2021/05/02

漢方薬一覧(キ〜クで始まる処方)

目次



  1. 桔梗湯(キキョウトウ)

  2. 帰耆建中湯(キギケンチュウトウ)

  3. 帰脾湯(キヒトウ)

  4. 芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)

  5. 芎帰調血飲(キュウキチョウケツイン)

  6. 芎帰調血飲第一加減(キュウキチョウケツインダイイチカゲン)

  7. 響声破笛丸(キョウセイハテキガン)

  8. 杏蘇散(キョウソサン)

  9. 苦参湯(クジントウ)

  10. 駆風解毒湯(クフウゲドクトウ)




(キキョウトウ)


桔梗湯(キキョウトウ)
①咽頭痛、②咳、③中間症
咽頭炎の頓服として用いる。

※組成
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・桔梗には、去痰排膿作用があり(ビソルボン類似作用=「痰をうすめて粘りをとり、吐き出しやすくする。また、気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を助ける。」)、甘草と組んで咽頭を治す消炎作用がある。

※使用目標例
・咽頭炎、咽喉炎、扁桃炎で咽痛し、発熱していても他の表証のないもの。

・肺壊疸、肺化膿症、腐敗性気管支炎などで咳嗽、膿性咯痰のあるものの軽症または初期。
肺壊疸:化膿菌および腐敗菌の感染によって起こる肺化膿症で,肺実質が壊死・腐敗する。悪寒戦慄(おかんせんりつ),高熱,悪臭を放つ膿性の痰(たん)を伴う咳(せき)などの症状を呈する。

※注意点
・甘草湯と桔梗湯で使用する甘草は炙甘草ではない。

・声が出ない時に訶子2g、薄荷2gの加味が良い。別添同煎。薄荷は揮発性なので後入れとする。

・桔梗湯のみを用いるよりも、小柴胡湯や葛根湯と併用する場合が多い。

・桔梗を胃腸虚弱な者に用いると、胃腸障害を起こす事がある。

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(キギケンチュウトウ)


帰耆建中湯
①アトピー性皮膚炎、②皮膚の艶無し、③虚証
身体虚弱で、疲労しやすい者で虚弱体質、病後の衰弱、寝汗などの症状を持つ者に使用する。

※組成
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
黄耆(おうぎ):マメ科、補虚薬 — 補気薬/微温
〜以下、「小建中湯」〜
桂枝(けいし):クスノキ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
芍薬(しゃくやく):ボタン科、補虚薬 — 補血薬/微寒
注)芍薬は、桂枝湯の2倍量含まれている
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平
(飴糖(いとう):餅米、うるち、小麦、麦芽、補虚薬 — 補気薬/温)

※生薬の解説
・当帰は、自律神経を調整するトランキナイザー様の作用がある。
・黄耆は肌表部の水毒(皮水、浮腫、盗汗など)を去る利尿作用や血圧降下作用がある。
・桂枝に当帰と黄耆を加えると、肉芽の増殖が非常に促進され、難治性潰瘍を改善する。
・桂枝には、全般に様々な薬の作用を表に引っぱる力やのぼせを抑える力がある。
・芍薬と甘草には平滑筋、骨格筋の痙攣性疼痛を治す作用がある生薬で、しばしば芍薬と甘草が組んで使われる。また芍薬は、桂枝の気を巡らせる働き(順気作用)を腹部に引っ張ってくるとも言われる。腸管の蠕動が以上となり、腹が張った状態を治すと考えられている。さらに芍薬には平滑筋の鎮痙作用があり、痙攣性疼痛に用いられる。加えて骨格筋の痙攣性疼痛(こむら返り)にも用いられる。甘草にも平滑筋の痙攣性疼痛を止める作用があり、また芍薬を助けて、骨格筋の痙攣性疼痛を抑える作用がある。
・大棗は緊張を緩和し心脾を補うとされ、補血、強壮、利尿作用がある。
・生姜は風寒を散し、胃気を益し、中を温め、湿を除く。健胃鎮嘔作用もある。
・甘草は急迫を緩和するとされ、脾胃を補い、肺を潤して毒を除き、諸薬を調和する。その他、抗炎症、抗アレルギー、抗潰瘍、高脂血症改善などの作用が確認されている。
・大棗、生姜、甘草の3味の組み合わせは、古来より多用されており、営衛の調和、すなわち自律神経系の調整と自然治癒力の回復に役立っているとされている。
・飴糖には、体力を補う作用がある。

※使用目標例
・小建中湯に血虚を補う当帰と表虚を補う黄耆を加えたもので、アトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患に用いる。小建中湯症でさらに虚状のものにも用いる。

・病後や産後などで気力体力が消耗して、皮膚に色艶乏しくて締まりがなく、手足がほてったり、少し体を動かすと動悸がしたり息切れしたりして汗が出てくるといった人で、腹力なく、腹筋は薄くて表面に突っ張っている事が目標となる。

・体力の回復剤としても用いられるが、慢性潰瘍や化膿性の腫れ物で、炎症が少なく、希薄な分泌物が長く続くものに多用できる。

※注意点
・体が弱って盗汗するものに反鼻を加味する場合がある。

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(キヒトウ)


帰脾湯
①貧血、②精神不安、③虚証
思慮が過ぎて胃腸障害が起こり、血液の異常を引き起こし、下熱、吐血などを生ずる。神経症、健忘、不眠、出血などに用いる。

※組成
人参(にんじん):ウコギ科、補虚薬 — 補気薬/微温
白朮(びゃくじゅつ):キク科、補虚薬 — 補気薬/温
茯苓(ぶくりょう):サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平
〜以上「四君子湯」〜
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
竜眼肉(りゅうがんにく):ムクロジ科、補虚薬 — 補血薬/温
黄耆(おうぎ):マメ科、補虚薬 — 補気薬/微温
遠志(おんじ):ヒメハギ科、安神薬 — 養心安神薬/微温
酸棗仁(さんそうにん):クロウメモドキ科、安神薬 — 養心安神薬/平
木香(もっこう):キク科、理気薬/温

※生薬の解説
・人参と白朮には胃腸機能を改善し、元気をつけて補う作用がある。白朮には胃内の停水を除き、人参と組んで弛緩した胃腸を引き締める作用がある。
・人参には、造血作用と胃酸を増加させる作用がある。
・白朮、茯苓ともに消化管の水や、関節内の水、筋肉内の浮腫、組織間の水など、過剰な水分を血中に吸収して利尿する。
・生姜と甘草は内部を温める温裏作用を持つ。
・大棗は、鎮静、鎮痙作用がある。そして甘草は、大棗とともに痙攣を抑制する。また大棗、甘草は諸薬を調和する。
・当帰、竜眼肉には増血作用がある。
・酸棗仁、遠志には、鎮静作用がある。
・黄耆は皮膚、四肢、顔面の浮腫を利尿作用により除き、自汗を止める作用がある。
・木香には健胃作用がある。

※使用目標例
・どこかに出血があり、その上に神経症であれば、本方を検討する。

・元来は健忘症に用いられたが、薬味の増加によって、不眠、貧血に用途が拡大した。しかし、単に不眠、貧血、健忘という症状の全てに用いられるのではなく、大病後の疲労や失血、肉体が衰弱した上に、過度の精神疲労が加わって起こったものでなければならず、炎症や充血性の者には用いる事が出来ない。有名な割に使うのが難しいが、条件が揃えば著効する。例えば、失血の条件として、腸出血、子宮出血、胃潰瘍、血尿、痔出血などで顔面蒼白のものには意外の効能があり、極端な例では、白血病、悪性貧血、再生不良性貧血、バンチ病、紫斑病などにも著効を見る事がある。

※注意点
・必ず証の陰陽を弁別して、陽証のものに用いてはならない。唐人の脳動脈硬化症の健忘では、顔色の良い人もある。この場合は、柴胡、山梔子、牡丹皮が加えられた加味帰脾湯を考える。

・竜眼肉は干しぶどうのように糖分が高くて虫害、あるいはカビにやられ易い。冷凍保存が望ましい。また大棗も虫害を受け易く、カビ、水、その上発酵するときがあるので冷凍が良い。

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(キュウキキョウガイトウ)


芎帰膠艾湯
①身体下部の出血、②貧血、③虚証
婦人の性器出血、痔出血をよく止める事が出来る。腹力は軟弱であり、虚証に用いる。また切迫流産にも有効である。

※組成
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
芍薬(しゃくやく):ボタン科、補虚薬 — 補血薬/微寒
(熟)地黄(じゅくじおう):ゴマノハグサ科、補虚薬 — 補血薬/微温
〜以上、「四物湯」〜
艾葉(がいよう):キク科、止血薬 — 温経止血薬/温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

別包
阿膠(あきょう):ウマ科、補虚薬 — 補血薬/平

※生薬の解説
・地黄、芍薬には止血作用があり、主に静脈性の出血に用いる。特に地黄には消炎止血作用(清熱涼血)がある。
・当帰、川芎、芍薬、地黄の4味で、四物湯となる。四物湯は補血作用があり、皮膚・筋肉・骨の老化防止、造血・調経による貧血や生理不順の改善、止血作用などがある。
・艾葉は、体を温めて冷えを除く作用と、止血作用がある。
・阿膠は、血を潤して出血を止め、肌肉、粘膜の傷を治す作用がある。
・甘草は、諸薬を調和するとともに症状を緩和する。

※使用目標例
・安胎作用があり、流産の防止に用いられる。当帰芍薬散は反復性の流産に用いられる。即ち、妊娠はするが流産を繰り返す習慣性流産に用いられる。一方、芎帰膠艾湯は、妊娠中に腹痛して出血の多い者(早い時期に本方が有効)、切迫流産に有効である。

・性器出血、血便、血尿、鼻出血、眼底出血、痔出血など、あらゆる出血に用いる。
・芎帰膠艾湯だけでは出血が収まらない時は、補中益気湯を加えて「上に引き上げる」。

・芎帰膠艾湯に含まれる四物湯(当帰、川芎、芍薬、地黄)は、調経作用があり、無月経、月経不順、月経痛などにも用いられる。

※注意点
・下痢をしやすい人や極度の貧血の人には用いない方が良い。

・阿膠は別の入れ物で水にふやかしてから煎じ液に混ぜると良い。

・艾葉はそのままではカサが高く煎じにくいので、事前に良くもんでおく。

●三黄瀉心湯VS黄連解毒湯VS芎帰膠艾湯VS温清飲
動脈性の出血(鮮紅色、勢いが良い)に黄連、黄芩が有効である。特に動脈の充血に伴う出血に用いられる。三黄瀉心湯は、吐血、鼻出血などの上部の出血に冷服させる。黄連解毒湯は下血、血尿など下部の出血に冷服させる。動脈と静脈の出血には、芎帰膠艾湯に黄連解毒湯を合方して用いるか、温清飲を用いる。

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(キュウキチョウケツイン)


芎帰調血飲
①出産後の月経不順、②貧血、③虚証
出産後の一切の血に関係する病気を治療する。

※組成
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
(熟)地黄(じゅくじおう):ゴマノハグサ科、補虚薬 — 補血薬/微温
白朮(びゃくじゅつ):キク科、補虚薬 — 補気薬/温
茯苓(ぶくりょう):サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
陳皮(ちんぴ):ミカン科、理気薬/温
香附子(こうぶし):カヤツリグサ科、理気薬/平
牡丹皮(ぼたんぴ):ボタン科、清熱薬 — 清熱解毒薬/微寒
艾葉(がいよう):キク科、止血薬 — 温経止血薬/温
烏薬(うやく):クスノキ科、理気薬/温
益母草(やくもそう):シソ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/微寒
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・当帰と川芎には、皮膚、筋肉、関節、骨、神経などの外部や経路を温める作用があり、外表、四肢末梢の血行を促進して冷え性を治す。また動脈の血流を良くして(活血作用)、駆瘀血の作用を助ける。当帰は主に四肢、下半身の血流を良くして冷え性を治す。川芎は主に上半身の血流を良くして頭痛を治す。
・地黄には消炎止血作用(清熱涼血)や血流の異常を正常化する作用がある。
・白朮、茯苓ともに消化管の水や、関節内の水、筋肉内の浮腫、組織間の水など、過剰な水分を血中に吸収して利尿する。
・陳皮、大棗、生姜、烏薬、甘草には健胃作用がある。さらに陳皮、生姜には解表作用、解熱鎮痛作用がある。
・香附子は、気分の滞りを散じ、血を巡らして、月経を整える
・生姜と甘草は内部を温める温裏作用を持つ。
・大棗は、鎮静、鎮痙作用がある。そして甘草は、大棗とともに痙攣を抑制する。また大棗、甘草は諸薬を調和する。
・益母草は、オキシトシン類似作用があり、子宮粘膜の充血を促進させる牡丹皮と組んで、産後の出血、悪露残存などの諸症状を改善する。
・艾葉は、体を温めて冷えを除く作用と、止血作用がある。

※使用目標例
・産後の悪露残存などの諸症状や月経不順に用いる。
悪露(おろ)とは出産後に子宮から排泄される、様々な分泌物の総称である。子宮内で出産時に胎盤がはがれ落ちた時の胎膜(たいまく)や、リンパ液、子宮で不用となった血液などが悪露として排泄される。悪露が出て子宮が収縮を繰り返すことで、母体の回復が早まる。

※注意点
・産前と妊娠の可能性のある人には使用してはいけない。

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(キュウキチョウケツインダイイチカゲン)


芎帰調血飲第一加減
①月経異常、②産後の諸病、③瘀血
血の道症、産後の体力低下、月経不順などに用いる。

※組成
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
(熟)地黄(じゅくじおう):ゴマノハグサ科、補虚薬 — 補血薬/微温
白朮(びゃくじゅつ):キク科、補虚薬 — 補気薬/温
茯苓(ぶくりょう):サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
陳皮(ちんぴ):ミカン科、理気薬/温
香附子(こうぶし):カヤツリグサ科、理気薬/平
牡丹皮(ぼたんぴ):ボタン科、清熱薬 — 清熱解毒薬/微寒
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
艾葉(がいよう):キク科、止血薬 — 温経止血薬/温
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
烏薬(うやく):クスノキ科、理気薬/温
益母草(やくもそう):シソ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/微寒
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平
〜以上、「芎帰調血飲」〜
桃仁(とうにん):バラ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/平(小毒)
紅花(こうか):キク科、活血化瘀薬 —活血調経薬/温
枳実(きじつ):ミカン科、理気薬/微寒
桂枝(けいし):クスノキ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
牛膝(ごしつ):ヒユ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/平
木香(もっこう):キク科、理気薬/温
延胡索(えんごさく):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
芍薬(しゃくやく):ボタン科、補虚薬 — 補血薬/微寒

※生薬の解説
・地黄、芍薬には止血作用があり、主に静脈性の出血に用いる。特に地黄には消炎止血作用(清熱涼血)がある。
・当帰、川芎、芍薬、地黄の4味で、四物湯となる。四物湯は補血作用があり、皮膚・筋肉・骨の老化防止、造血・調経による貧血や生理不順の改善、止血作用などがある。また下垂体、卵巣系、内分泌系に作用して排卵を促進する。
・白朮、茯苓ともに消化管の水や、関節内の水、筋肉内の浮腫、組織間の水など、過剰な水分を血中に吸収して利尿する。
・香附子は、気分の滞りを散じ、血を巡らして、月経を整える
・生姜と甘草は内部を温める温裏作用を持つ。
・大棗は、鎮静、鎮痙作用がある。そして甘草は、大棗とともに痙攣を抑制する。また大棗、甘草は諸薬を調和する。
・艾葉は、体を温めて冷えを除く作用と、止血作用がある。
・桃仁と牡丹皮は、内出血や血腫を吸収して、うっ血や瘀血を除き、静脈のうっ血による病変、結合組織の増殖やファイブローシスを伴う疾患を治す。桃仁と牡丹皮に駆瘀血作用があり、牡丹皮には、さらに抗炎症作用(清熱涼血)がある。
・桃仁、牡丹皮、紅花、益母草、牛膝は、血腫、内出血、腫瘤などの瘀血を吸収して卵管や子宮の環境を良くする。
・当帰、川芎、桂枝、生姜は、体の表裏を温める。
・烏薬、木香、延胡索は、鎮痛作用により生理痛を治す。
・烏薬、香附子、枳実、陳皮は、健胃作用があり、気うつやストレスを治す。

※使用目標例
・月経異常を正常にする:本方は四物湯をベースとして、これに駆瘀血薬や血行を良くして体を温める薬、鎮痛薬、気滞やストレスを治す薬(理気健脾)、健胃薬等が配合された処方で、女性の生理不順で寒証タイプのものに広く応用される。一般の生理不順には芎帰調血飲第一加減を中心にしてこれに加減を加える事で対応できる。その他、子宮内膜症、不妊症、血の道症(月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状)、更年期障害などに用いられる。

・産後の諸病に用いる:女性は産後、気管支喘息、関節リウマチ、蕁麻疹をはじめ、数多くの病が発生し、しかも難治性である。西洋医学的にはあまり注目していないが、予診の時に患者に尋ねると、産後に発生する病気は非常に多い。それに気づいて早く治療を始めれば始める程、結果が良い。その主役は、駆瘀血薬の芎帰調血飲第一加減である。
・一般の各種瘀血症に用いる:難治性疾患(膠原病、潰瘍性大腸炎、クローン病、シューグレン症候群など)は瘀血の関与が大きい。寒証タイプの瘀血には、芎帰調血飲第一加減を中心にしてこれに加減を加えて用いる。熱証タイプの瘀血には、通導散を中心にしてこれに加減を加えて、用いる。

※注意点
・子宮収縮作用があるので、産前や妊娠安胎薬としては不可である。

・当帰を胃腸虚弱な者に用いると、胃腸障害を起こし、下痢を起こす事がある。

・川芎を胃腸虚弱な者に用いると、胃腸障害を起こす事がある。

・紅花の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。投与により流早産の危険性があるので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない事が望ましい。

・桃仁の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。投与により流早産の危険性があるので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない事が望ましい。

・牡丹皮の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。投与により流早産の危険性があるので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない事が望ましい。

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(キョウセイハテキガン)


響声破笛丸(キョウセイハテキガン)
①声がれ、②ストレスによる失声、③咽喉不快
長時間にわたっての声帯の酷使や無理な発生のための声がれに使用する。

※組成
連翹(れんぎょう):スイカズラ科、清熱薬 — 清熱解毒薬/寒
薄荷(はっか):シソ科、解表薬 — 発散風熱薬/涼
阿仙薬(あせんやく):マメ科、収敏・抗菌作用 止潟作用/平
縮砂(しゅくしゃ)= 砂仁(しゃにん):ショウガ科、化湿薬/温
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
大黄(だいおう):タデ科、瀉下薬 — 攻下薬/寒
訶子(かし):ミクシン科、収渋薬 — 斂肺渋腸薬/平
〜以下、「桔梗湯」〜
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・連翹、大黄、桔梗、甘草には抗炎症作用がある。
・阿仙薬、訶子には収斂作用がある。
・薄荷、縮砂、川芎には鎮痛清涼作用がある。

※使用目標例
・感冒や扁桃炎などの急性熱性病に併発する急性の咽頭炎で起こる咽頭痛や失声は響声破笛丸の領域ではない。またアレルギー、結核、梅毒、癌などのための声枯れも響声破笛丸の適応ではない。響声破笛丸は、長時間にわたっての声帯の酷使や無理な発生のための嗄声(させい:いわゆる「声がれ」)、失声で、長期の練習が過ぎたり、選挙演説の際の声枯れやその予防に効果を発揮する。また、たばこの吸い過ぎや、空気の汚れのための喉のムズムズや、精神的なストレスのための失声にも効果が報告されている。

※注意点
・本来は丸薬を口に含んで時間をかけて嚥下(えんげ)するものであるから、煎薬とした場合でも、一時に飲むものではなく、徐々に一口ずつ飲むこと。

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(キョウソサン)


杏蘇散
①顔面浮腫、②心臓喘息、③肺水腫
気とともに水が上衝して喘咳となり、顔面浮腫を呈する症状に用いる。

※組成
麻黄(まおう):マオウ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
蘇葉(そよう)= 紫蘇葉(しそよう):シソ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
五味子(ごみし):モクレン科、収渋薬 —斂肺渋腸薬/温
烏梅(うばい):バラ科、収渋薬 — 斂肺渋腸薬/平
杏仁(きょうにん):バラ科、止咳平喘薬/温
桑白皮(そうはくひ):クワ科、止咳平喘薬/寒
紫苑(しおん):キク科、止咳平喘薬/温
大腹皮(だいふくひ):シュロ科、理気薬/微温
陳皮(ちんぴ):ミカン科、理気薬/温
〜以下、「桔梗湯」〜
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・麻黄、杏仁、桑白皮、大腹皮、陳皮には利水作用がある。
・五味子、烏梅には収斂作用がある。
・甘草は急迫を緩和するとされ、脾胃を補い、肺を潤して毒を除き、諸薬を調和する。
・桔梗には、去痰排膿作用があり(ビソルボン類似作用=「痰をうすめて粘りをとり、吐き出しやすくする。また、気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を助ける。」)、甘草と組んで咽頭を治す消炎作用がある。

※使用目標例
・気とともに水が上衝して喘咳となり、顔面浮腫を呈する症状に用いる。これは心不全の場合の呼吸困難に相当すると考えられる。

・心臓喘息、肺水腫、慢性気管支炎で痰の出ないもの

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(クジントウ)


苦参湯
①湿疹、②皮膚化膿症、③女性の陰部掻痒症
洗浄薬として外用する。あせも、かゆみ、たむし、ただれなどにも用いられる。

※組成
苦参(くじん):マメ科、清熱薬 — 清熱燥湿薬/寒

※生薬の解説
・苦参には、真菌、トリコモナス、ランブル鞭毛虫などに殺菌、殺虫の効果がある。

※使用目標例
・湿疹、皮膚化膿症、女性の陰部掻痒症などに有効である。この時、洗浄薬として外用する。また床ずれは苦参湯で洗い、紫雲膏をつけると早く治る。

※注意点
・苦参は寒薬なので、発赤などの熱症状には有効であるが、ただかゆいというものだけには使わない方が良い。

・苦参は、きわめて苦く、服用しにくい。

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(クフウゲドクトウ)


駆風解毒湯
①耳下腺炎、②急性扁桃炎、③慢性咽頭炎
喉が腫れて痛む場合の扁桃炎、扁桃周囲炎などに用いられる。

※組成
牛蒡子(ごうぼうし):キク科、解表薬 — 発散風熱薬/寒
荊芥(けいがい):シソ科、解表薬 — 発散風寒薬/微温
防風(ぼうふう):セリ科、解表薬 — 発散風寒薬/微温
連翹(れんぎょう):スイカラズ科、清熱薬 — 清熱解毒薬/寒
羌活(きょうかつ):セリ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
石膏(せっこう):硫酸カルシウム、清熱薬 — 清熱瀉火薬/大寒
〜以下、「桔梗湯」〜
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・防風、牛蒡子、連翹、荊芥、羌活には発汗解表作用がある。
・牛蒡子には消炎鎮痛作用があり、風熱の咽頭炎を治す。
・石膏には消炎解熱作用がある。
・桔梗には、去痰排膿作用があり(ビソルボン類似作用=「痰をうすめて粘りをとり、吐き出しやすくする。また、気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を助ける。」)、甘草と組んで咽頭を治す消炎作用がある。

※使用目標例
・耳下腺炎、顎下腺炎、急性扁桃炎、慢性咽頭炎

※注意点
・うがいしながら、ゆっくり飲むのが特徴。

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漢方薬一覧(キ〜クで始まる処方)

目次



  1. 桔梗湯(キキョウトウ)

  2. 帰耆建中湯(キギケンチュウトウ)

  3. 帰脾湯(キヒトウ)

  4. 芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)

  5. 芎帰調血飲(キュウキチョウケツイン)

  6. 芎帰調血飲第一加減(キュウキチョウケツインダイイチカゲン)

  7. 響声破笛丸(キョウセイハテキガン)

  8. 杏蘇散(キョウソサン)

  9. 苦参湯(クジントウ)

  10. 駆風解毒湯(クフウゲドクトウ)




(キキョウトウ)


桔梗湯(キキョウトウ)
①咽頭痛、②咳、③中間症
咽頭炎の頓服として用いる。

※組成
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・桔梗には、去痰排膿作用があり(ビソルボン類似作用=「痰をうすめて粘りをとり、吐き出しやすくする。また、気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を助ける。」)、甘草と組んで咽頭を治す消炎作用がある。

※使用目標例
・咽頭炎、咽喉炎、扁桃炎で咽痛し、発熱していても他の表証のないもの。

・肺壊疸、肺化膿症、腐敗性気管支炎などで咳嗽、膿性咯痰のあるものの軽症または初期。
肺壊疸:化膿菌および腐敗菌の感染によって起こる肺化膿症で,肺実質が壊死・腐敗する。悪寒戦慄(おかんせんりつ),高熱,悪臭を放つ膿性の痰(たん)を伴う咳(せき)などの症状を呈する。

※注意点
・甘草湯と桔梗湯で使用する甘草は炙甘草ではない。

・声が出ない時に訶子2g、薄荷2gの加味が良い。別添同煎。薄荷は揮発性なので後入れとする。

・桔梗湯のみを用いるよりも、小柴胡湯や葛根湯と併用する場合が多い。

・桔梗を胃腸虚弱な者に用いると、胃腸障害を起こす事がある。

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(キギケンチュウトウ)


帰耆建中湯
①アトピー性皮膚炎、②皮膚の艶無し、③虚証
身体虚弱で、疲労しやすい者で虚弱体質、病後の衰弱、寝汗などの症状を持つ者に使用する。

※組成
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
黄耆(おうぎ):マメ科、補虚薬 — 補気薬/微温
〜以下、「小建中湯」〜
桂枝(けいし):クスノキ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
芍薬(しゃくやく):ボタン科、補虚薬 — 補血薬/微寒
注)芍薬は、桂枝湯の2倍量含まれている
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平
(飴糖(いとう):餅米、うるち、小麦、麦芽、補虚薬 — 補気薬/温)

※生薬の解説
・当帰は、自律神経を調整するトランキナイザー様の作用がある。
・黄耆は肌表部の水毒(皮水、浮腫、盗汗など)を去る利尿作用や血圧降下作用がある。
・桂枝に当帰と黄耆を加えると、肉芽の増殖が非常に促進され、難治性潰瘍を改善する。
・桂枝には、全般に様々な薬の作用を表に引っぱる力やのぼせを抑える力がある。
・芍薬と甘草には平滑筋、骨格筋の痙攣性疼痛を治す作用がある生薬で、しばしば芍薬と甘草が組んで使われる。また芍薬は、桂枝の気を巡らせる働き(順気作用)を腹部に引っ張ってくるとも言われる。腸管の蠕動が以上となり、腹が張った状態を治すと考えられている。さらに芍薬には平滑筋の鎮痙作用があり、痙攣性疼痛に用いられる。加えて骨格筋の痙攣性疼痛(こむら返り)にも用いられる。甘草にも平滑筋の痙攣性疼痛を止める作用があり、また芍薬を助けて、骨格筋の痙攣性疼痛を抑える作用がある。
・大棗は緊張を緩和し心脾を補うとされ、補血、強壮、利尿作用がある。
・生姜は風寒を散し、胃気を益し、中を温め、湿を除く。健胃鎮嘔作用もある。
・甘草は急迫を緩和するとされ、脾胃を補い、肺を潤して毒を除き、諸薬を調和する。その他、抗炎症、抗アレルギー、抗潰瘍、高脂血症改善などの作用が確認されている。
・大棗、生姜、甘草の3味の組み合わせは、古来より多用されており、営衛の調和、すなわち自律神経系の調整と自然治癒力の回復に役立っているとされている。
・飴糖には、体力を補う作用がある。

※使用目標例
・小建中湯に血虚を補う当帰と表虚を補う黄耆を加えたもので、アトピー性皮膚炎を中心とした皮膚疾患に用いる。小建中湯症でさらに虚状のものにも用いる。

・病後や産後などで気力体力が消耗して、皮膚に色艶乏しくて締まりがなく、手足がほてったり、少し体を動かすと動悸がしたり息切れしたりして汗が出てくるといった人で、腹力なく、腹筋は薄くて表面に突っ張っている事が目標となる。

・体力の回復剤としても用いられるが、慢性潰瘍や化膿性の腫れ物で、炎症が少なく、希薄な分泌物が長く続くものに多用できる。

※注意点
・体が弱って盗汗するものに反鼻を加味する場合がある。

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(キヒトウ)


帰脾湯
①貧血、②精神不安、③虚証
思慮が過ぎて胃腸障害が起こり、血液の異常を引き起こし、下熱、吐血などを生ずる。神経症、健忘、不眠、出血などに用いる。

※組成
人参(にんじん):ウコギ科、補虚薬 — 補気薬/微温
白朮(びゃくじゅつ):キク科、補虚薬 — 補気薬/温
茯苓(ぶくりょう):サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平
〜以上「四君子湯」〜
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
竜眼肉(りゅうがんにく):ムクロジ科、補虚薬 — 補血薬/温
黄耆(おうぎ):マメ科、補虚薬 — 補気薬/微温
遠志(おんじ):ヒメハギ科、安神薬 — 養心安神薬/微温
酸棗仁(さんそうにん):クロウメモドキ科、安神薬 — 養心安神薬/平
木香(もっこう):キク科、理気薬/温

※生薬の解説
・人参と白朮には胃腸機能を改善し、元気をつけて補う作用がある。白朮には胃内の停水を除き、人参と組んで弛緩した胃腸を引き締める作用がある。
・人参には、造血作用と胃酸を増加させる作用がある。
・白朮、茯苓ともに消化管の水や、関節内の水、筋肉内の浮腫、組織間の水など、過剰な水分を血中に吸収して利尿する。
・生姜と甘草は内部を温める温裏作用を持つ。
・大棗は、鎮静、鎮痙作用がある。そして甘草は、大棗とともに痙攣を抑制する。また大棗、甘草は諸薬を調和する。
・当帰、竜眼肉には増血作用がある。
・酸棗仁、遠志には、鎮静作用がある。
・黄耆は皮膚、四肢、顔面の浮腫を利尿作用により除き、自汗を止める作用がある。
・木香には健胃作用がある。

※使用目標例
・どこかに出血があり、その上に神経症であれば、本方を検討する。

・元来は健忘症に用いられたが、薬味の増加によって、不眠、貧血に用途が拡大した。しかし、単に不眠、貧血、健忘という症状の全てに用いられるのではなく、大病後の疲労や失血、肉体が衰弱した上に、過度の精神疲労が加わって起こったものでなければならず、炎症や充血性の者には用いる事が出来ない。有名な割に使うのが難しいが、条件が揃えば著効する。例えば、失血の条件として、腸出血、子宮出血、胃潰瘍、血尿、痔出血などで顔面蒼白のものには意外の効能があり、極端な例では、白血病、悪性貧血、再生不良性貧血、バンチ病、紫斑病などにも著効を見る事がある。

※注意点
・必ず証の陰陽を弁別して、陽証のものに用いてはならない。唐人の脳動脈硬化症の健忘では、顔色の良い人もある。この場合は、柴胡、山梔子、牡丹皮が加えられた加味帰脾湯を考える。

・竜眼肉は干しぶどうのように糖分が高くて虫害、あるいはカビにやられ易い。冷凍保存が望ましい。また大棗も虫害を受け易く、カビ、水、その上発酵するときがあるので冷凍が良い。

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(キュウキキョウガイトウ)


芎帰膠艾湯
①身体下部の出血、②貧血、③虚証
婦人の性器出血、痔出血をよく止める事が出来る。腹力は軟弱であり、虚証に用いる。また切迫流産にも有効である。

※組成
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
芍薬(しゃくやく):ボタン科、補虚薬 — 補血薬/微寒
(熟)地黄(じゅくじおう):ゴマノハグサ科、補虚薬 — 補血薬/微温
〜以上、「四物湯」〜
艾葉(がいよう):キク科、止血薬 — 温経止血薬/温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

別包
阿膠(あきょう):ウマ科、補虚薬 — 補血薬/平

※生薬の解説
・地黄、芍薬には止血作用があり、主に静脈性の出血に用いる。特に地黄には消炎止血作用(清熱涼血)がある。
・当帰、川芎、芍薬、地黄の4味で、四物湯となる。四物湯は補血作用があり、皮膚・筋肉・骨の老化防止、造血・調経による貧血や生理不順の改善、止血作用などがある。
・艾葉は、体を温めて冷えを除く作用と、止血作用がある。
・阿膠は、血を潤して出血を止め、肌肉、粘膜の傷を治す作用がある。
・甘草は、諸薬を調和するとともに症状を緩和する。

※使用目標例
・安胎作用があり、流産の防止に用いられる。当帰芍薬散は反復性の流産に用いられる。即ち、妊娠はするが流産を繰り返す習慣性流産に用いられる。一方、芎帰膠艾湯は、妊娠中に腹痛して出血の多い者(早い時期に本方が有効)、切迫流産に有効である。

・性器出血、血便、血尿、鼻出血、眼底出血、痔出血など、あらゆる出血に用いる。
・芎帰膠艾湯だけでは出血が収まらない時は、補中益気湯を加えて「上に引き上げる」。

・芎帰膠艾湯に含まれる四物湯(当帰、川芎、芍薬、地黄)は、調経作用があり、無月経、月経不順、月経痛などにも用いられる。

※注意点
・下痢をしやすい人や極度の貧血の人には用いない方が良い。

・阿膠は別の入れ物で水にふやかしてから煎じ液に混ぜると良い。

・艾葉はそのままではカサが高く煎じにくいので、事前に良くもんでおく。

●三黄瀉心湯VS黄連解毒湯VS芎帰膠艾湯VS温清飲
動脈性の出血(鮮紅色、勢いが良い)に黄連、黄芩が有効である。特に動脈の充血に伴う出血に用いられる。三黄瀉心湯は、吐血、鼻出血などの上部の出血に冷服させる。黄連解毒湯は下血、血尿など下部の出血に冷服させる。動脈と静脈の出血には、芎帰膠艾湯に黄連解毒湯を合方して用いるか、温清飲を用いる。

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(キュウキチョウケツイン)


芎帰調血飲
①出産後の月経不順、②貧血、③虚証
出産後の一切の血に関係する病気を治療する。

※組成
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
(熟)地黄(じゅくじおう):ゴマノハグサ科、補虚薬 — 補血薬/微温
白朮(びゃくじゅつ):キク科、補虚薬 — 補気薬/温
茯苓(ぶくりょう):サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
陳皮(ちんぴ):ミカン科、理気薬/温
香附子(こうぶし):カヤツリグサ科、理気薬/平
牡丹皮(ぼたんぴ):ボタン科、清熱薬 — 清熱解毒薬/微寒
艾葉(がいよう):キク科、止血薬 — 温経止血薬/温
烏薬(うやく):クスノキ科、理気薬/温
益母草(やくもそう):シソ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/微寒
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・当帰と川芎には、皮膚、筋肉、関節、骨、神経などの外部や経路を温める作用があり、外表、四肢末梢の血行を促進して冷え性を治す。また動脈の血流を良くして(活血作用)、駆瘀血の作用を助ける。当帰は主に四肢、下半身の血流を良くして冷え性を治す。川芎は主に上半身の血流を良くして頭痛を治す。
・地黄には消炎止血作用(清熱涼血)や血流の異常を正常化する作用がある。
・白朮、茯苓ともに消化管の水や、関節内の水、筋肉内の浮腫、組織間の水など、過剰な水分を血中に吸収して利尿する。
・陳皮、大棗、生姜、烏薬、甘草には健胃作用がある。さらに陳皮、生姜には解表作用、解熱鎮痛作用がある。
・香附子は、気分の滞りを散じ、血を巡らして、月経を整える
・生姜と甘草は内部を温める温裏作用を持つ。
・大棗は、鎮静、鎮痙作用がある。そして甘草は、大棗とともに痙攣を抑制する。また大棗、甘草は諸薬を調和する。
・益母草は、オキシトシン類似作用があり、子宮粘膜の充血を促進させる牡丹皮と組んで、産後の出血、悪露残存などの諸症状を改善する。
・艾葉は、体を温めて冷えを除く作用と、止血作用がある。

※使用目標例
・産後の悪露残存などの諸症状や月経不順に用いる。
悪露(おろ)とは出産後に子宮から排泄される、様々な分泌物の総称である。子宮内で出産時に胎盤がはがれ落ちた時の胎膜(たいまく)や、リンパ液、子宮で不用となった血液などが悪露として排泄される。悪露が出て子宮が収縮を繰り返すことで、母体の回復が早まる。

※注意点
・産前と妊娠の可能性のある人には使用してはいけない。

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(キュウキチョウケツインダイイチカゲン)


芎帰調血飲第一加減
①月経異常、②産後の諸病、③瘀血
血の道症、産後の体力低下、月経不順などに用いる。

※組成
当帰(とうき):セリ科、補虚薬 — 補血薬/温
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
(熟)地黄(じゅくじおう):ゴマノハグサ科、補虚薬 — 補血薬/微温
白朮(びゃくじゅつ):キク科、補虚薬 — 補気薬/温
茯苓(ぶくりょう):サルノコシカケ科、利水滲湿薬 — 利水消腫薬/平
陳皮(ちんぴ):ミカン科、理気薬/温
香附子(こうぶし):カヤツリグサ科、理気薬/平
牡丹皮(ぼたんぴ):ボタン科、清熱薬 — 清熱解毒薬/微寒
大棗(たいそう):クロウメモドキ科、補虚薬 — 補気薬/温
艾葉(がいよう):キク科、止血薬 — 温経止血薬/温
生姜(しょうきょう):ショウガ科、解表薬— 発散風寒薬/微温
烏薬(うやく):クスノキ科、理気薬/温
益母草(やくもそう):シソ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/微寒
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平
〜以上、「芎帰調血飲」〜
桃仁(とうにん):バラ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/平(小毒)
紅花(こうか):キク科、活血化瘀薬 —活血調経薬/温
枳実(きじつ):ミカン科、理気薬/微寒
桂枝(けいし):クスノキ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
牛膝(ごしつ):ヒユ科、活血化瘀薬 —活血調経薬/平
木香(もっこう):キク科、理気薬/温
延胡索(えんごさく):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
芍薬(しゃくやく):ボタン科、補虚薬 — 補血薬/微寒

※生薬の解説
・地黄、芍薬には止血作用があり、主に静脈性の出血に用いる。特に地黄には消炎止血作用(清熱涼血)がある。
・当帰、川芎、芍薬、地黄の4味で、四物湯となる。四物湯は補血作用があり、皮膚・筋肉・骨の老化防止、造血・調経による貧血や生理不順の改善、止血作用などがある。また下垂体、卵巣系、内分泌系に作用して排卵を促進する。
・白朮、茯苓ともに消化管の水や、関節内の水、筋肉内の浮腫、組織間の水など、過剰な水分を血中に吸収して利尿する。
・香附子は、気分の滞りを散じ、血を巡らして、月経を整える
・生姜と甘草は内部を温める温裏作用を持つ。
・大棗は、鎮静、鎮痙作用がある。そして甘草は、大棗とともに痙攣を抑制する。また大棗、甘草は諸薬を調和する。
・艾葉は、体を温めて冷えを除く作用と、止血作用がある。
・桃仁と牡丹皮は、内出血や血腫を吸収して、うっ血や瘀血を除き、静脈のうっ血による病変、結合組織の増殖やファイブローシスを伴う疾患を治す。桃仁と牡丹皮に駆瘀血作用があり、牡丹皮には、さらに抗炎症作用(清熱涼血)がある。
・桃仁、牡丹皮、紅花、益母草、牛膝は、血腫、内出血、腫瘤などの瘀血を吸収して卵管や子宮の環境を良くする。
・当帰、川芎、桂枝、生姜は、体の表裏を温める。
・烏薬、木香、延胡索は、鎮痛作用により生理痛を治す。
・烏薬、香附子、枳実、陳皮は、健胃作用があり、気うつやストレスを治す。

※使用目標例
・月経異常を正常にする:本方は四物湯をベースとして、これに駆瘀血薬や血行を良くして体を温める薬、鎮痛薬、気滞やストレスを治す薬(理気健脾)、健胃薬等が配合された処方で、女性の生理不順で寒証タイプのものに広く応用される。一般の生理不順には芎帰調血飲第一加減を中心にしてこれに加減を加える事で対応できる。その他、子宮内膜症、不妊症、血の道症(月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状)、更年期障害などに用いられる。

・産後の諸病に用いる:女性は産後、気管支喘息、関節リウマチ、蕁麻疹をはじめ、数多くの病が発生し、しかも難治性である。西洋医学的にはあまり注目していないが、予診の時に患者に尋ねると、産後に発生する病気は非常に多い。それに気づいて早く治療を始めれば始める程、結果が良い。その主役は、駆瘀血薬の芎帰調血飲第一加減である。
・一般の各種瘀血症に用いる:難治性疾患(膠原病、潰瘍性大腸炎、クローン病、シューグレン症候群など)は瘀血の関与が大きい。寒証タイプの瘀血には、芎帰調血飲第一加減を中心にしてこれに加減を加えて用いる。熱証タイプの瘀血には、通導散を中心にしてこれに加減を加えて、用いる。

※注意点
・子宮収縮作用があるので、産前や妊娠安胎薬としては不可である。

・当帰を胃腸虚弱な者に用いると、胃腸障害を起こし、下痢を起こす事がある。

・川芎を胃腸虚弱な者に用いると、胃腸障害を起こす事がある。

・紅花の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。投与により流早産の危険性があるので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない事が望ましい。

・桃仁の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。投与により流早産の危険性があるので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない事が望ましい。

・牡丹皮の妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。投与により流早産の危険性があるので、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない事が望ましい。

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(キョウセイハテキガン)


響声破笛丸(キョウセイハテキガン)
①声がれ、②ストレスによる失声、③咽喉不快
長時間にわたっての声帯の酷使や無理な発生のための声がれに使用する。

※組成
連翹(れんぎょう):スイカズラ科、清熱薬 — 清熱解毒薬/寒
薄荷(はっか):シソ科、解表薬 — 発散風熱薬/涼
阿仙薬(あせんやく):マメ科、収敏・抗菌作用 止潟作用/平
縮砂(しゅくしゃ)= 砂仁(しゃにん):ショウガ科、化湿薬/温
川芎(せんきゅう):セリ科、活血化瘀薬 —活血止痛薬/温
大黄(だいおう):タデ科、瀉下薬 — 攻下薬/寒
訶子(かし):ミクシン科、収渋薬 — 斂肺渋腸薬/平
〜以下、「桔梗湯」〜
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・連翹、大黄、桔梗、甘草には抗炎症作用がある。
・阿仙薬、訶子には収斂作用がある。
・薄荷、縮砂、川芎には鎮痛清涼作用がある。

※使用目標例
・感冒や扁桃炎などの急性熱性病に併発する急性の咽頭炎で起こる咽頭痛や失声は響声破笛丸の領域ではない。またアレルギー、結核、梅毒、癌などのための声枯れも響声破笛丸の適応ではない。響声破笛丸は、長時間にわたっての声帯の酷使や無理な発生のための嗄声(させい:いわゆる「声がれ」)、失声で、長期の練習が過ぎたり、選挙演説の際の声枯れやその予防に効果を発揮する。また、たばこの吸い過ぎや、空気の汚れのための喉のムズムズや、精神的なストレスのための失声にも効果が報告されている。

※注意点
・本来は丸薬を口に含んで時間をかけて嚥下(えんげ)するものであるから、煎薬とした場合でも、一時に飲むものではなく、徐々に一口ずつ飲むこと。

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(キョウソサン)


杏蘇散
①顔面浮腫、②心臓喘息、③肺水腫
気とともに水が上衝して喘咳となり、顔面浮腫を呈する症状に用いる。

※組成
麻黄(まおう):マオウ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
蘇葉(そよう)= 紫蘇葉(しそよう):シソ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
五味子(ごみし):モクレン科、収渋薬 —斂肺渋腸薬/温
烏梅(うばい):バラ科、収渋薬 — 斂肺渋腸薬/平
杏仁(きょうにん):バラ科、止咳平喘薬/温
桑白皮(そうはくひ):クワ科、止咳平喘薬/寒
紫苑(しおん):キク科、止咳平喘薬/温
大腹皮(だいふくひ):シュロ科、理気薬/微温
陳皮(ちんぴ):ミカン科、理気薬/温
〜以下、「桔梗湯」〜
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・麻黄、杏仁、桑白皮、大腹皮、陳皮には利水作用がある。
・五味子、烏梅には収斂作用がある。
・甘草は急迫を緩和するとされ、脾胃を補い、肺を潤して毒を除き、諸薬を調和する。
・桔梗には、去痰排膿作用があり(ビソルボン類似作用=「痰をうすめて粘りをとり、吐き出しやすくする。また、気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を助ける。」)、甘草と組んで咽頭を治す消炎作用がある。

※使用目標例
・気とともに水が上衝して喘咳となり、顔面浮腫を呈する症状に用いる。これは心不全の場合の呼吸困難に相当すると考えられる。

・心臓喘息、肺水腫、慢性気管支炎で痰の出ないもの

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(クジントウ)


苦参湯
①湿疹、②皮膚化膿症、③女性の陰部掻痒症
洗浄薬として外用する。あせも、かゆみ、たむし、ただれなどにも用いられる。

※組成
苦参(くじん):マメ科、清熱薬 — 清熱燥湿薬/寒

※生薬の解説
・苦参には、真菌、トリコモナス、ランブル鞭毛虫などに殺菌、殺虫の効果がある。

※使用目標例
・湿疹、皮膚化膿症、女性の陰部掻痒症などに有効である。この時、洗浄薬として外用する。また床ずれは苦参湯で洗い、紫雲膏をつけると早く治る。

※注意点
・苦参は寒薬なので、発赤などの熱症状には有効であるが、ただかゆいというものだけには使わない方が良い。

・苦参は、きわめて苦く、服用しにくい。

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(クフウゲドクトウ)


駆風解毒湯
①耳下腺炎、②急性扁桃炎、③慢性咽頭炎
喉が腫れて痛む場合の扁桃炎、扁桃周囲炎などに用いられる。

※組成
牛蒡子(ごうぼうし):キク科、解表薬 — 発散風熱薬/寒
荊芥(けいがい):シソ科、解表薬 — 発散風寒薬/微温
防風(ぼうふう):セリ科、解表薬 — 発散風寒薬/微温
連翹(れんぎょう):スイカラズ科、清熱薬 — 清熱解毒薬/寒
羌活(きょうかつ):セリ科、解表薬 — 発散風寒薬/温
石膏(せっこう):硫酸カルシウム、清熱薬 — 清熱瀉火薬/大寒
〜以下、「桔梗湯」〜
桔梗(ききょう):キキョウ科、化痰薬/平
甘草(かんぞう):マメ科、補虚薬 — 補気薬/平

※生薬の解説
・防風、牛蒡子、連翹、荊芥、羌活には発汗解表作用がある。
・牛蒡子には消炎鎮痛作用があり、風熱の咽頭炎を治す。
・石膏には消炎解熱作用がある。
・桔梗には、去痰排膿作用があり(ビソルボン類似作用=「痰をうすめて粘りをとり、吐き出しやすくする。また、気道粘膜の線毛運動をよくして、痰の排出を助ける。」)、甘草と組んで咽頭を治す消炎作用がある。

※使用目標例
・耳下腺炎、顎下腺炎、急性扁桃炎、慢性咽頭炎

※注意点
・うがいしながら、ゆっくり飲むのが特徴。

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