投稿日:2025.06.25/更新日:2025.06.27

六君子湯が合わない人の特徴は?漢方専門薬剤師が詳しく解説

六君子湯は自然由来の生薬を配合した漢方薬の一つで、胃腸の不快感や食欲不振・倦怠感といった症状の方に処方されます。

しかし、服用される患者様によっては六君子湯の服用を控えた方がよい場合があります。

そこで、本記事では六君子湯が合わない人の盗聴について、漢方専門の薬剤師が詳しく解説します。

六君子湯とは

六君子湯は8つの生薬が配合された漢方薬で、主に以下のような症状の改善効果が期待できます。

  • 胃腸虚弱
  • 食欲不振
  • 倦怠感
  • 胃腸が原因による自律神経の乱れ など

このように、六君子湯は胃腸に関する不調の改善が期待できる漢方薬です。

 

関連記事:六君子湯は自律神経・精神安定に効果あり!合わない人の特徴や副作用について解説

関連記事:六君子湯を試してみた!実際の体験談と感じた効果

六君子湯が合わない人の特徴

漢方薬は自然由来の生薬のため、比較的安全とされていますが、生薬に含まれる成分の影響で副作用が生じる場合があります。

主な特徴

六君子湯が合わない人の特徴は、以下のとおりです。

  • 実証(じっしょう)の方
  • 体力が充実している
  • 妊婦または妊娠の可能性がある
  • ご高齢の方

六君子湯は、胃腸虚弱の方の「気」を補う効果があります。

そのため、実証(体力があり、比較的がっしりした健康体)の方や体力が充実している方が服用すると、かえって胃もたれや倦怠感を感じることがあります。

また、妊娠中もしくは妊娠の可能性のある方も服用は控えるようにしてください。

六君子湯には半夏(はんげ)と呼ばれる生薬が含まれており、「収斂作用(しゅうれんさよう)」や「乾燥作用」があり、子宮収縮を促す可能性があるとされています。

そのため、自己判断による服用は避け、主治医へ必ず相談をするようにしてください。

ご高齢の方の服用も注意が必要です。

六君子湯の副作用として、偽アルドステロン症やミオパチー、重篤な副作用として肝機能障害などが挙げられます。

偽アルドステロン症は低カリウム血症や血圧上昇、ミオパチーは筋力低下や痙攣・麻痺を引き起こす恐れがあります。

ご高齢の方の場合、これらの副作用が現れると重篤化するリスクがあるため、服用の際は医師や漢方専門の薬剤師へ相談をしてください。

使用禁忌・併用注意の薬を服用している人

六君子湯には甘草が含まれています。

甘草が含まれている漢方薬を別に飲んでいる場合は、過剰摂取となり偽アルドステロン症を引き起こす可能性があります。

また、甘草の主成分はグリルチン酸のため、グリルチン酸やその塩類を含む薬剤を服用されている方も偽アルドステロン症のリスクが高まります。

ループ利尿薬やチアジド系利尿薬を服用されている方も、低カリウム血症のおそれがあるため六君子湯との併用は注意が必要です。

関連記事:【専門家が解説】妊活に効果的な漢方とは?選び方とおすすめ漢方薬

六君子湯が合わないと感じる症状と対処法

以下に挙げる症状が出た場合は、副作用の恐れがあるため服用を中止して医療機関を受診してください。

  • 過敏症や消化器症状
  • その他の重篤な症状

過敏症や消化器症状

過敏症は皮膚の痒みや発疹・発赤などの症状が現れます。

消化器症状としては、吐き気や嘔吐・食欲不振・胃の不快感などが挙げられます。

六君子湯は胃腸の働きを助けるための漢方薬ですが、服用することで症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合は服用を中止し、医師の診察を受けることが大切です。

その他の重篤な症状

過敏症や小雨夏季症状に六君子湯を服用することで、以下のような重篤な副作用を引き起こす場合があります。

  • 偽アルドステロン症
  • ミオパチー
  • 肝機能障害 など

偽アルドステロン症やミオパチーの自覚症状として、手足のだるさや痺れ・脱力感・筋肉痛などが挙げられます。

肝機能障害の症状として、発赤や痒みといった過敏症状・倦怠感・食欲不振などがあり、悪化すると黄疸や褐色尿といった症状が現れます。

少しでも身体に違和感を感じることがあればすぐに服用を中止し、早めに医療機関を受診することが大切です。

六君子湯と似たような効果が期待できる漢方薬

六君子湯以外にも、胃腸の働きの改善効果が期待できる漢方薬があります。

似たような効果が期待できる漢方薬を3つご紹介します。

人参湯(にんじんとう)

人参湯は六君子湯と同様に「脾(ひ)」の働きを促す効果があります。

特に身体の末端が冷えてつらいときは、人参湯によって体を温めることで胃腸の働きが高まります。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は、六君子湯と同様に「気」を補う効果が期待できる漢方薬です。

特に全身の虚弱や手足の倦怠感・無気力感が強い場合は、補中益気湯が処方されることがあります。

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

半夏瀉心湯には、六君子湯と重複する生薬が複数含まれています。

半夏瀉心湯には「気」を補い巡りをよくする生薬に加え、熱を冷ます効果のある生薬も配合されています。

そのため、胃酸の逆流による灼熱感を感じる場合に用いられることが多い漢方薬です。

関連記事:東洋医学の考え方とは?気・血・水の概念と陰陽五行思想との関係性

まとめ

六君子湯は胃腸虚弱の方の症状改善効果が期待できる漢方薬ですが、服用される方の状態によっては副作用を引き起こす可能性があります。

胃腸の働きを改善し、健康的な生活を取り戻すために六君子湯の服用を考えている方は、まずは漢方専門の調剤薬局である運龍堂へご相談ください。

運龍堂では、遠方の方や外出が困難な方に向けて、オンラインによる健康相談も承っています。

漢方薬を専門とした薬剤師が症状を丁寧にヒアリングし、お身体に合った漢方薬を処方させていただきます。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2025/06/25

六君子湯が合わない人の特徴は?漢方専門薬剤師が詳しく解説

六君子湯は自然由来の生薬を配合した漢方薬の一つで、胃腸の不快感や食欲不振・倦怠感といった症状の方に処方されます。

しかし、服用される患者様によっては六君子湯の服用を控えた方がよい場合があります。

そこで、本記事では六君子湯が合わない人の盗聴について、漢方専門の薬剤師が詳しく解説します。

六君子湯とは

六君子湯は8つの生薬が配合された漢方薬で、主に以下のような症状の改善効果が期待できます。

  • 胃腸虚弱
  • 食欲不振
  • 倦怠感
  • 胃腸が原因による自律神経の乱れ など

このように、六君子湯は胃腸に関する不調の改善が期待できる漢方薬です。

 

関連記事:六君子湯は自律神経・精神安定に効果あり!合わない人の特徴や副作用について解説

関連記事:六君子湯を試してみた!実際の体験談と感じた効果

六君子湯が合わない人の特徴

漢方薬は自然由来の生薬のため、比較的安全とされていますが、生薬に含まれる成分の影響で副作用が生じる場合があります。

主な特徴

六君子湯が合わない人の特徴は、以下のとおりです。

  • 実証(じっしょう)の方
  • 体力が充実している
  • 妊婦または妊娠の可能性がある
  • ご高齢の方

六君子湯は、胃腸虚弱の方の「気」を補う効果があります。

そのため、実証(体力があり、比較的がっしりした健康体)の方や体力が充実している方が服用すると、かえって胃もたれや倦怠感を感じることがあります。

また、妊娠中もしくは妊娠の可能性のある方も服用は控えるようにしてください。

六君子湯には半夏(はんげ)と呼ばれる生薬が含まれており、「収斂作用(しゅうれんさよう)」や「乾燥作用」があり、子宮収縮を促す可能性があるとされています。

そのため、自己判断による服用は避け、主治医へ必ず相談をするようにしてください。

ご高齢の方の服用も注意が必要です。

六君子湯の副作用として、偽アルドステロン症やミオパチー、重篤な副作用として肝機能障害などが挙げられます。

偽アルドステロン症は低カリウム血症や血圧上昇、ミオパチーは筋力低下や痙攣・麻痺を引き起こす恐れがあります。

ご高齢の方の場合、これらの副作用が現れると重篤化するリスクがあるため、服用の際は医師や漢方専門の薬剤師へ相談をしてください。

使用禁忌・併用注意の薬を服用している人

六君子湯には甘草が含まれています。

甘草が含まれている漢方薬を別に飲んでいる場合は、過剰摂取となり偽アルドステロン症を引き起こす可能性があります。

また、甘草の主成分はグリルチン酸のため、グリルチン酸やその塩類を含む薬剤を服用されている方も偽アルドステロン症のリスクが高まります。

ループ利尿薬やチアジド系利尿薬を服用されている方も、低カリウム血症のおそれがあるため六君子湯との併用は注意が必要です。

関連記事:【専門家が解説】妊活に効果的な漢方とは?選び方とおすすめ漢方薬

六君子湯が合わないと感じる症状と対処法

以下に挙げる症状が出た場合は、副作用の恐れがあるため服用を中止して医療機関を受診してください。

  • 過敏症や消化器症状
  • その他の重篤な症状

過敏症や消化器症状

過敏症は皮膚の痒みや発疹・発赤などの症状が現れます。

消化器症状としては、吐き気や嘔吐・食欲不振・胃の不快感などが挙げられます。

六君子湯は胃腸の働きを助けるための漢方薬ですが、服用することで症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合は服用を中止し、医師の診察を受けることが大切です。

その他の重篤な症状

過敏症や小雨夏季症状に六君子湯を服用することで、以下のような重篤な副作用を引き起こす場合があります。

  • 偽アルドステロン症
  • ミオパチー
  • 肝機能障害 など

偽アルドステロン症やミオパチーの自覚症状として、手足のだるさや痺れ・脱力感・筋肉痛などが挙げられます。

肝機能障害の症状として、発赤や痒みといった過敏症状・倦怠感・食欲不振などがあり、悪化すると黄疸や褐色尿といった症状が現れます。

少しでも身体に違和感を感じることがあればすぐに服用を中止し、早めに医療機関を受診することが大切です。

六君子湯と似たような効果が期待できる漢方薬

六君子湯以外にも、胃腸の働きの改善効果が期待できる漢方薬があります。

似たような効果が期待できる漢方薬を3つご紹介します。

人参湯(にんじんとう)

人参湯は六君子湯と同様に「脾(ひ)」の働きを促す効果があります。

特に身体の末端が冷えてつらいときは、人参湯によって体を温めることで胃腸の働きが高まります。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は、六君子湯と同様に「気」を補う効果が期待できる漢方薬です。

特に全身の虚弱や手足の倦怠感・無気力感が強い場合は、補中益気湯が処方されることがあります。

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

半夏瀉心湯には、六君子湯と重複する生薬が複数含まれています。

半夏瀉心湯には「気」を補い巡りをよくする生薬に加え、熱を冷ます効果のある生薬も配合されています。

そのため、胃酸の逆流による灼熱感を感じる場合に用いられることが多い漢方薬です。

関連記事:東洋医学の考え方とは?気・血・水の概念と陰陽五行思想との関係性

まとめ

六君子湯は胃腸虚弱の方の症状改善効果が期待できる漢方薬ですが、服用される方の状態によっては副作用を引き起こす可能性があります。

胃腸の働きを改善し、健康的な生活を取り戻すために六君子湯の服用を考えている方は、まずは漢方専門の調剤薬局である運龍堂へご相談ください。

運龍堂では、遠方の方や外出が困難な方に向けて、オンラインによる健康相談も承っています。

漢方薬を専門とした薬剤師が症状を丁寧にヒアリングし、お身体に合った漢方薬を処方させていただきます。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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