2020/06/13

五臓と精神についてその2

<肝は思惟(しい)の中枢>
思惟とは考えることをいいます。


考える役割はどこの担当と言われたら多くの人が脳と答えると思います。



漢方では肝の働きが思惟には重要であると考えます。



肝は「将軍の官」と呼ばれ、外敵(病邪)を防ぐ一切の思慮、計謀を主ります。



肝は思惟活動の中心であり、人が思考思索を巡らすことができるのは肝のおかげです。



また、肝の性質は剛強であるとされ「肝っ玉のすわった人」の肝っ玉は肝のことを指しています。



反対に、肝に異常が生じると思惟活動が鈍り、ぼんやりとしたり無気力になることが多いです。



<肝は血を蔵す(ぞうす)>

大量の血液が通う場所はどこですかと聞かれたら脳や、肝臓、腎臓、肺などたくさん思い当たると思います。また、西洋医学に詳しい方であれば静脈が血液をプールしている場所だというかもしれません。


漢方では血を貯蔵しているのは肝であり、流れる血液量を調節するのも肝であると考えます。



肝は過度の「怒」が起こると精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなります。ひどい場合、吐血をする場合もあります。



したがって、激しく怒らせたことによる吐血には肝に対する治療も大切になります。



<肝は疏泄(そせつ)を主る>

疏とは疎通、泄とは発散・昇発のことをいいます。疏泄は気機の調節、精神情緒活動、胆汁の分泌と排泄などを調節していることを指します。


肝の疏泄にはおもに4つの面があり、それらは相互に影響しあっている。


以下で簡単の4つを紹介していきます。



1.気機の調節

気機とは気の昇降出入のことであり人体の気血、経絡、臓腑、器官などの活動は主にこの気機運動の作用によります。


2.脾胃の運化機能を促進

肝の疏泄が正常に働くことで脾胃の昇降運動がスムーズに行われ食物の消化吸収と輸送が正常に行われます


3.胆汁の形成と分泌

胆汁の形成と分泌は肝の余気が集まって生成されているとされます。肝の疏泄が正常であれば胆汁も正常に分泌、排泄されて脾胃の運化機能を助けられます。


4.情志の調節

人の情志活動はすべて「心の神明を主る」という生理機能と関係があると考えているが、また「肝の疏泄」とも密接な関係があります。


肝の疏泄が正常であれば気機は正常に働き、気血は調和し、気分もよくなります。



肝の疏泄が失調すると情緒に変化が起こりやすくなり、抑うつと興奮の2つが生じます。



肝気が鬱血すると憂鬱状態になりやすく、わずかな刺激を受けただけで深い鬱の状態に入りやすくなります。



また肝気が昇発しすぎると、イライラしやすくなり、わずかな刺激でも怒りっぽくなります。



外界の精神的刺激、特に「怒」は肝の疏泄機能に影響を及ぼしやすく、これにより肝気鬱結(かんきうっけつ)あるいは昇泄過多の病理変化が起こることもあります。



<怒は肝の志>

「怒」とは人間の気分が激しくなったときの1つの情志変化です。怒は生理活動にとっては一般的には良くない刺激であり、気血を上逆、陽気を昇泄させます。


陽気の昇発は肝の働きによるものであることから、怒は肝の志とされ、激しく怒ると肝の陽気の昇発が度を越すことになってしまいます。



これを「怒は肝を傷る」とも言われています。



また肝の陰血が不足すると肝の陽気の昇泄が過剰となりちょっとしたことでも怒りやすくなります。

怒は肝の志

まとめ

「怒」とは人間の気分が激しくなったときの1つの情志変化です。怒は生理活動にとっては一般的には良くない刺激であり、気血を上逆、陽気を昇泄させます。


陽気の昇発は肝の働きによるものであることから、怒は肝の志とされ、激しく怒ると肝の陽気の昇発が度を越すことになってしまいます。



これを「怒は肝を傷る」とも言われています。



また肝の陰血が不足すると肝の陽気の昇泄が過剰となりちょっとしたことでも怒りやすくなります。

2020/06/13

五臓と精神についてその2

<肝は思惟(しい)の中枢>
思惟とは考えることをいいます。


考える役割はどこの担当と言われたら多くの人が脳と答えると思います。



漢方では肝の働きが思惟には重要であると考えます。



肝は「将軍の官」と呼ばれ、外敵(病邪)を防ぐ一切の思慮、計謀を主ります。



肝は思惟活動の中心であり、人が思考思索を巡らすことができるのは肝のおかげです。



また、肝の性質は剛強であるとされ「肝っ玉のすわった人」の肝っ玉は肝のことを指しています。



反対に、肝に異常が生じると思惟活動が鈍り、ぼんやりとしたり無気力になることが多いです。



<肝は血を蔵す(ぞうす)>

大量の血液が通う場所はどこですかと聞かれたら脳や、肝臓、腎臓、肺などたくさん思い当たると思います。また、西洋医学に詳しい方であれば静脈が血液をプールしている場所だというかもしれません。


漢方では血を貯蔵しているのは肝であり、流れる血液量を調節するのも肝であると考えます。



肝は過度の「怒」が起こると精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなります。ひどい場合、吐血をする場合もあります。



したがって、激しく怒らせたことによる吐血には肝に対する治療も大切になります。



<肝は疏泄(そせつ)を主る>

疏とは疎通、泄とは発散・昇発のことをいいます。疏泄は気機の調節、精神情緒活動、胆汁の分泌と排泄などを調節していることを指します。


肝の疏泄にはおもに4つの面があり、それらは相互に影響しあっている。


以下で簡単の4つを紹介していきます。



1.気機の調節

気機とは気の昇降出入のことであり人体の気血、経絡、臓腑、器官などの活動は主にこの気機運動の作用によります。


2.脾胃の運化機能を促進

肝の疏泄が正常に働くことで脾胃の昇降運動がスムーズに行われ食物の消化吸収と輸送が正常に行われます


3.胆汁の形成と分泌

胆汁の形成と分泌は肝の余気が集まって生成されているとされます。肝の疏泄が正常であれば胆汁も正常に分泌、排泄されて脾胃の運化機能を助けられます。


4.情志の調節

人の情志活動はすべて「心の神明を主る」という生理機能と関係があると考えているが、また「肝の疏泄」とも密接な関係があります。


肝の疏泄が正常であれば気機は正常に働き、気血は調和し、気分もよくなります。



肝の疏泄が失調すると情緒に変化が起こりやすくなり、抑うつと興奮の2つが生じます。



肝気が鬱血すると憂鬱状態になりやすく、わずかな刺激を受けただけで深い鬱の状態に入りやすくなります。



また肝気が昇発しすぎると、イライラしやすくなり、わずかな刺激でも怒りっぽくなります。



外界の精神的刺激、特に「怒」は肝の疏泄機能に影響を及ぼしやすく、これにより肝気鬱結(かんきうっけつ)あるいは昇泄過多の病理変化が起こることもあります。



<怒は肝の志>

「怒」とは人間の気分が激しくなったときの1つの情志変化です。怒は生理活動にとっては一般的には良くない刺激であり、気血を上逆、陽気を昇泄させます。


陽気の昇発は肝の働きによるものであることから、怒は肝の志とされ、激しく怒ると肝の陽気の昇発が度を越すことになってしまいます。



これを「怒は肝を傷る」とも言われています。



また肝の陰血が不足すると肝の陽気の昇泄が過剰となりちょっとしたことでも怒りやすくなります。

怒は肝の志

まとめ

「怒」とは人間の気分が激しくなったときの1つの情志変化です。怒は生理活動にとっては一般的には良くない刺激であり、気血を上逆、陽気を昇泄させます。


陽気の昇発は肝の働きによるものであることから、怒は肝の志とされ、激しく怒ると肝の陽気の昇発が度を越すことになってしまいます。



これを「怒は肝を傷る」とも言われています。



また肝の陰血が不足すると肝の陽気の昇泄が過剰となりちょっとしたことでも怒りやすくなります。