【がん対策の漢方とは(1) アルブミンを維持し、炎症を抑える】
漢方でがん対策をするのは、効果が無いと思っている方も
多いのではと思います。
しかし、様々な臨床データががん対策に漢方が有効であることを
示しております。そして、その臨床データは年々増えております。
例えば、
・治療や予防を目的とする:免疫力の調整
・化学療法の副作用を軽減する
・放射線治療の副作用を軽減する
・外科的手術からの回復を早める
・緩和ケア(生活の質をあげる)
などにおいて、漢方の効果が認められております。
様々な対応が可能ですが、漢方で出来ることを集約すると
主に次の6つとなります。
①がんのアポトーシス:フコキサンチンが得意
②慢性炎症の抑制・抗がん剤の副作用軽減
③血管新生の抑制:フコキサンチンが得意
④免疫調整(腸管免疫も含む):スピルリナ、植物発酵ドリンク
⑤栄養管理(食養生): CoQ10でTCA回路を回す。
⑥抗ストレス(自律神経の調整)
この6つの対策の目的は、
副作用やストレスの軽減、そしてアルブミンの値を高く保ち、
C R Pを低くすることです。
副作用は様々ですが、意外と見落とすのが循環器系です。
アントラサイクリン系:心不全、
不整脈アルキル化剤:心不全、不整脈
HEP2阻害剤:心不全
微小管阻害:不整脈
免疫チェックポイント阻害剤:血栓塞栓
このように抗がん剤の副作用としては、循環器系も多いのです。
そして、もう一つの大きなポイントは、
「アルブミンの値を高く保ち、C R Pを低くする」ことです。
アルブミンは、肝臓において作られるたんぱく質様々なものと結合し、細胞へ届けます。
もしアルブミンが70%へ低下すると窒素死が引き起こされてしまいます。
また、アルブミンの低下で低体温かつ浮腫みやすくなってしまいます。
またCRPは、炎症のマーカーです。CRPが増えている時は、アルブミンが減りやすくなってしまいます。
したがって、「アルブミンの値を高く保ち、C R Pを低くする」ことは、非常に重要です。
次回は、漢方で出来る6つの対策について、解説します。
この記事の監修薬剤師
運龍堂 佐藤貴繁
略歴
1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任