進し体内の湿気を排出する効果があります。主に消化不良や胃腸の不調を改善するために使われます。
白朮(びゃくじゅつ) 白朮(はくじゅつ)は、漢方薬や伝統的な中国料理で使用される根茎の一種です。生姜の仲間であり、消化を助ける働きがあります。主に胃腸の調子を整え、消化不良や吐き気を和らげるために用いられます。
半夏(はんげ) 半夏(はんげ)は、漢方薬や伝統的な中国料理で用いられる植物の一種です。ウコン科の植物であり、主に消化不良や胃腸の不調を改善するために利用されます。また、嘔吐や下痢を抑える効果も期待されています。

五苓散の主な効果は以下の通りです。

二日酔いに効く

二日酔いによって現れるむくみや頭痛、下痢などの症状は、体内に余分な水分が溜まることで起こると考えられています。

五苓散に含まれる生薬は利尿作用をもち、尿量を増やす働きがあります。

これにより体内の余分な水分が排出され、水分代謝が正常化することで二日酔いの改善効果が期待できます。

消化促進作用

お酒を飲みすぎると消化器官が弱まり、これによって下痢胃もたれなどの症状が現れることがあります。

五苓散に含まれる生薬のひとつ、半夏は胃腸の働きを促進し、消化を助ける働きがあります。

また、白朮は胃の働きを整える効果もあり、これらの作用によって胃腸の不調が改善される効果が期待できます。

関連記事:真武湯とはどんな漢方?効果や即効性、副作用について解説!

五苓散は自律神経の不調に効果的

五苓散はさまざまな症状を抱えている患者に処方されることがあります。二日酔いや胃腸の不調といった一時的なものだけでなく、精神的な疾患や不調を抱えている人に対しても有効です。

うつ病・不眠症に悩んでいる人

うつ病や不眠症をはじめとした精神疾患の治療に処方される様々な薬には、副作用が認められることがあります。

特に、身体のむくみや下痢、嘔吐、胃もたれといった症状が現れることも多く、これが原因で薬の処方を拒否したり、処方された薬を服用してくれない方も少なくありません。

そこで、五苓散をあわせて処方することで、このような副作用を緩和できる場合があるのです。

自律神経の不調に悩んでいる人

うつ病など明確な精神疾患ではなかったとしても、さまざまな要因によって漠然とした不調が現れることがあります。

このような状態を不定愁訴とよび、やがて自律神経に不調をきたし身体のむくみや腹痛、めまいなどの症状を起こすことも少なくありません。

五苓散を処方してもらうことで、自律神経のバランスを整え体調を回復させる効果が期待できます。

関連記事:六君子湯は精神安定や自律神経に効果がある理由|合わない人は?

五苓散を毎日飲んでも大丈夫?

五苓散を数ヶ月、数年といった単位で長期服用している人も多く、長期にわたる服用によって健康被害が生じるケースはほとんどありません

ただし、上記でも紹介した通り、服用して間もなくさまざまな副作用が現れる場合もあるため、このような場合は速やかに服用を中止してください。

また、一部の漢方薬には、長期服用によって副作用を引き起こすリスクの高い生薬もあります。

具体的には、甘草(カンゾウ)、麻黄(マオウ)、大黄(ダイオウ)、山梔子(サンシシ)などが挙げられ、もしこれらの生薬が配合されていた場合には注意が必要です。

関連記事:漢方薬の長期服用をしすぎると副作用に?原因や注意すべき点もご紹介!

五苓散は体重減少にも効果がある?

五苓散は体重減少にも効果をもたらすことがあります。

体重が増加する要因は人によってもさまざまですが、なかでも「水太りに悩んでいる人にこそ五苓散はおすすめです。

水太りとは、身体(主に下半身)が慢性的にむくんでいる状態を指します。

これは水分の代謝が正常に行われていないのが原因として考えられ、極端にトイレの回数が少ない、天候が崩れると頭痛やめまいなどの症状が現れたりすることもあります。

五苓散を服用することで、体内の余分な水分が排出され代謝が正常化し、水分によって増加した体重が減少していく効果が期待できるのです。

特に食事の量や運動量、生活習慣は変わっていないのに体重が増えた人や、普段から多くの水分を摂取しているものの、トイレの回数が少ないという人におすすめです。

関連記事:漢方で痩せたい方必見!ダイエットにおすすめの漢方薬などについて

五苓散の副作用は血圧上昇?

漢方薬は西洋薬と異なり、比較的副作用が少ないというイメージがあります。しかし、実際には副作用が一切存在しない薬はなく、服用の際には十分注意しなければなりません。

五苓散は誤った用法・用量で服用したり、他の薬との飲み合わせ次第では、稀に血圧上昇や浮腫などが現れる「偽アルドステロン症」を呈することがあります

また、他の五苓散の副作用として下記が報告されています。

  1. 発疹
  2. 発赤
  3. かゆみ
  4. 倦怠感

 

五苓散を服用した人すべてに上記の副作用が現れるものではありません。人によっても副作用が現れる程度には差があり、軽度なものから重篤なものまでさまざまです。

また、上記はあくまでも一例であり、まれに上記以外の症状が現れるケースもあります。

重要なのは万が一副作用が現れた場合には速やかに服用を中止し、医師による診察を受けることです。

関連記事:漢方の味について|正しい飲み方や飲む時に注意するべき事もご紹介

五苓散の飲み方や禁忌となる飲み合わせ

漢方薬をはじめとした薬の効能を引き出すためには、用量や飲むタイミング、避けるべき飲み合わせなど、正しい飲み方を把握しておくことが大切です。

飲むタイミング

  • 1日あたり:7.5g
  • 回数:2~3回
  • 飲むタイミング:食前または食間

飲む際は水やぬるま湯と一緒に服用してください。

気をつけたいのは、一度に飲む量とタイミングです。7.5gを2〜3回に分けるため、1回あたりの量は3.5〜2.5g程度に相当します。

よくあるパターンとして、「朝や昼に飲み忘れたので、夜にまとめて飲みたい」というケースも想定されるでしょう。

しかし、一度に大量の漢方薬を摂取しすぎると危険を伴う場合もあるため、1回あたりの用量は厳守しなければなりません。

また、次の服用タイミングが間近に迫っている(2時間以内)場合にも、そのタイミングでの服用は避けてください。

禁忌の飲み合わせ

薬には危険な飲み合わせがあり、五苓散も例外ではありません。

先ほど副作用の章でも述べたように、「甘草」との併用により、「偽アルドステロン症」が現れることがあります。

現在病気やケガの治療のため、服用している薬がある場合には、担当の医師に五苓散を服用しても問題ないかを確認しておくと安心です。

医師や薬剤師に相談するのが面倒に感じたり忘れたりしそうな場合には、お薬手帳へ五苓散を服用している旨を記載しておくのもおすすめです。

即効性

漢方薬と聞くと効果が現れるのが遅い「遅効性」の薬というイメージをもたれがちですが、五苓散は二日酔いに用いられることからも分かる通り、即効性が期待できます

即効性が期待できるということは副作用を心配しがちですが、上記でも紹介した通り五苓散は副作用のリスクが少なく、安全性の高い漢方薬といえるのです。

関連記事:【子ども・小児向け】漢方薬の飲ませ方で工夫できることはある?

五苓散に似た効果を持つ漢方

五苓散と似た効能をもつ漢方薬としては下記の3つがあります。

  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
  • 五積散(ごしゃくさん)

それぞれの漢方薬にはどういった違いがあるのか、詳しく解説しましょう。

苓桂朮甘湯

苓桂朮甘湯は、茯苓、桂皮、白朮、甘草の4つの生薬が配合された漢方薬です。

主にむくみや胃腸の不調などの症状に用いられることが多く、利尿作用があるという点では五苓散と共通しています。

ただし、苓桂朮甘湯の場合は、めまいやふらつき、頭痛、神経症などの改善効果も期待できます

半夏白朮天麻湯

半夏白朮天麻湯は、主に半夏、白朮、天麻、茯苓の4つの生薬が含まれています。

こちらも利尿作用や胃腸のはたらきを改善する効果が期待でき、五苓散と効能は似ています。

一方で、天麻とよばれる生薬には中枢神経系の安定作用があるとされており、めまいや頭痛、耳鳴り、動悸、不眠などの神経症状を改善する効果が期待できます

五積散

五積散は、茯苓、蒼朮、陳皮、半夏、当帰、甘草などの生薬が含まれています。

こちらも五苓散と同様、余分な水分を取り除く利尿作用がありますが、これに加えて血行の改善効果も期待できます

そのため、冷え性や神経痛、生理痛、胃腸炎などの症状を緩和したい場合におすすめです。

五苓散を処方してもらうためには

即効性が高く安全性にも優れていると聞くと、すぐにでも五苓散を処方してほしいと考える方も多いでしょう。

五苓散をはじめとした漢方薬はドラッグストアでも販売されており、手軽に購入できます。

しかし、薬剤師によって処方される五苓散と、ドラッグストアで購入できる五苓散を比較した場合、配合されている生薬の種類は一緒でも成分量に違いが見られます。

そのため、同じ用量を服用しても効果の現れ方が異なるケースが多いのです。

五苓散を処方してもらう方法は、主に2つのパターンが考えられます。

病院で医師の診察を受ける

ひとつは、病院や医療機関で医師の診察を受けたうえで処方してもらう方法です。この場合、健康保険が適用となるケースが多く、安価で手に入れられるメリットがあります。

また、医師の診察を受けるため安全であり、万が一副作用などがあった際に対応してもらいやすいのもメリットといえるでしょう。

一方で、診察の内容や医師の判断によっては、必ずしも五苓散を処方してもらえるとは限らず、異なる薬が処方されるケースもあります。

漢方薬局で処方してもらう

もうひとつの方法は、漢方薬局で薬剤師に処方してもらう方法です。

病院とは異なり、漢方薬局で処方してもらう場合には健康保険が適用されず、自費扱いとなります。

一方、漢方薬局では薬剤師に気軽に相談できるのが大きな強みであり、五苓散を含めて自分に合った漢方薬を選んでもらうことができます。

その人の体質によっては、五苓散以外の漢方薬のほうがより高い効果を得られる可能性もあります。特に初めて漢方薬を服用する場合は、体質や症状を専門家に見極めてもらうことが大切です。

運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供

病院で漢方薬を処方してもらうのはコスト面でメリットがありますが、確実に希望する漢方薬が処方してもらえなかったり、診察のたびに長時間待たなければならず、手間に感じる方も多いでしょう。

そこで、漢方薬局の利用は希望する漢方薬を手に入れるために有効な手段といえます。しかし、自宅や職場の近くに漢方薬局がないという方も多いのではないでしょうか。

また、信頼できる漢方薬局がなかなか見つからず、ドラッグストアで販売している漢方薬で妥協してしまうケースも少なくありません。

そのような悩みを抱えている方には、宮城県仙台市にある漢方薬局「運龍堂」がおすすめです。運龍堂ではオンラインによる漢方相談を行っており、初回60分、2回目以降は30分の無料相談を受けられます

電話やLINE、ZOOMなどさまざまな手段が選択でき、相談後はオンラインで漢方薬の注文も可能です。

漢方薬には五苓散以外にも多くの種類があり、その人の体調や症状、体質に合わせて生薬の配合量を変える必要があります。

市販の漢方薬が確実にその人にマッチしているとも限らず、効果が現れずに服用をやめてしまう人も少なくないのです。

運龍堂では遠方にいながらでもオンラインで漢方の専門家へ直接相談でき、分からないことや漢方薬に関する疑問にお答えします

◆漢方のことなら「運龍堂」にお任せ◆

まとめ

五苓散は、主に二日酔いや胃腸の不調改善、身体のむくみを解消するために用いられることの多い漢方薬です。

五苓散には即効性があり、服用して間もなく利尿作用がみられ、むくみを解消していきます。また、水太りに悩んでいる人の場合、長期的に服用し続けることで徐々に体重が落ちていき、ダイエット効果も期待できるでしょう。

漢方薬の多くは副作用も少なく、西洋薬に比べると服用のリスクは少ないメリットがありますが、絶対に副作用がないとも言い切れません。その人の体質や既往歴、その日の体調などによっても副作用が現れることもあるため、服用にあたってはくれぐれも注意が必要です。

また、「五苓散」とパッケージに記載された商品はドラッグストアでも購入できますが、病院や漢方薬局で処方されるものに比べると成分量が異なるケースも多いです。

自分に合った漢方薬を知り、身体のさまざまな不調や悩み、不安を解消したいと考える方は、専門家のオンライン相談にも対応している運龍堂へぜひ一度お問い合わせください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2023/05/01

五苓散のすごい効果とは?二日酔いや自律神経の不調におすすめの漢方薬

五苓散」は自律神経への効果がある漢方薬で、二日酔いをすることが多かったり、身体のむくみが慢性的に現れている場合にもおすすめです。

本記事では五苓散の効果以外にも副作用や飲み合わせの禁忌などについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

五苓散のすごい効果とは?二日酔いにおすすめ

五苓散(ごれいさん)とは、下記の5種類の生薬が組み合わされた漢方薬です。
五苓散(ごれいさん)は5種類の生薬が組み合わされた漢方薬

茯苓(ぶくりょう) 茯苓(ぶくりょう)は、中国や日本で伝統的に用いられてきた薬草です。主に湿気を排出し、体内のバランスを整える効果があるとされています。消化不良やむくみ、神経の緊張などに効果があるとされ、漢方薬や健康食品として利用されています。
猪苓(ちょれい) 猪苓(ちょりょう)は、中国の漢方薬に用いられる植物の一つです。茯苓(ぶくりょう)と似ていますが、茯苓よりもさらに強力な利尿作用があります。主に体内の湿気を除去し、利尿作用によってむくみを改善する効果が期待されています。
蒼朮(そうじゅつ) 蒼朮(そうじゅつ)は、中国の伝統的な漢方薬や食材として利用されるハーブの一つです。生姜の仲間であり、消化を促進し体内の湿気を排出する効果があります。主に消化不良や胃腸の不調を改善するために使われます。
白朮(びゃくじゅつ) 白朮(はくじゅつ)は、漢方薬や伝統的な中国料理で使用される根茎の一種です。生姜の仲間であり、消化を助ける働きがあります。主に胃腸の調子を整え、消化不良や吐き気を和らげるために用いられます。
半夏(はんげ) 半夏(はんげ)は、漢方薬や伝統的な中国料理で用いられる植物の一種です。ウコン科の植物であり、主に消化不良や胃腸の不調を改善するために利用されます。また、嘔吐や下痢を抑える効果も期待されています。

五苓散の主な効果は以下の通りです。

二日酔いに効く

二日酔いによって現れるむくみや頭痛、下痢などの症状は、体内に余分な水分が溜まることで起こると考えられています。

五苓散に含まれる生薬は利尿作用をもち、尿量を増やす働きがあります。

これにより体内の余分な水分が排出され、水分代謝が正常化することで二日酔いの改善効果が期待できます。

消化促進作用

お酒を飲みすぎると消化器官が弱まり、これによって下痢胃もたれなどの症状が現れることがあります。

五苓散に含まれる生薬のひとつ、半夏は胃腸の働きを促進し、消化を助ける働きがあります。

また、白朮は胃の働きを整える効果もあり、これらの作用によって胃腸の不調が改善される効果が期待できます。

関連記事:真武湯とはどんな漢方?効果や即効性、副作用について解説!

五苓散は自律神経の不調に効果的

五苓散はさまざまな症状を抱えている患者に処方されることがあります。二日酔いや胃腸の不調といった一時的なものだけでなく、精神的な疾患や不調を抱えている人に対しても有効です。

うつ病・不眠症に悩んでいる人

うつ病や不眠症をはじめとした精神疾患の治療に処方される様々な薬には、副作用が認められることがあります。

特に、身体のむくみや下痢、嘔吐、胃もたれといった症状が現れることも多く、これが原因で薬の処方を拒否したり、処方された薬を服用してくれない方も少なくありません。

そこで、五苓散をあわせて処方することで、このような副作用を緩和できる場合があるのです。

自律神経の不調に悩んでいる人

うつ病など明確な精神疾患ではなかったとしても、さまざまな要因によって漠然とした不調が現れることがあります。

このような状態を不定愁訴とよび、やがて自律神経に不調をきたし身体のむくみや腹痛、めまいなどの症状を起こすことも少なくありません。

五苓散を処方してもらうことで、自律神経のバランスを整え体調を回復させる効果が期待できます。

関連記事:六君子湯は精神安定や自律神経に効果がある理由|合わない人は?

五苓散を毎日飲んでも大丈夫?

五苓散を数ヶ月、数年といった単位で長期服用している人も多く、長期にわたる服用によって健康被害が生じるケースはほとんどありません

ただし、上記でも紹介した通り、服用して間もなくさまざまな副作用が現れる場合もあるため、このような場合は速やかに服用を中止してください。

また、一部の漢方薬には、長期服用によって副作用を引き起こすリスクの高い生薬もあります。

具体的には、甘草(カンゾウ)、麻黄(マオウ)、大黄(ダイオウ)、山梔子(サンシシ)などが挙げられ、もしこれらの生薬が配合されていた場合には注意が必要です。

関連記事:漢方薬の長期服用をしすぎると副作用に?原因や注意すべき点もご紹介!

五苓散は体重減少にも効果がある?

五苓散は体重減少にも効果をもたらすことがあります。

体重が増加する要因は人によってもさまざまですが、なかでも「水太りに悩んでいる人にこそ五苓散はおすすめです。

水太りとは、身体(主に下半身)が慢性的にむくんでいる状態を指します。

これは水分の代謝が正常に行われていないのが原因として考えられ、極端にトイレの回数が少ない、天候が崩れると頭痛やめまいなどの症状が現れたりすることもあります。

五苓散を服用することで、体内の余分な水分が排出され代謝が正常化し、水分によって増加した体重が減少していく効果が期待できるのです。

特に食事の量や運動量、生活習慣は変わっていないのに体重が増えた人や、普段から多くの水分を摂取しているものの、トイレの回数が少ないという人におすすめです。

関連記事:漢方で痩せたい方必見!ダイエットにおすすめの漢方薬などについて

五苓散の副作用は血圧上昇?

漢方薬は西洋薬と異なり、比較的副作用が少ないというイメージがあります。しかし、実際には副作用が一切存在しない薬はなく、服用の際には十分注意しなければなりません。

五苓散は誤った用法・用量で服用したり、他の薬との飲み合わせ次第では、稀に血圧上昇や浮腫などが現れる「偽アルドステロン症」を呈することがあります

また、他の五苓散の副作用として下記が報告されています。

  1. 発疹
  2. 発赤
  3. かゆみ
  4. 倦怠感

 

五苓散を服用した人すべてに上記の副作用が現れるものではありません。人によっても副作用が現れる程度には差があり、軽度なものから重篤なものまでさまざまです。

また、上記はあくまでも一例であり、まれに上記以外の症状が現れるケースもあります。

重要なのは万が一副作用が現れた場合には速やかに服用を中止し、医師による診察を受けることです。

関連記事:漢方の味について|正しい飲み方や飲む時に注意するべき事もご紹介

五苓散の飲み方や禁忌となる飲み合わせ

漢方薬をはじめとした薬の効能を引き出すためには、用量や飲むタイミング、避けるべき飲み合わせなど、正しい飲み方を把握しておくことが大切です。

飲むタイミング

  • 1日あたり:7.5g
  • 回数:2~3回
  • 飲むタイミング:食前または食間

飲む際は水やぬるま湯と一緒に服用してください。

気をつけたいのは、一度に飲む量とタイミングです。7.5gを2〜3回に分けるため、1回あたりの量は3.5〜2.5g程度に相当します。

よくあるパターンとして、「朝や昼に飲み忘れたので、夜にまとめて飲みたい」というケースも想定されるでしょう。

しかし、一度に大量の漢方薬を摂取しすぎると危険を伴う場合もあるため、1回あたりの用量は厳守しなければなりません。

また、次の服用タイミングが間近に迫っている(2時間以内)場合にも、そのタイミングでの服用は避けてください。

禁忌の飲み合わせ

薬には危険な飲み合わせがあり、五苓散も例外ではありません。

先ほど副作用の章でも述べたように、「甘草」との併用により、「偽アルドステロン症」が現れることがあります。

現在病気やケガの治療のため、服用している薬がある場合には、担当の医師に五苓散を服用しても問題ないかを確認しておくと安心です。

医師や薬剤師に相談するのが面倒に感じたり忘れたりしそうな場合には、お薬手帳へ五苓散を服用している旨を記載しておくのもおすすめです。

即効性

漢方薬と聞くと効果が現れるのが遅い「遅効性」の薬というイメージをもたれがちですが、五苓散は二日酔いに用いられることからも分かる通り、即効性が期待できます

即効性が期待できるということは副作用を心配しがちですが、上記でも紹介した通り五苓散は副作用のリスクが少なく、安全性の高い漢方薬といえるのです。

関連記事:【子ども・小児向け】漢方薬の飲ませ方で工夫できることはある?

五苓散に似た効果を持つ漢方

五苓散と似た効能をもつ漢方薬としては下記の3つがあります。

  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
  • 五積散(ごしゃくさん)

それぞれの漢方薬にはどういった違いがあるのか、詳しく解説しましょう。

苓桂朮甘湯

苓桂朮甘湯は、茯苓、桂皮、白朮、甘草の4つの生薬が配合された漢方薬です。

主にむくみや胃腸の不調などの症状に用いられることが多く、利尿作用があるという点では五苓散と共通しています。

ただし、苓桂朮甘湯の場合は、めまいやふらつき、頭痛、神経症などの改善効果も期待できます

半夏白朮天麻湯

半夏白朮天麻湯は、主に半夏、白朮、天麻、茯苓の4つの生薬が含まれています。

こちらも利尿作用や胃腸のはたらきを改善する効果が期待でき、五苓散と効能は似ています。

一方で、天麻とよばれる生薬には中枢神経系の安定作用があるとされており、めまいや頭痛、耳鳴り、動悸、不眠などの神経症状を改善する効果が期待できます

五積散

五積散は、茯苓、蒼朮、陳皮、半夏、当帰、甘草などの生薬が含まれています。

こちらも五苓散と同様、余分な水分を取り除く利尿作用がありますが、これに加えて血行の改善効果も期待できます

そのため、冷え性や神経痛、生理痛、胃腸炎などの症状を緩和したい場合におすすめです。

五苓散を処方してもらうためには

即効性が高く安全性にも優れていると聞くと、すぐにでも五苓散を処方してほしいと考える方も多いでしょう。

五苓散をはじめとした漢方薬はドラッグストアでも販売されており、手軽に購入できます。

しかし、薬剤師によって処方される五苓散と、ドラッグストアで購入できる五苓散を比較した場合、配合されている生薬の種類は一緒でも成分量に違いが見られます。

そのため、同じ用量を服用しても効果の現れ方が異なるケースが多いのです。

五苓散を処方してもらう方法は、主に2つのパターンが考えられます。

病院で医師の診察を受ける

ひとつは、病院や医療機関で医師の診察を受けたうえで処方してもらう方法です。この場合、健康保険が適用となるケースが多く、安価で手に入れられるメリットがあります。

また、医師の診察を受けるため安全であり、万が一副作用などがあった際に対応してもらいやすいのもメリットといえるでしょう。

一方で、診察の内容や医師の判断によっては、必ずしも五苓散を処方してもらえるとは限らず、異なる薬が処方されるケースもあります。

漢方薬局で処方してもらう

もうひとつの方法は、漢方薬局で薬剤師に処方してもらう方法です。

病院とは異なり、漢方薬局で処方してもらう場合には健康保険が適用されず、自費扱いとなります。

一方、漢方薬局では薬剤師に気軽に相談できるのが大きな強みであり、五苓散を含めて自分に合った漢方薬を選んでもらうことができます。

その人の体質によっては、五苓散以外の漢方薬のほうがより高い効果を得られる可能性もあります。特に初めて漢方薬を服用する場合は、体質や症状を専門家に見極めてもらうことが大切です。

運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供

病院で漢方薬を処方してもらうのはコスト面でメリットがありますが、確実に希望する漢方薬が処方してもらえなかったり、診察のたびに長時間待たなければならず、手間に感じる方も多いでしょう。

そこで、漢方薬局の利用は希望する漢方薬を手に入れるために有効な手段といえます。しかし、自宅や職場の近くに漢方薬局がないという方も多いのではないでしょうか。

また、信頼できる漢方薬局がなかなか見つからず、ドラッグストアで販売している漢方薬で妥協してしまうケースも少なくありません。

そのような悩みを抱えている方には、宮城県仙台市にある漢方薬局「運龍堂」がおすすめです。運龍堂ではオンラインによる漢方相談を行っており、初回60分、2回目以降は30分の無料相談を受けられます

電話やLINE、ZOOMなどさまざまな手段が選択でき、相談後はオンラインで漢方薬の注文も可能です。

漢方薬には五苓散以外にも多くの種類があり、その人の体調や症状、体質に合わせて生薬の配合量を変える必要があります。

市販の漢方薬が確実にその人にマッチしているとも限らず、効果が現れずに服用をやめてしまう人も少なくないのです。

運龍堂では遠方にいながらでもオンラインで漢方の専門家へ直接相談でき、分からないことや漢方薬に関する疑問にお答えします

◆漢方のことなら「運龍堂」にお任せ◆

まとめ

五苓散は、主に二日酔いや胃腸の不調改善、身体のむくみを解消するために用いられることの多い漢方薬です。

五苓散には即効性があり、服用して間もなく利尿作用がみられ、むくみを解消していきます。また、水太りに悩んでいる人の場合、長期的に服用し続けることで徐々に体重が落ちていき、ダイエット効果も期待できるでしょう。

漢方薬の多くは副作用も少なく、西洋薬に比べると服用のリスクは少ないメリットがありますが、絶対に副作用がないとも言い切れません。その人の体質や既往歴、その日の体調などによっても副作用が現れることもあるため、服用にあたってはくれぐれも注意が必要です。

また、「五苓散」とパッケージに記載された商品はドラッグストアでも購入できますが、病院や漢方薬局で処方されるものに比べると成分量が異なるケースも多いです。

自分に合った漢方薬を知り、身体のさまざまな不調や悩み、不安を解消したいと考える方は、専門家のオンライン相談にも対応している運龍堂へぜひ一度お問い合わせください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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