投稿日:2024.08.07/更新日:2024.08.07

のどの痛み・乾燥・痰に効果のある漢方と効果が出るまでの期間について解説

のどが痛かったり、痰が絡んだりと違和感を覚えることはないでしょうか?

一般的に風邪の初期症状やアレルギー反応などが原因として考えられますが、それ以外にも空気の乾燥や声の出しすぎなどが要因となることもあります。

今回はこのような症状を緩和するために有効な漢方と、効果が現れるまでの期間をご紹介します。

のどに不快感が起こる主な原因

喉に炎症が起こると、痛みやイガイガ感などの不快感を生じさせることがあります。主な原因として考えられるものをご紹介しましょう。

感染症

のどの不快感を引き起こす代表的な原因のひとつに感染症が挙げられます。

細菌やウイルスがのどの粘膜に侵入することで、風邪やインフルエンザ、扁桃炎などを発症します。

感染が広がると、のどの痛みや炎症、咳が伴うことが多くなります。

アレルギー

花粉症やハウスダストなどによって生じるアレルギー反応も、のどの不快感を引き起こす原因となります。

これらのアレルゲンがのどの粘膜に付着すると、免疫反応によってのどが腫れたり、イガイガ感やかゆみを感じたりすることがあります。

アレルギーは、個人の体質によっても症状の程度が異なります。

従来はアレルギー反応が起こらなかったにもかかわらず、あるタイミングで突然発症することも珍しくありません。

乾燥や環境要因

空気が乾燥した季節や急激な温度変化、あるいは過度な空調、空気汚染といった環境的な要因ものどの不快感をもたらす原因になります。

空気が乾燥した状態では、のどの粘膜が乾燥しやすくなり違和感や痛みを感じることがあります。

のどの酷使

歌を歌ったり大声を出したりするなど、のどを酷使することで不快感を生じさせることもあります。

声帯に過度な負担がかかると炎症やのどの痛みが生じ、最悪の場合声が出なくなるケースもあります。

ストレスや疲労

ストレスや過度の疲労が蓄積すると免疫力が低下し、さまざまな不調をきたしやすくなります。

特に、のどの粘膜はデリケートな部位であるため、免疫力が低下すると炎症や痛みなどの症状を引き起こすことが珍しくありません。

関連記事:葛根湯(カッコントウ)は風邪に効果がある?副作用や正しい飲み方を解説

のどの炎症に効果のある漢方

のどの炎症や不快感が現れたときには、漢方薬を服用することで症状を緩和できる可能性があります。

のどに効果のある漢方薬をいくつかご紹介しましょう。

桔梗湯(ききょうとう)

桔梗湯は、桔梗および甘草をブレンドした漢方薬であり、のどの炎症や腫れを和らげるために有効です。

風邪やインフルエンザ、扁桃炎などによるのどの痛みや、のどの酷使によって生じた声枯れなどにも効果を発揮します。

主要生薬の桔梗には抗炎症作用があり、のどの粘膜に生じた炎症や痛み、腫れを軽減する効果が期待できます。

また、甘草も抗炎症作用とともにのどの痛みを和らげる効果があります。

葛根湯(かっこんとう)

葛根湯は風邪のひきはじめに有効な定番の漢方薬で、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

葛根や大棗、麻黄、甘草、桂皮などの生薬が配合されており、特に主要生薬である葛根には発汗作用があります。

発汗を促すことで熱を下げ、のどの炎症や腫れを軽減する効果が期待できます

葛根湯は定番の顆粒以外にもドリンクや錠剤などさまざまなタイプの製品が販売されており、漢方薬が苦手な方でも飲みやすいでしょう。

六君子湯(りっくんしとう)

六君子湯は、消化機能を改善し体力を増強する効果があります。胃腸の調子が悪いと免疫力が低下し、のどの炎症が長引くことがあります。

六君子湯には蒼朮や半夏、茯苓、大棗などの生薬が含まれています。

これらが胃腸の働きを整え免疫力を向上させることで、間接的にのどの健康をサポートします。

特に体力が低下している人や、慢性的なのどの炎症にお悩みの方におすすめの漢方薬です。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

柴胡桂枝湯は葛根湯と同様に、風邪の初期症状に用いられることが多い漢方薬です。

主要生薬である柴胡には解熱作用と抗炎症作用があり、のどの炎症や腫れ、痛みを和らげる効果が期待できます

また、半夏や黄芩、甘草などの生薬も配合されており、体を温め発汗を促すことで辛い風邪の症状を緩和します。

関連記事:風邪のひきはじめにおすすめの漢方「小青竜湯」|効果や飲み方を解説

のどの乾燥・痰に効果のある漢方

空気の乾燥や空調などによって、のどが乾燥し痰がひどい時には以下の漢方がおすすめです。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

半夏厚朴湯は、のどの異物感を緩和するために有効な漢方薬です。

半夏や茯苓、厚朴、蘇葉などの生薬が配合されており、空気の乾燥以外にもストレスを原因としたのどの違和感にも効果を発揮します。

特に、病院を受診しても異常が見られないのに、のどの異物感や痰がよく絡むという方におすすめです。

清肺湯(せいはいとう)

清肺湯は、痰が多く絡み咳がひどい場合におすすめの漢方薬です。

当帰や麦門冬、茯苓、黄芩、桔梗といった生薬が配合されており、漢方医学における「水(すい)」を補うことで気管支や呼吸器の辛い症状に効果を発揮します。

風邪が悪化し咳が止まらない時や、空気の乾燥や汚染、タバコなどが原因でのどが炎症し黄色っぽい粘り気の強い痰が出る場合に症状を緩和してくれる可能性があります。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

麦門冬湯は、麦門冬や半夏、大棗、甘草といった生薬が配合されており、のどの乾燥に伴う咳がひどい場合におすすめの漢方薬です。

特に主要生薬である麦門冬には体内の水分バランスを整える効果があり、これによってのどの粘膜に適度な潤いを与え咳を緩和する効果が期待できます

関連記事:麻黄湯の効果について解説|飲むタイミングは?インフルエンザに効く?​

のどの漢方治療の効果が出るまでの期間

漢方薬を服用したものの、期待した効果が実感できなかったという患者様も少なくありません。

一般的に漢方薬は効果の現れ方が緩やかで、効果が現れるまでに1週間から2週間程度の時間がかかるといわれます

桔梗湯や葛根湯のように、比較的即効性のある漢方薬もありますが、効果の現れ方は症状の程度や患者様の体質などによっても異なります。

用法・用量を守って服用しているものの、数日から1週間程度で効果が実感できない場合には医師や薬剤師に相談してみることがおすすめです。

運龍堂ではのどの不快感に効くオーダーメイド漢方薬を処方

漢方薬はさまざまな生薬から構成されており、症状やその原因に合わせて選ぶ必要があります。

のどの痛みや炎症、不快感といっても風邪の初期症状のケースもあれば、ストレスや空気の乾燥、喉の酷使などが原因となって発症するケースもあります。

自分に合った漢方薬を選ぶためには、漢方専門の薬剤師に相談することが理想的といえるでしょう。

宮城県仙台市の漢方薬局「運龍堂」では、薬剤師による無料の漢方相談を行っています。

漢方相談では、患者様のお悩みや症状、体質を丁寧にヒアリングしたうえで最適な漢方薬をご提案しています

対面はもちろんのこと、LINEやZoomを利用したオンラインでの漢方相談に対応しているため、遠方で来店が難しい場合でもお気軽に利用できます。

まとめ

のどの痛みや炎症、不快感が現れたときには、その原因を把握したうえで漢方薬を選ぶことが大切です。

ドラッグストアでもさまざまな漢方薬が販売されていますが、種類が多すぎてどれを選べば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。

今回ご紹介した漢方薬を参考にしながら、症状や原因に合わせて自分に合った製品を選んでみましょう。

gd2md-html: xyzzy Tue Aug 06 2024

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2024/08/07

のどの痛み・乾燥・痰に効果のある漢方と効果が出るまでの期間について解説

のどが痛かったり、痰が絡んだりと違和感を覚えることはないでしょうか?

一般的に風邪の初期症状やアレルギー反応などが原因として考えられますが、それ以外にも空気の乾燥や声の出しすぎなどが要因となることもあります。

今回はこのような症状を緩和するために有効な漢方と、効果が現れるまでの期間をご紹介します。

のどに不快感が起こる主な原因

喉に炎症が起こると、痛みやイガイガ感などの不快感を生じさせることがあります。主な原因として考えられるものをご紹介しましょう。

感染症

のどの不快感を引き起こす代表的な原因のひとつに感染症が挙げられます。

細菌やウイルスがのどの粘膜に侵入することで、風邪やインフルエンザ、扁桃炎などを発症します。

感染が広がると、のどの痛みや炎症、咳が伴うことが多くなります。

アレルギー

花粉症やハウスダストなどによって生じるアレルギー反応も、のどの不快感を引き起こす原因となります。

これらのアレルゲンがのどの粘膜に付着すると、免疫反応によってのどが腫れたり、イガイガ感やかゆみを感じたりすることがあります。

アレルギーは、個人の体質によっても症状の程度が異なります。

従来はアレルギー反応が起こらなかったにもかかわらず、あるタイミングで突然発症することも珍しくありません。

乾燥や環境要因

空気が乾燥した季節や急激な温度変化、あるいは過度な空調、空気汚染といった環境的な要因ものどの不快感をもたらす原因になります。

空気が乾燥した状態では、のどの粘膜が乾燥しやすくなり違和感や痛みを感じることがあります。

のどの酷使

歌を歌ったり大声を出したりするなど、のどを酷使することで不快感を生じさせることもあります。

声帯に過度な負担がかかると炎症やのどの痛みが生じ、最悪の場合声が出なくなるケースもあります。

ストレスや疲労

ストレスや過度の疲労が蓄積すると免疫力が低下し、さまざまな不調をきたしやすくなります。

特に、のどの粘膜はデリケートな部位であるため、免疫力が低下すると炎症や痛みなどの症状を引き起こすことが珍しくありません。

関連記事:葛根湯(カッコントウ)は風邪に効果がある?副作用や正しい飲み方を解説

のどの炎症に効果のある漢方

のどの炎症や不快感が現れたときには、漢方薬を服用することで症状を緩和できる可能性があります。

のどに効果のある漢方薬をいくつかご紹介しましょう。

桔梗湯(ききょうとう)

桔梗湯は、桔梗および甘草をブレンドした漢方薬であり、のどの炎症や腫れを和らげるために有効です。

風邪やインフルエンザ、扁桃炎などによるのどの痛みや、のどの酷使によって生じた声枯れなどにも効果を発揮します。

主要生薬の桔梗には抗炎症作用があり、のどの粘膜に生じた炎症や痛み、腫れを軽減する効果が期待できます。

また、甘草も抗炎症作用とともにのどの痛みを和らげる効果があります。

葛根湯(かっこんとう)

葛根湯は風邪のひきはじめに有効な定番の漢方薬で、一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

葛根や大棗、麻黄、甘草、桂皮などの生薬が配合されており、特に主要生薬である葛根には発汗作用があります。

発汗を促すことで熱を下げ、のどの炎症や腫れを軽減する効果が期待できます

葛根湯は定番の顆粒以外にもドリンクや錠剤などさまざまなタイプの製品が販売されており、漢方薬が苦手な方でも飲みやすいでしょう。

六君子湯(りっくんしとう)

六君子湯は、消化機能を改善し体力を増強する効果があります。胃腸の調子が悪いと免疫力が低下し、のどの炎症が長引くことがあります。

六君子湯には蒼朮や半夏、茯苓、大棗などの生薬が含まれています。

これらが胃腸の働きを整え免疫力を向上させることで、間接的にのどの健康をサポートします。

特に体力が低下している人や、慢性的なのどの炎症にお悩みの方におすすめの漢方薬です。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

柴胡桂枝湯は葛根湯と同様に、風邪の初期症状に用いられることが多い漢方薬です。

主要生薬である柴胡には解熱作用と抗炎症作用があり、のどの炎症や腫れ、痛みを和らげる効果が期待できます

また、半夏や黄芩、甘草などの生薬も配合されており、体を温め発汗を促すことで辛い風邪の症状を緩和します。

関連記事:風邪のひきはじめにおすすめの漢方「小青竜湯」|効果や飲み方を解説

のどの乾燥・痰に効果のある漢方

空気の乾燥や空調などによって、のどが乾燥し痰がひどい時には以下の漢方がおすすめです。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

半夏厚朴湯は、のどの異物感を緩和するために有効な漢方薬です。

半夏や茯苓、厚朴、蘇葉などの生薬が配合されており、空気の乾燥以外にもストレスを原因としたのどの違和感にも効果を発揮します。

特に、病院を受診しても異常が見られないのに、のどの異物感や痰がよく絡むという方におすすめです。

清肺湯(せいはいとう)

清肺湯は、痰が多く絡み咳がひどい場合におすすめの漢方薬です。

当帰や麦門冬、茯苓、黄芩、桔梗といった生薬が配合されており、漢方医学における「水(すい)」を補うことで気管支や呼吸器の辛い症状に効果を発揮します。

風邪が悪化し咳が止まらない時や、空気の乾燥や汚染、タバコなどが原因でのどが炎症し黄色っぽい粘り気の強い痰が出る場合に症状を緩和してくれる可能性があります。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

麦門冬湯は、麦門冬や半夏、大棗、甘草といった生薬が配合されており、のどの乾燥に伴う咳がひどい場合におすすめの漢方薬です。

特に主要生薬である麦門冬には体内の水分バランスを整える効果があり、これによってのどの粘膜に適度な潤いを与え咳を緩和する効果が期待できます

関連記事:麻黄湯の効果について解説|飲むタイミングは?インフルエンザに効く?​

のどの漢方治療の効果が出るまでの期間

漢方薬を服用したものの、期待した効果が実感できなかったという患者様も少なくありません。

一般的に漢方薬は効果の現れ方が緩やかで、効果が現れるまでに1週間から2週間程度の時間がかかるといわれます

桔梗湯や葛根湯のように、比較的即効性のある漢方薬もありますが、効果の現れ方は症状の程度や患者様の体質などによっても異なります。

用法・用量を守って服用しているものの、数日から1週間程度で効果が実感できない場合には医師や薬剤師に相談してみることがおすすめです。

運龍堂ではのどの不快感に効くオーダーメイド漢方薬を処方

漢方薬はさまざまな生薬から構成されており、症状やその原因に合わせて選ぶ必要があります。

のどの痛みや炎症、不快感といっても風邪の初期症状のケースもあれば、ストレスや空気の乾燥、喉の酷使などが原因となって発症するケースもあります。

自分に合った漢方薬を選ぶためには、漢方専門の薬剤師に相談することが理想的といえるでしょう。

宮城県仙台市の漢方薬局「運龍堂」では、薬剤師による無料の漢方相談を行っています。

漢方相談では、患者様のお悩みや症状、体質を丁寧にヒアリングしたうえで最適な漢方薬をご提案しています

対面はもちろんのこと、LINEやZoomを利用したオンラインでの漢方相談に対応しているため、遠方で来店が難しい場合でもお気軽に利用できます。

まとめ

のどの痛みや炎症、不快感が現れたときには、その原因を把握したうえで漢方薬を選ぶことが大切です。

ドラッグストアでもさまざまな漢方薬が販売されていますが、種類が多すぎてどれを選べば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。

今回ご紹介した漢方薬を参考にしながら、症状や原因に合わせて自分に合った製品を選んでみましょう。

gd2md-html: xyzzy Tue Aug 06 2024

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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