美容に欠かせないエラスチンの効果とは?生成量を増やす方法や食べ物を紹介
エラスチンという成分について聞いたことはあるでしょうか。
スキンケア製品やコスメ、サプリメントなど、エラスチンを配合した製品は数多く存在します。
しかし、どのような役割を果たしているのか具体的に知らないという方も多いはずです。
そこで本記事では、エラスチンの効果や体内での生成量を増やす方法などをご紹介します。
目次
エラスチンとは?
エラスチンとは、タンパク質の一種であり、私たちの体内に存在する物質です。
エラスチンは、コラーゲンとよばれる繊維状のタンパク質をまとめる働きをしており、皮膚や軟骨などを組成するうえで欠かせない存在です。
コラーゲンもエラスチンと同様にタンパク質の一種ではありますが、繊維状で固い性質をもっているため、コラーゲンの組織同士はくっつきにくい特性があります。
エラスチンがあることで、バラバラのコラーゲンの繊維が束となってまとまり、体のさまざまな組織を構成できているのです。
エラスチンの効果
エラスチンは、私たちの健康を維持したり、美しい肌を保つために重要な役割を果たします。
どういった効果を果たしているのか、具体的に解説しましょう。
肌のハリと弾力向上
エラスチンは、コラーゲンとともに肌の構造を支える重要な成分です。
弾力とハリのある若々しい肌を維持するためにはコラーゲンが不可欠で、繊維状のコラーゲンをまとめる役割を果たしているのがエラスチンです。
年齢とともにエラスチンの量が減少すると、肌はたるみやしわが現れる傾向にあります。
そのため、コラーゲンとともにエラスチンも同時に摂取することで、肌のハリと弾力を向上させアンチエイジングに役立ちます。
動脈硬化の予防
エラスチンは肌だけでなく、血管の弾力性を維持する役割も果たしており、動脈硬化の予防にも不可欠な存在です。
動脈硬化とは、血管の壁が厚く硬くなることで血液の流れが阻害される病気です。
エラスチンを摂取することで、血管の柔軟性やしなやかさを維持でき、血液がスムーズに流れることが保たれます。
動脈硬化が進行していくと、心筋梗塞や脳梗塞、くも膜下出血などの重篤な状態に陥る危険性が高まります。
エラスチンの補給は、これらの病気を予防するのにも役立ちます。
関節と靭帯の健康維持
健康を支えるうえでもうひとつ重要な役割が、関節と靭帯の機能性維持です。
関節と靭帯は、骨と骨の接続を助け、体の動きをスムーズにする役割を果たしています。
エラスチンはこれらの組織の一部であり、柔軟性や弾力性を保つために欠かせない存在です。
エラスチンが減少すると関節の動きが制限され、靭帯の損傷や炎症が起こるリスクが高まります。
そのため、エラスチンの存在は、関節の健康維持において重要な役割を果たしています。
エラスチンとコラーゲンの違い
エラスチンとコラーゲンはどちらもタンパク質でありながら、異なる特性や役割を持っています。
両者の違いを詳しく解説しましょう。
タンパク質としての特性の違い
エラスチンの特性を一言で表すとすれば、弾力性・伸縮性のあるタンパク質と表現できるでしょう。
伸び縮みする能力に優れており、引っ張られたり縮まったりしても元の形に戻ります。
一方、コラーゲンは強靭な繊維状のタンパク質であり、エラスチンのように弾力性はないものの、引っ張る力に強いという特徴があります。
体内での役割の違い
伸縮性のあるエラスチンと強度に優れたコラーゲンは、それぞれ異なる性質によってどのような役割を果たしているのでしょうか。
コラーゲンは、主に皮膚、軟骨、骨、腱といった組織の強度や構造を支える役割を担っており、体の構造を保つために不可欠な存在です。
これに対しエラスチンは、肌や血管などの組織において柔軟性・弾力性を維持するために役立っています。
冒頭でもご紹介した通り、コラーゲンは繊維状のタンパク質であり、固い性質をもっていることから単体でまとまることができません。
そこで、エラスチンがコラーゲンの繊維をまとめることで、体のさまざまな組織を構成できています。
エラスチンとコラーゲンはどちらも不可欠な存在であり、両者が共存することによって私たちの健康は保たれているのです。
エラスチンを増やす方法
エラスチンは私たちの体内に存在する物質ですが、年齢を重ねるたびに減少していくため、体外から補給しなければなりません。
エラスチンを効率的に補給するにはどういった方法があるのでしょうか。
食事からの摂取
エラスチンを多く含む食材は極めて少なく、日常的に食事から摂取することは簡単ではありません。
そこで、エラスチンを増やすためには、コラーゲンを多く含む食材を選ぶことが重要といえます。
というのも、コラーゲンはエラスチンの生成を活発化する働きがあり、体内でのエラスチン生成量を増やす手助けをしてくれるためです。
ただし、コラーゲンやエラスチンの摂取量を極端に増やそうとすると栄養バランスが崩れ、健康を損なうおそれもあるため、バランスの良い食生活を心がけましょう。
サプリメントでの摂取
バランスの良い食事を心がけていたとしても、必要な栄養素が補いきれないこともあります。
そのような場合には、サプリメントを効果的に活用してみるのもおすすめです。
ちなみに、コラーゲンのサプリも一緒に摂取することで、エラスチンの生成が促進される可能性もあります。
日常生活における注意点
エラスチンを積極的に摂取していたとしても、偏った食生活や睡眠不足、肌への物理的なダメージなどが蓄積されると肌トラブルは改善できません。
そのため、十分な睡眠時間をとったり、外出の際には十分な紫外線対策を行うなど生活習慣の見直しも大切です。
エラスチンの生成を助ける食べ物は?
エラスチンが含まれる食品としては、牛・豚などの血管が挙げられます。
しかし、一般的な食肉や内臓とは異なり、スーパーや食肉店で購入することは難しいでしょう。
上記でも紹介しましたが、コラーゲンを多く含む食材を摂取し、体内でエラスチンの生成をサポートするのが現実的な方法といえます。
スーパーなどでも手軽に入手できる食品としては、以下が挙げられます。
- 牛すじ
- 手羽先
- 軟骨
- カツオ など
ちなみに、上記の食材を摂取しても即座にエラスチンが生成されるわけではなく、数ヶ月程度の時間を要します。
そのため、毎日少しずつでも継続的に摂取することが大切です。
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エラスチンの生成を助ける食べ物を積極的に取り入れたり、サプリメントによって栄養を補給することは基本的な対策です。
これに合わせて、漢方を取り入れてみるのもおすすめです。
ドラッグストアでも市販の漢方薬は手軽に入手できますが、漢方専門の調剤薬局に相談することで、自分の体質や悩みに合わせた漢方薬を処方してもらえます。
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相談後はオンラインで漢方薬のオーダーもできるため、肌の悩みを解消したいと考えている方はぜひ、お気軽に運龍堂までご相談ください。
まとめ
年齢を重ねると肌の水分量が減少していき、皮膚の弾力が失われ、シワやたるみが目立ちやすくなります。
これは加齢とともにエラスチンの量が減ることで現れる症状であり、誰しも避けては通れない老化現象のひとつといえます。
しかし、食生活の見直しや基本的なスキンケアを継続することにより、若々しい肌を維持できる可能性もあります。
この記事の監修薬剤師
運龍堂 佐藤貴繁
略歴
1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任