2021/05/10
牛黄(ゴオウ):心臓・肝臓の妙薬
◎牛黄とは
・牛の胆のう中に生じた結石です。
・10万頭あたり1キログラムしか取れないため、非常に高価です。
抗ウイルス作用があるため、価格が高止まりの状況が続いています。
・現代の世界の牛黄生産量は、年間で約2トン程度と推定されています。
日本では穀物を餌としているため、牛黄があまり取れません。
・牛黄の品質は、含有されているビリルビンの濃度で決まり、13%以上が
医薬品として認められています。13%未満のものは、「牛黄チンキ」として、
ドリンク剤に汎用されています。南米産やオーストラリア産が高品質です。
・ 中国では、ビリルビン(抗酸化)、デオキシコール酸(胆汁分泌の
促進作用により胆汁の流れを改善)、無機塩類などを原料にした「人工牛黄」が
天然牛黄の代用品として使われてきました。しかし人工と天然では、効果に差が
あるため、2004年からは、急性疾患や重病に使用する牛黄製剤では、
人工牛黄の代用が禁止されました。
◎牛黄の主な効能
・肝保護作用
適応症状:肝機能障害、倦怠感、二日酔い、悪酔い
・赤血球新生促進作用
適応症状:立ちくらみ、貧血、血色不良
・血圧降下作用
適応症状:高血圧、頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、首筋のこり
・強心作用
適応症状:どうき、むくみ、めまい
・抗がん作用
動物実験により、牛黄はマクロファージや免疫系を活性化して、免疫力を高める作用が報告されているため、抗がん作用が謳われる処方には、牛黄が含まれることが多い。
◎牛黄の抗ウイルス作用について
※ウイルスの不活性化作用を持っています。
(増殖を抑えます。)
※免疫を調整します。
・ストレスなどで免疫能が低下した場合は、活性化します。
・反対に免疫能が異常に亢進した場合は、正常に戻します。
※ウイルス感染後の肺炎を予防します。
・ウイルス感染後の肺炎に、NADPH酸化酵素の活性化が関与しますが、
牛黄は、NADPH酸化酵素の活性を抑えます。
(マウスの実験で、ウイルス感染による死亡と肺の炎症が低下します。)
※心臓と肝臓の機能を改善します。
◎牛黄の歴史
・平安時代の初期にまとめられた「続日本紀」には、698年に土佐と
下総の国から朝廷に牛黄が献上されたことが記載されています。
・701年に制定された大宝律令(日本最古の法典)に、
「凡(オヨ)そ官の馬牛死なば、おのおの皮、脳、角、胆を
収(ト)れ、若し牛黄を得ば別に進(タテマツ)れ」
→「もし牛黄が見つかったら朝廷に献上しなさい。」という意味となります。
・日蓮宗富士年表に、1461年に「幕府天龍寺の願いにより勘合府を与え、
造営費を朝鮮に募り牛黄を求めしむ」という記録があります。
・江戸時代に入ると、牛黄が市中で取引されるようになり、
牛黄を含む処方が市販されるようになりました。
◎命をつなぐ牛黄
「急に驚いて卒倒する場合や寒熱病、発熱が盛んな時、そして痙攣の病を治す。邪気を払い、鬼気を払う」 (神農本草経)
→牛黄は「心」や「血」に熱が籠もって起こる意識障害や熱痙攣、インフルエンザ脳症と呼ばれる脳内での炎症を防ぎます。
「小児の百病を治す」(名医別録)
→漢方では小児は「純陽の体」とされ、発熱しやすく、また免疫が未熟であり感染しやすいです。牛黄は余計な熱を除き、抗ウイルス作用があるため、感染性疾患に有効です。
「久しく服用すると身が軽くなり、寿命を伸ばし、物忘れをしなくなる」(名医別録)
→牛黄の血流改善・抗酸化作用により脳を保護して、認知症の予防につながります。
(長寿者の特性として体内の炎症の数値は低いです。)
・牛の胆のう中に生じた結石です。
・10万頭あたり1キログラムしか取れないため、非常に高価です。
抗ウイルス作用があるため、価格が高止まりの状況が続いています。
・現代の世界の牛黄生産量は、年間で約2トン程度と推定されています。
日本では穀物を餌としているため、牛黄があまり取れません。
・牛黄の品質は、含有されているビリルビンの濃度で決まり、13%以上が
医薬品として認められています。13%未満のものは、「牛黄チンキ」として、
ドリンク剤に汎用されています。南米産やオーストラリア産が高品質です。
・ 中国では、ビリルビン(抗酸化)、デオキシコール酸(胆汁分泌の
促進作用により胆汁の流れを改善)、無機塩類などを原料にした「人工牛黄」が
天然牛黄の代用品として使われてきました。しかし人工と天然では、効果に差が
あるため、2004年からは、急性疾患や重病に使用する牛黄製剤では、
人工牛黄の代用が禁止されました。
◎牛黄の主な効能
・肝保護作用
適応症状:肝機能障害、倦怠感、二日酔い、悪酔い
・赤血球新生促進作用
適応症状:立ちくらみ、貧血、血色不良
・血圧降下作用
適応症状:高血圧、頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、首筋のこり
・強心作用
適応症状:どうき、むくみ、めまい
・抗がん作用
動物実験により、牛黄はマクロファージや免疫系を活性化して、免疫力を高める作用が報告されているため、抗がん作用が謳われる処方には、牛黄が含まれることが多い。
◎牛黄の抗ウイルス作用について
※ウイルスの不活性化作用を持っています。
(増殖を抑えます。)
※免疫を調整します。
・ストレスなどで免疫能が低下した場合は、活性化します。
・反対に免疫能が異常に亢進した場合は、正常に戻します。
※ウイルス感染後の肺炎を予防します。
・ウイルス感染後の肺炎に、NADPH酸化酵素の活性化が関与しますが、
牛黄は、NADPH酸化酵素の活性を抑えます。
(マウスの実験で、ウイルス感染による死亡と肺の炎症が低下します。)
※心臓と肝臓の機能を改善します。
◎牛黄の歴史
・平安時代の初期にまとめられた「続日本紀」には、698年に土佐と
下総の国から朝廷に牛黄が献上されたことが記載されています。
・701年に制定された大宝律令(日本最古の法典)に、
「凡(オヨ)そ官の馬牛死なば、おのおの皮、脳、角、胆を
収(ト)れ、若し牛黄を得ば別に進(タテマツ)れ」
→「もし牛黄が見つかったら朝廷に献上しなさい。」という意味となります。
・日蓮宗富士年表に、1461年に「幕府天龍寺の願いにより勘合府を与え、
造営費を朝鮮に募り牛黄を求めしむ」という記録があります。
・江戸時代に入ると、牛黄が市中で取引されるようになり、
牛黄を含む処方が市販されるようになりました。
◎命をつなぐ牛黄
「急に驚いて卒倒する場合や寒熱病、発熱が盛んな時、そして痙攣の病を治す。邪気を払い、鬼気を払う」 (神農本草経)
→牛黄は「心」や「血」に熱が籠もって起こる意識障害や熱痙攣、インフルエンザ脳症と呼ばれる脳内での炎症を防ぎます。
「小児の百病を治す」(名医別録)
→漢方では小児は「純陽の体」とされ、発熱しやすく、また免疫が未熟であり感染しやすいです。牛黄は余計な熱を除き、抗ウイルス作用があるため、感染性疾患に有効です。
「久しく服用すると身が軽くなり、寿命を伸ばし、物忘れをしなくなる」(名医別録)
→牛黄の血流改善・抗酸化作用により脳を保護して、認知症の予防につながります。
(長寿者の特性として体内の炎症の数値は低いです。)