投稿日:2025.01.31/更新日:2025.01.31

不眠症に治し方はある?よく効くツボや食べ物を紹介

日常的に熟睡することができず、朝起きることが辛かったり、日中の生活に支障が出たりすることはないでしょうか。 それは、不眠症が原因かもしれません。

本記事では、不眠症についての解説と併せて、効果的なツボや食べ物をご紹介します。

不眠症でお悩みの方は、ぜひ参考にしていただき、不眠症改善のお役に立てれば幸いです。

自分の不眠症の種類と原因を知ろう

悩みや不安があると眠れなくなった経験をされた方は、少なくないでしょう。

そして、原因となっていた悩みや不安が解消されると、自然と眠れるようになります。

しかし、原因が解消されても眠ることができず、慢性的な不眠症になる場合があります。

不眠症の種類

不眠症には、4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

眠ろうとしてもなかなか寝付くことができないのが、「入眠障害」と呼ばれるものです。一方で、寝付くことはできても眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」も不眠症の症状です。

その他に、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、浅い睡眠が続き熟睡することができない「熟眠障害」も、不眠症の症状として挙げられます。

不眠症の原因

不眠症になる原因は、さまざまな要因が考えられます。

悩みや不安、精神的なストレスによる心理的要因があると、不眠の症状が出やすくなります。

ストレスだけでなく、控えている楽しい行事を目前にしているときも、気持ちが昂って寝付けないことがあります。 身体的要因として、加齢も不眠の原因として考えられます。

また、月経前や更年期など、女性特有の身体的要因も不眠の原因の一つです。 うつ病や統合失調症などの精神疾患による精神的要因も、不眠を伴うことがあります。

ただの不眠だと思っていたら精神疾患が発症していたケースも、少なくありません。

そのほかに、服薬しているお薬の副作用も、薬理学的要因として不眠の原因になることがあります。 降圧剤や甲状腺製剤、抗がん剤などは睡眠障害の副作用があります。

カフェインやニコチンの過剰摂取も、薬理学的要因といえるでしょう。

また、夜間の仕事で昼夜逆転した生活や、騒音など睡眠環境の生理学的要因も不眠の原因として考えられます。

関連記事:不眠の主な原因とは?解決方法やおすすめの漢方をご紹介

日常生活でできる不眠症の治し方

不眠症のなかには、日常生活を改善することで治せる場合があります。 日常生活でできる、不眠症改善のための方法をご紹介します。

規則的な生活リズムの確立

夜更かしや休日の長時間睡眠、昼寝のしすぎといった不規則な生活は、体内時計を乱す原因です。

体内時計は睡眠に備えて、ホルモンの分泌や生理的活動をコントロールしています。 睡眠に対する準備は、自分の意思でコントロールすることは難しく、体内時計に頼るしかありません。

仕事の関係で就寝時間や起床時間が不規則になる場合もあるでしょう。

できる範囲で工夫をして規則的な生活リズムを確立し、体内時計を整えるようにしましょう。

睡眠環境を整える

マットレスや布団、枕など自分に適した寝具を用意して、睡眠環境を整えることも効果的です。

人の体は、後頭部から首と胸、そして胸から腰にかけてS字を描くように2つのカーブがあります。

マットレスや敷布団が柔らかすぎると、腰部と胸部が深く沈んでしまい、安眠を妨げることがあります。

反対に、硬すぎると体に痛みが生じたり、血流が悪くなったりして熟睡できません。

寝室の温度や湿度も、良い睡眠に影響を与えます。睡眠に適した室温は20℃前後、湿度は40〜70%が適切な環境といわれています。

また、スマートフォンやタブレットなどのブルーライトは、睡眠ホルモンのメラトニンという物質の分泌量に影響を与えます。就寝1時間前を目安に、画面を見ないように習慣づけましょう。

就寝前にリラックスタイムを設ける

睡眠前の興奮状態は、安眠を妨げる原因です。

興奮を抑えるためには、副交感神経を活発にすることでリラックスでき、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。

ぬるめの湯船に浸かったり、読書などでリラックスする時間を用意し、心身の緊張をほぐしましょう。 湯船につかるときは半身浴が心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にしてくれます。

適度な運動習慣を取り入れる

日頃デスクワーク中心のお仕事をされている方は、適度な運動をしましょう。

軽く汗をかく程度の運動は、体に適度な疲労感を与え、心地よい眠りを得ることができます。

一方で、激しい運動は交感神経を興奮状態にし、寝つきを悪くするので注意が必要です。

身体の負担にならない程度の、適度な有酸素運動を継続するとよいでしょう。

夜間のカフェイン・アルコール摂取を控える

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、覚醒作用があり寝つきが悪くなる原因です。

また、寝酒が楽しみという方もいらっしゃるでしょうが、飲酒後は深い睡眠の時間が少なくなります。

そのため、早朝覚醒が増え、心地よい目覚めを得ることができません。

寝酒は寝つきがよくなると思われがちですが、寝る直前まで飲むことや深酒は、睡眠を妨げるので控えましょう。

起床後に日光を浴びる習慣をつける

目覚めたときに日光を浴びることで、体内時計を調整する効果が期待できます。

できるだけ早朝に日光を浴びることで、夜の寝る時間が早くなり、朝起きる時間が早くなる習慣が作れます。

朝早く起きる習慣を身につけることで、早く寝るという規則的な生活リズムを確立する手助けになるでしょう。

漢方薬の服用

不眠症を抱えている方は、眠れないことで他の不調が起きている場合があります。

漢方薬を服用することにより、身体の働きを整えて不眠や不調の改善を目指します。

漢方薬は、数多くの種類のなかから、症状に適した薬を選択する必要があります。

そのため、自己判断で選ぶことはしないで、専門医や漢方薬に精通した薬剤師に相談することをおすすめします。

不眠症に効くとされるツボ

東洋医学で「経穴」と呼ばれているツボのなかには、不眠症改善の効果が期待できるツボが存在します。

不眠症に効果的な5つのツボをご紹介しますので、試してみてはいかがでしょうか。

百会(ひゃくえ)

顔の正中線と両耳の上部を結んだ線の交わった部分、頭頂部の手前にあるくぼみが「百会」と呼ばれるツボです。

内臓や筋肉、神経や血管など幅広い部位に効果があります。 そのため、不眠症以外にも耳鳴りやめまい、精神安定作用など様々な効果が期待できます。

神門(しんもん)

手のひらを上に向け、小指の下のほうにあるツボが「神門」です。

手のひらと手首の付け根のあたりに反対側の親指をあてて、気持ちよさが感じられる強さで5秒ほど押さえます。 左右の手の神門へそれぞれ5回、繰り返し刺激を与えましょう。

内関(ないかん)

手のひらを上にむけ、手首の付け根から腕に向かって指3本分離れたところにある「内関」は、内臓の血液の流れをよくする効果があります。

親指で3秒ほどしっかりと押さえてゆっくり放す動作を、左右5回繰り返すことで、イライラや動悸を抑えて精神を安定させることが期待できるツボです。

失眠(しつみん)

足のかかとの中心にある、少し凹みのある部分が「失眠」と呼ばれるツボです。

押すだけでなく、軽く叩いたりマッサージをしたりすることでも効果が得られます。

また、寝るときに布団に擦り付けてゆっくり刺激することでも効果が期待できるので、睡眠の準備にもよいでしょう。

失眠は、神経を落ち着かせて眠気を誘う効果があるので、頭が冴えて眠れないときにおすすめのツボです。

安眠(あんみん)

「安眠」は、耳の後にある骨から指1本分下に位置するツボです。

その名の通り、安眠を刺激することで心身がリラックスし、自然な眠りを誘う効果が得られます。 親指を左右のツボに対してぐりぐりと回し込むように刺激する動作を、他のツボ同様に5回繰り返しましょう。

不眠症の改善におすすめの食べ物

不眠症の改善は、生活習慣の見直しや漢方薬の服用、ツボへの刺激以外に食べ物で改善できることがあります。 具体的な食べ物をご紹介しますので、日頃の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

トリプトファンを多く含む食べ物

脳内物質である「セロトニン」や「メラトニン」は、睡眠をコントロールするために重要な役割を担っています。

これらの脳内物質は、「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸の一つから生成されています。

不眠症を改善するには、トリプトファンの摂取がとても重要です。

リプトファンは、以下の食品に豊富に含まれています。 ・鶏肉 ・魚 ・ナッツ ・大豆製品 ・バナナ 積極的に食事に取り入れて、睡眠の質を向上させましょう。

グリシンを多く含む食べ物

アミノ酸の一種である「グリシン」は、末端の血流がよくなり、また深部体温を低下させることで質のよい睡眠を得ることができます。

グリシンはスルメやエビ、鰹節といった魚介類や、鶏肉や大豆に豊富に含まれています。

マグネシウムを多く含む食べ物

マグネシウム不足も、不眠症を引き起こす原因の一つです。

睡眠に関係性がある「レニン」と呼ばれるホルモンは、マグネシウムが関係しているといわれています。

ほうれん草やアーモンド、大豆や魚を食事に取り入れて、適切な量のマグネシウムを摂取しましょう。 食事での摂取が難しい場合は、サプリメントの活用もおすすめです。

ビタミンB1を多く含む食べ物

水溶性ビタミンであるビタミンB1の摂取も、不眠症改善の効果が期待できる栄養素です。

ビタミンB1を摂取することで、中枢神経や末梢神経を正常に保ち、不眠症の改善をサポートする効果が期待できます。 豚肉の赤身や焼きのり、胡麻などに多く含まれているので、摂取しやすい栄養素といえます。

GABAを多く含む食べ物

カカオに含まれているGABAには、ストレスや興奮を鎮める作用があります。

GABAは、チョコレートに含まれているイメージがありますが、トマトや発芽玄米にも含まれています。 GABAを摂取して気持ちを沈め、質のよい睡眠を目指しましょう。

不眠症の改善におすすめの漢方薬

ここからは、不眠症の改善におすすめの、4種類の漢方薬をご紹介します。

酸棗仁湯(サンソウニントウ)

不眠症改善のための、代表格が「酸棗仁湯」です。 心身ともに疲れている方に効果があり、鎮静作用もあります。

また穏やかに睡眠作用を促してくれるので、「疲れているのに眠れない」「寝付くことができない」という方に効果が期待できます。

関連記事:酸棗仁湯の効果が出るまでどれくらい?ツムラやクラシエの市販品はある?

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

半夏厚朴湯は、生姜が含まれているので身体を温め、心身の状態をよくする作用があります。

気分が落ち込んでいる方や、動機やめまいがある方におすすめの漢方薬です。

関連記事:半夏厚朴湯の飲み合わせの禁忌や副作用について徹底解説

黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

体力がある方や、イライラしやすい方におすすめなのが、黄連解毒湯です。

身体が火照り気味、頭痛や耳鳴りがするなどの症状に効果があります。

関連記事:寝苦しい夜には黄連解毒丸(おうれんげどくがん)でクールダウン!

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

身体が弱く、貧血の症状がある方には加味逍遙散がよいでしょう。

虚弱体質や血色の悪い方の不眠症に、効果が期待できます。

関連記事:加味逍遙散はうつに効果がある?副作用や合わない人の特徴とは?

不眠のご相談ならオーダーメイド漢方薬の運龍堂まで

不眠症で悩んでいらっしゃる方には、生活習慣の改善や食事、そして漢方薬で改善が期待できます。

運龍堂では、患者様一人ひとりの症状をお伺いし、適切な漢方薬を処方しています。

不眠症は、患者様によって症状が異なります。

質のよい睡眠ができずお悩みの患者様は、お気軽にオンラインによる無料漢方相談をお試しください。 快適に眠ることができるように、しっかりとお手伝いさせていただきます。

まとめ

漢方薬は自然由来の生薬を継続して服用することで、身体への負担が少なく、徐々に症状を改善する効果が期待できます。

そのためには、患者様一人ひとりの症状に合った処方が不可欠です。

「症状に合った漢方薬がわからない」「誰に相談していいかわからない」とお悩みの方は、運龍堂のオンライン漢方相談をぜひご利用ください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2025/01/31

不眠症に治し方はある?よく効くツボや食べ物を紹介

日常的に熟睡することができず、朝起きることが辛かったり、日中の生活に支障が出たりすることはないでしょうか。 それは、不眠症が原因かもしれません。

本記事では、不眠症についての解説と併せて、効果的なツボや食べ物をご紹介します。

不眠症でお悩みの方は、ぜひ参考にしていただき、不眠症改善のお役に立てれば幸いです。

自分の不眠症の種類と原因を知ろう

悩みや不安があると眠れなくなった経験をされた方は、少なくないでしょう。

そして、原因となっていた悩みや不安が解消されると、自然と眠れるようになります。

しかし、原因が解消されても眠ることができず、慢性的な不眠症になる場合があります。

不眠症の種類

不眠症には、4つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

眠ろうとしてもなかなか寝付くことができないのが、「入眠障害」と呼ばれるものです。一方で、寝付くことはできても眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」も不眠症の症状です。

その他に、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、浅い睡眠が続き熟睡することができない「熟眠障害」も、不眠症の症状として挙げられます。

不眠症の原因

不眠症になる原因は、さまざまな要因が考えられます。

悩みや不安、精神的なストレスによる心理的要因があると、不眠の症状が出やすくなります。

ストレスだけでなく、控えている楽しい行事を目前にしているときも、気持ちが昂って寝付けないことがあります。 身体的要因として、加齢も不眠の原因として考えられます。

また、月経前や更年期など、女性特有の身体的要因も不眠の原因の一つです。 うつ病や統合失調症などの精神疾患による精神的要因も、不眠を伴うことがあります。

ただの不眠だと思っていたら精神疾患が発症していたケースも、少なくありません。

そのほかに、服薬しているお薬の副作用も、薬理学的要因として不眠の原因になることがあります。 降圧剤や甲状腺製剤、抗がん剤などは睡眠障害の副作用があります。

カフェインやニコチンの過剰摂取も、薬理学的要因といえるでしょう。

また、夜間の仕事で昼夜逆転した生活や、騒音など睡眠環境の生理学的要因も不眠の原因として考えられます。

関連記事:不眠の主な原因とは?解決方法やおすすめの漢方をご紹介

日常生活でできる不眠症の治し方

不眠症のなかには、日常生活を改善することで治せる場合があります。 日常生活でできる、不眠症改善のための方法をご紹介します。

規則的な生活リズムの確立

夜更かしや休日の長時間睡眠、昼寝のしすぎといった不規則な生活は、体内時計を乱す原因です。

体内時計は睡眠に備えて、ホルモンの分泌や生理的活動をコントロールしています。 睡眠に対する準備は、自分の意思でコントロールすることは難しく、体内時計に頼るしかありません。

仕事の関係で就寝時間や起床時間が不規則になる場合もあるでしょう。

できる範囲で工夫をして規則的な生活リズムを確立し、体内時計を整えるようにしましょう。

睡眠環境を整える

マットレスや布団、枕など自分に適した寝具を用意して、睡眠環境を整えることも効果的です。

人の体は、後頭部から首と胸、そして胸から腰にかけてS字を描くように2つのカーブがあります。

マットレスや敷布団が柔らかすぎると、腰部と胸部が深く沈んでしまい、安眠を妨げることがあります。

反対に、硬すぎると体に痛みが生じたり、血流が悪くなったりして熟睡できません。

寝室の温度や湿度も、良い睡眠に影響を与えます。睡眠に適した室温は20℃前後、湿度は40〜70%が適切な環境といわれています。

また、スマートフォンやタブレットなどのブルーライトは、睡眠ホルモンのメラトニンという物質の分泌量に影響を与えます。就寝1時間前を目安に、画面を見ないように習慣づけましょう。

就寝前にリラックスタイムを設ける

睡眠前の興奮状態は、安眠を妨げる原因です。

興奮を抑えるためには、副交感神経を活発にすることでリラックスでき、睡眠の質を向上させる効果が期待できます。

ぬるめの湯船に浸かったり、読書などでリラックスする時間を用意し、心身の緊張をほぐしましょう。 湯船につかるときは半身浴が心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にしてくれます。

適度な運動習慣を取り入れる

日頃デスクワーク中心のお仕事をされている方は、適度な運動をしましょう。

軽く汗をかく程度の運動は、体に適度な疲労感を与え、心地よい眠りを得ることができます。

一方で、激しい運動は交感神経を興奮状態にし、寝つきを悪くするので注意が必要です。

身体の負担にならない程度の、適度な有酸素運動を継続するとよいでしょう。

夜間のカフェイン・アルコール摂取を控える

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、覚醒作用があり寝つきが悪くなる原因です。

また、寝酒が楽しみという方もいらっしゃるでしょうが、飲酒後は深い睡眠の時間が少なくなります。

そのため、早朝覚醒が増え、心地よい目覚めを得ることができません。

寝酒は寝つきがよくなると思われがちですが、寝る直前まで飲むことや深酒は、睡眠を妨げるので控えましょう。

起床後に日光を浴びる習慣をつける

目覚めたときに日光を浴びることで、体内時計を調整する効果が期待できます。

できるだけ早朝に日光を浴びることで、夜の寝る時間が早くなり、朝起きる時間が早くなる習慣が作れます。

朝早く起きる習慣を身につけることで、早く寝るという規則的な生活リズムを確立する手助けになるでしょう。

漢方薬の服用

不眠症を抱えている方は、眠れないことで他の不調が起きている場合があります。

漢方薬を服用することにより、身体の働きを整えて不眠や不調の改善を目指します。

漢方薬は、数多くの種類のなかから、症状に適した薬を選択する必要があります。

そのため、自己判断で選ぶことはしないで、専門医や漢方薬に精通した薬剤師に相談することをおすすめします。

不眠症に効くとされるツボ

東洋医学で「経穴」と呼ばれているツボのなかには、不眠症改善の効果が期待できるツボが存在します。

不眠症に効果的な5つのツボをご紹介しますので、試してみてはいかがでしょうか。

百会(ひゃくえ)

顔の正中線と両耳の上部を結んだ線の交わった部分、頭頂部の手前にあるくぼみが「百会」と呼ばれるツボです。

内臓や筋肉、神経や血管など幅広い部位に効果があります。 そのため、不眠症以外にも耳鳴りやめまい、精神安定作用など様々な効果が期待できます。

神門(しんもん)

手のひらを上に向け、小指の下のほうにあるツボが「神門」です。

手のひらと手首の付け根のあたりに反対側の親指をあてて、気持ちよさが感じられる強さで5秒ほど押さえます。 左右の手の神門へそれぞれ5回、繰り返し刺激を与えましょう。

内関(ないかん)

手のひらを上にむけ、手首の付け根から腕に向かって指3本分離れたところにある「内関」は、内臓の血液の流れをよくする効果があります。

親指で3秒ほどしっかりと押さえてゆっくり放す動作を、左右5回繰り返すことで、イライラや動悸を抑えて精神を安定させることが期待できるツボです。

失眠(しつみん)

足のかかとの中心にある、少し凹みのある部分が「失眠」と呼ばれるツボです。

押すだけでなく、軽く叩いたりマッサージをしたりすることでも効果が得られます。

また、寝るときに布団に擦り付けてゆっくり刺激することでも効果が期待できるので、睡眠の準備にもよいでしょう。

失眠は、神経を落ち着かせて眠気を誘う効果があるので、頭が冴えて眠れないときにおすすめのツボです。

安眠(あんみん)

「安眠」は、耳の後にある骨から指1本分下に位置するツボです。

その名の通り、安眠を刺激することで心身がリラックスし、自然な眠りを誘う効果が得られます。 親指を左右のツボに対してぐりぐりと回し込むように刺激する動作を、他のツボ同様に5回繰り返しましょう。

不眠症の改善におすすめの食べ物

不眠症の改善は、生活習慣の見直しや漢方薬の服用、ツボへの刺激以外に食べ物で改善できることがあります。 具体的な食べ物をご紹介しますので、日頃の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。

トリプトファンを多く含む食べ物

脳内物質である「セロトニン」や「メラトニン」は、睡眠をコントロールするために重要な役割を担っています。

これらの脳内物質は、「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸の一つから生成されています。

不眠症を改善するには、トリプトファンの摂取がとても重要です。

リプトファンは、以下の食品に豊富に含まれています。 ・鶏肉 ・魚 ・ナッツ ・大豆製品 ・バナナ 積極的に食事に取り入れて、睡眠の質を向上させましょう。

グリシンを多く含む食べ物

アミノ酸の一種である「グリシン」は、末端の血流がよくなり、また深部体温を低下させることで質のよい睡眠を得ることができます。

グリシンはスルメやエビ、鰹節といった魚介類や、鶏肉や大豆に豊富に含まれています。

マグネシウムを多く含む食べ物

マグネシウム不足も、不眠症を引き起こす原因の一つです。

睡眠に関係性がある「レニン」と呼ばれるホルモンは、マグネシウムが関係しているといわれています。

ほうれん草やアーモンド、大豆や魚を食事に取り入れて、適切な量のマグネシウムを摂取しましょう。 食事での摂取が難しい場合は、サプリメントの活用もおすすめです。

ビタミンB1を多く含む食べ物

水溶性ビタミンであるビタミンB1の摂取も、不眠症改善の効果が期待できる栄養素です。

ビタミンB1を摂取することで、中枢神経や末梢神経を正常に保ち、不眠症の改善をサポートする効果が期待できます。 豚肉の赤身や焼きのり、胡麻などに多く含まれているので、摂取しやすい栄養素といえます。

GABAを多く含む食べ物

カカオに含まれているGABAには、ストレスや興奮を鎮める作用があります。

GABAは、チョコレートに含まれているイメージがありますが、トマトや発芽玄米にも含まれています。 GABAを摂取して気持ちを沈め、質のよい睡眠を目指しましょう。

不眠症の改善におすすめの漢方薬

ここからは、不眠症の改善におすすめの、4種類の漢方薬をご紹介します。

酸棗仁湯(サンソウニントウ)

不眠症改善のための、代表格が「酸棗仁湯」です。 心身ともに疲れている方に効果があり、鎮静作用もあります。

また穏やかに睡眠作用を促してくれるので、「疲れているのに眠れない」「寝付くことができない」という方に効果が期待できます。

関連記事:酸棗仁湯の効果が出るまでどれくらい?ツムラやクラシエの市販品はある?

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

半夏厚朴湯は、生姜が含まれているので身体を温め、心身の状態をよくする作用があります。

気分が落ち込んでいる方や、動機やめまいがある方におすすめの漢方薬です。

関連記事:半夏厚朴湯の飲み合わせの禁忌や副作用について徹底解説

黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

体力がある方や、イライラしやすい方におすすめなのが、黄連解毒湯です。

身体が火照り気味、頭痛や耳鳴りがするなどの症状に効果があります。

関連記事:寝苦しい夜には黄連解毒丸(おうれんげどくがん)でクールダウン!

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

身体が弱く、貧血の症状がある方には加味逍遙散がよいでしょう。

虚弱体質や血色の悪い方の不眠症に、効果が期待できます。

関連記事:加味逍遙散はうつに効果がある?副作用や合わない人の特徴とは?

不眠のご相談ならオーダーメイド漢方薬の運龍堂まで

不眠症で悩んでいらっしゃる方には、生活習慣の改善や食事、そして漢方薬で改善が期待できます。

運龍堂では、患者様一人ひとりの症状をお伺いし、適切な漢方薬を処方しています。

不眠症は、患者様によって症状が異なります。

質のよい睡眠ができずお悩みの患者様は、お気軽にオンラインによる無料漢方相談をお試しください。 快適に眠ることができるように、しっかりとお手伝いさせていただきます。

まとめ

漢方薬は自然由来の生薬を継続して服用することで、身体への負担が少なく、徐々に症状を改善する効果が期待できます。

そのためには、患者様一人ひとりの症状に合った処方が不可欠です。

「症状に合った漢方薬がわからない」「誰に相談していいかわからない」とお悩みの方は、運龍堂のオンライン漢方相談をぜひご利用ください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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