投稿日:2019.04.02/更新日:2020.03.06

漢方から見た春に大切な過ごし方のまとめ(養生)

春の養生について

自然界に四季おりおりの変化があり、気温や湿度などの性質や見える景色が移り変わっていきます。私たち人間の身体もこれらの季節とともに常に変化しています。現代人にありがちな、一年中同じものを食べて、同じ生活スタイルで活動することは必ずしも良いとは言えません。身体の生命活動と自然との調和の中で健康が成り立ちます。

<春の季節的な特徴>
冬が終わり、寒さが和らぐ頃、春がやってきます。春は内側にしまってあった生命エネルギーを徐々に外に向かって発散し始める季節です。あらゆる生き物が活動をスタートし、いきいきのびのびと活動します。私たちも例外ではなく、家の中で暖を取り、内側にこもっていた生活から外で身体を動かす時間も増え始める季節です。

<草木が伸びるように精神的なゆとりも大切>
春は夏にむけて草木が伸び始める季節です。ここでは無理に抑え込まれたりすることを極力避け、自由に伸びていけるようゆとりをもたせることが大切です。そのため、自分を過度に否定したり、抑圧したりするストレスはできるだけ排除するように気を付けましょう。転勤や引っ越しといった仕事やプライベートでも変化が多い季節ですが、見えない先のことに対する不安で身動きできなくなることのないよう気楽に考えることも大切です。

<早起きが大切>
春は陽気をできるだけ身体に取り込む必要があるため、朝寝坊は禁物です。できるだけ早く起き、ゆとりをもってのんびり過ごすよう心がけましょう。夜は当然夜更かしにならないよう気を付けます。夜遅くまで起きていると陽気を増やしたいこの季節に反して陰気を身体に誘い込む原因になってしまいます。

<春は肝(かん)の季節です>
肝・心・脾・肺・腎の五臓はそれぞれの季節の特徴と深い関りがあります。春は肝の季節。肝は身体の気血を巡らせる際に重要な「疏泄(そせつ)」という働きを担っています。必要な個所に必要なものを届けるというコントロールの働きです。これまで述べてきた生活上の養生は肝の働きを促す一方、その逆も然り。きちんと肝の働きを引き出せるような心がけが大切です。

<肝に良い生薬、健康素材>
肝を養い、働きを高めることで有名なのが牛黄(ごおう)、深海ザメの肝油(スクアレン)、田七人参(でんしちにんじん)です。それぞれ単体で摂っても良いですし、組み合わせて摂ることで相乗的効果も期待できます。肝は解毒作用(デトックス)も担っていますので、春の活動とともに増えてきた代謝物、老廃物をきちんと処理するためにもこれらの素材をうまく生活に取り入れましょう。

    この記事の監修薬剤師

    運龍堂 佐藤貴繁

    略歴

    1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
         北海道大学薬学部を卒業
    2003年 薬剤師免許を取得
    2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
         専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
    2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
    2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
    2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
    2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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    2019/04/02

    漢方から見た春に大切な過ごし方のまとめ(養生)

    春の養生について

    自然界に四季おりおりの変化があり、気温や湿度などの性質や見える景色が移り変わっていきます。私たち人間の身体もこれらの季節とともに常に変化しています。現代人にありがちな、一年中同じものを食べて、同じ生活スタイルで活動することは必ずしも良いとは言えません。身体の生命活動と自然との調和の中で健康が成り立ちます。

    <春の季節的な特徴>
    冬が終わり、寒さが和らぐ頃、春がやってきます。春は内側にしまってあった生命エネルギーを徐々に外に向かって発散し始める季節です。あらゆる生き物が活動をスタートし、いきいきのびのびと活動します。私たちも例外ではなく、家の中で暖を取り、内側にこもっていた生活から外で身体を動かす時間も増え始める季節です。

    <草木が伸びるように精神的なゆとりも大切>
    春は夏にむけて草木が伸び始める季節です。ここでは無理に抑え込まれたりすることを極力避け、自由に伸びていけるようゆとりをもたせることが大切です。そのため、自分を過度に否定したり、抑圧したりするストレスはできるだけ排除するように気を付けましょう。転勤や引っ越しといった仕事やプライベートでも変化が多い季節ですが、見えない先のことに対する不安で身動きできなくなることのないよう気楽に考えることも大切です。

    <早起きが大切>
    春は陽気をできるだけ身体に取り込む必要があるため、朝寝坊は禁物です。できるだけ早く起き、ゆとりをもってのんびり過ごすよう心がけましょう。夜は当然夜更かしにならないよう気を付けます。夜遅くまで起きていると陽気を増やしたいこの季節に反して陰気を身体に誘い込む原因になってしまいます。

    <春は肝(かん)の季節です>
    肝・心・脾・肺・腎の五臓はそれぞれの季節の特徴と深い関りがあります。春は肝の季節。肝は身体の気血を巡らせる際に重要な「疏泄(そせつ)」という働きを担っています。必要な個所に必要なものを届けるというコントロールの働きです。これまで述べてきた生活上の養生は肝の働きを促す一方、その逆も然り。きちんと肝の働きを引き出せるような心がけが大切です。

    <肝に良い生薬、健康素材>
    肝を養い、働きを高めることで有名なのが牛黄(ごおう)、深海ザメの肝油(スクアレン)、田七人参(でんしちにんじん)です。それぞれ単体で摂っても良いですし、組み合わせて摂ることで相乗的効果も期待できます。肝は解毒作用(デトックス)も担っていますので、春の活動とともに増えてきた代謝物、老廃物をきちんと処理するためにもこれらの素材をうまく生活に取り入れましょう。

      この記事の監修薬剤師

      運龍堂 佐藤貴繁

      略歴

      1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
           北海道大学薬学部を卒業
      2003年 薬剤師免許を取得
      2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
           専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
      2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
      2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
      2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
      2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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