投稿日:2022.10.25/更新日:2023.02.15

漢方は鼻詰まりに効果はあるのか|症状や改善方法、おすすめの漢方薬とは

辛い鼻症状の一種である鼻づまり。

 

一度鼻づまりを起こすと鼻に不快感を覚え、快適な日常を送ることが困難になるでしょう。

 

しかし、たかが鼻づまりとなにも対処せずにいませんか?

 

今回はそんな鼻づまりについて以下の内容でご紹介していきます。

 

  • ・鼻づまりの症状や原因
  • ・鼻づまりを改善する方法
  • ・おすすめの漢方薬

 

鼻づまりには東洋医学の漢方薬が効果的です。

 

現在鼻づまりの症状に悩まれている方はぜひ本記事の内容を参考にしてみてくださいね。

 

 

鼻づまりの症状

鼻づまりにはさまざま症状を引き起こす原因となります。

 

鼻づまりの一般的な症状は鼻がつまることによって苦しさを感じたり、においが判別しづらくなったりなどの不快感が生じることが多いでしょう。

 

それ以外にも、鼻づまりは口呼吸の原因にもなります。

 

そのため、喉を痛めやすくなり風邪の症状を引き起こすことも少なくありません。

 

風邪をひくときに鼻づまりからひきやすいという方も多いでしょう。

 

さらにいびきや集中力の低下、疲労度の上昇などさまざまな影響を与えます。

 

このように鼻づまりは放っておくと鼻だけでないところにも異常が出てくるのでとてもしんどい症状だといえるでしょう。

 

 

鼻づまりになる原因

鼻づまりは複数の要素が絡み合っていることも少なくなく、まずはその原因を突き止めることが改善のために大切だといえるでしょう。

 

続いてはそんな鼻づまりの原因についてみていきましょう。

 

 

鼻腔粘膜の腫れや炎症

腫れや炎症が起こることによって空気の通り道が悪くなり、鼻づまりを引き起こします。

 

アレルギー性鼻炎や風邪に伴う鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎など、さまざまな鼻炎にかかることが原因です。

 

炎症が弱まることで粘膜が腫れてくるので、それが原因になっているということも考えられるでしょう。

 

このように鼻腔の中にある空気が通る道が塞がれることによって鼻づまりは引き起こされます。

 

 

鼻汁やデキモノ

鼻腔内の湿り気を保つために分泌される鼻汁が溜まることや鼻の中にデキモノができることによっても鼻腔内の空気の通り道が狭くなり鼻づまりが起こります。

 

鼻汁は鼻炎が原因で過多に分泌されるようになります。

 

そのほか、ティッシュの切れ端が鼻に残ることで異物になることも原因の一つです。

 

このように、さまざまな要因が鼻づまりの原因となっているのがわかるでしょう。

 

 

鼻茸

鼻ポリープとも呼ばれる鼻茸が鼻腔に飛び出した状態も鼻づまりの原因です。

 

鼻づまりだけでなく匂いを感じにくくなったり、鼻水が過剰に分泌されたりとさまざまな症状を引き起こします。

 

鼻茸は腫瘍ではありませんが、摘出するために手術が必要となってきます。

 

鼻にポリープができるなんて聞いたことがないかもしれませんが、アレルギーや喘息がある人によく見られる症状です。

 

鼻茸は放置しているとどんどんと大きくなって症状が悪化していく場合があります。

 

このような症状が見られる際には早めに病院に行ってかかりつけの医師に診てもらうようにしましょう。

 

 

アデノイド

小児の場合はアデノイドが原因になっている可能性があります。

 

アデノイドとは鼻の奥と喉の間の上咽頭にあるリンパ組織のかたまりです。

 

アデノイドは3歳頃から6歳ぐらいまで大きくなり、10歳を過ぎた辺りから小さくなります。

 

アデノイドが肥大していることで鼻づまりやいびき、睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。

 

症状がひどい場合には切除が必要になるので、気になる場合は医師に相談するようにしましょう。

 

 

鼻づまりの改善・治療方法

続いては鼻づまりの改善方法や治療方法について紹介していきます。

 

鼻づまりは放っておいたら自然に治ると思って、なにも対策や治療をしていない方も多くいるでしょう。

 

しかし、こちらの改善方法や治療方法を実践すると辛い症状を和らげることが可能です。

 

現在鼻づまりに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

鼻を冷やす

慢性的な鼻づまりに悩んでいる方は冷やしたタオルなどで熱を奪うことで鼻の通りが良くなり鼻づまりを和らげることが可能です。

 

しかし、炎症がひどくない場合などは逆に鼻を温めて血行を良くすることも効果的です。

 

温めたタオルを鼻の上に置くなどの方法があります。

 

寝起きや鼻をかんでも鼻づまりが解消されないときは試してみると良いでしょう。

 

鼻を冷やすか温めるかは、そのときの症状によって使い分けるようにしてください。

 

 

食生活を見直す

体質によって鼻づまりを起こしやすい人がいるのも事実です。

 

鼻づまりが起こりやすい人は粘膜が弱い傾向にあるので、食生活を見直すことで強化することができます。

 

特にβ-カロテンには粘膜を強くする効果があるといわれています。

 

β-カロテンは色の濃い野菜に多く含まれているので積極的に食事に取り入れてみると良いでしょう。

 

また、カテキンは抗菌力と殺菌力が強いため、緑茶を積極的に摂取するのも効果的です。

 

 

医薬品で治療するなど

症状がひどい場合には医薬品で治療するのが手っ取り早く効果を出す方法です。

 

西洋医学ではネブライザー(吸入器)使用して抗生物質を鼻に注入したり内服薬を使用したりして治療をしていきます。

 

そのほかにも点鼻薬を使用する治療もあります。

 

この治療は即効性があり、すぐに症状が和らぐという特徴がありますが、使い過ぎには注意が必要となってきます。

 

症状を和らげる効果に重きを置く西洋医学ではなく、漢方薬による治療では体全体に働きかけるということに重きを置いています。

 

漢方を利用し、体の調子を整えながら改善へと繋げていきます。

 

副作用が少ないのも漢方薬の特徴ですので、ご自身に合う薬を選ぶようにすると良いでしょう。

 

 

部屋を掃除する

ダニやホコリなどのハウスダウトを吸い込むことによっても喘息や鼻炎を引き起こす原因になってしまいます。

 

ハウスダウトが多い環境下では鼻づまりなどの症状はなかなか改善されにくいので、部屋の掃除などを定期的に行う必要があります。

 

特にダニは繁殖するとアレルギーの原因になりやすいので、6〜9月の繁殖しやすい蒸し暑い時期には注意が必要です。

 

掃除方法は殺虫スプレーやくん煙剤を使用した後、念入りに掃除機をかけてダニの死骸を除去します。

 

クローゼットの中や洗面台などホコリが溜まりやすい箇所も重点的に綺麗にしていくようにしましょう。

 

 

鼻うがい

鼻うがいは生理食塩水を使用して行います。

 

自身で自作することも可能ですが、市販の鼻うがい薬が手軽でしょう。

 

鼻うがいをすることで鼻腔内のよごれや異物を除去でき空気の通りが良くなります。

 

さらに鼻の乾燥を防ぐことにもなり、ウイルス対策にもなるので日頃から行っておくのも良いでしょう。

 

 

部屋を加湿する

鼻が乾燥していると鼻閉症状を引き起こし、鼻づまりの原因になります。

 

部屋を加湿することで鼻の乾燥を防ぐことが可能です。

 

さらに喉の乾燥を防ぐこともできるため、風邪の症状の低下、風邪予防と副次的な効果も期待できます。

 

乾燥しやすい体質だという方は加湿器を設置して部屋を加湿するところから始めてみるのが良いでしょう。

 

 

お酒を控え運動する

お酒は血管の拡張を引き起こすので鼻づまりがひどいときにはなるべく避けた方がよいでしょう。

 

逆に適度な運動をすることで自律神経が整えられ、鼻の血管が収縮します。

 

このように健康に良い習慣を意識することで鼻づまりに対して改善効果が期待できます。

 

運動は鼻づまり以外の健康面を維持するうえでも効果的なので、ぜひ普段から取り組むようにしましょう。

 

 

鼻づまりに効く漢方薬

鼻づまりには、さまざまな生薬を組み合わせてその人にあった症状に作用できる漢方薬を処方するのがおすすめです。

 

続いては鼻づまりの症状に良く効く漢方薬を実際に5つ紹介していきます。

 

ぜひ薬選びの参考にしてみてくださいね。

 

 

葛根湯加川芎辛夷

まず初めに鼻づまりに効く漢方薬は葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)です。

 

こちらの薬は鼻づまりを改善する生薬を配合しているため、鼻炎はもちろん蓄膿症などにも効果を発揮してくれます。

 

体を温める作用のある葛根湯をベースにしていることから、体内の余計な水分の発散を促し鼻づまりの改善に努めてくれるでしょう。

 

 

小青竜湯

続いて鼻づまりに効く漢方薬は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。

 

小青竜湯は、鼻づまりはもちろん鼻水や痰、くしゃみといった風邪全般に効果を発揮してくれる漢方薬です。

 

漢方でいうところの「水毒(すいどく)」を改善する力が非常に強い処方です。

したがって、体質上、浮腫みやすい方にも汎用します。

 

アレルギー性鼻炎や花粉症、気管支喘息の薬としても処方されています。

 

さまざまな症状に効く万能薬ともいえるでしょう。

 

 

麻黄湯

3つ目に紹介するのは麻黄湯(まおうとう)です。

 

麻黄湯は体温を高めて発汗を促す効果が強いため、鼻づまり、咳といった風邪のひき始めや急な発熱、頭痛の際に効果を発揮してくれます。

 

症状が出始めた1〜2日目あたりの風邪のひき始めには麻黄湯を利用してみるのが良いでしょう。

 

しかし、体力がある方向けの漢方薬なので胃腸の弱い方や体力が落ちている人が処方するには注意が必要です。

 

 

辛夷清肺湯

4つ目に紹介するのは辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)です。

 

辛夷清肺湯は鼻汁や鼻づまりを伴う鼻炎や蓄膿症に用いられます。

 

熱を発散させることによって鼻の炎症を鎮めてくれる効果があり鼻の通りを良くしてくれるでしょう。

 

さらに痰が絡むような咳が症状としてある場合にも使われ、石膏(せっこう)や黄ゴン(おうごん)、山梔子(さんしし)などが含まれています。

 

鼻づまりの症状が強い方におすすめできる漢方薬です。

 

 

荊芥連翹湯

最後に紹介するのが荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)です。

 

荊芥連翹湯は慢性的な鼻づまりに悩まれている方におすすめの漢方薬です。

 

荊芥連翹湯には余分な熱を冷やすことによって鼻通りを良くする効果があり、鼻づまりの症状を軽減してくれます。

 

こちらの漢方は炎症を抑える作用があるので、鼻づまりだけでなく慢性的な扁桃炎などにも効果的です。

 

しかし発疹や発赤、かゆみといった副作用が出る危険性があるのでこれらの症状が現れた際には医師や薬剤師と相談のうえ処方を考えてください。

 

まとめ

鼻づまりはとても辛い症状でさまざまな原因があることがわかりましたね。

 

今回紹介した改善方法を行うことによって症状を和らげることができるでしょう。

 

それでもなかなか回復に向かわない場合には漢方薬がおすすめです。

 

辛い鼻づまりは我慢することなく、適切な対処法や薬の利用をするようにしましょう。

 

 

 

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この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2022/10/25

漢方は鼻詰まりに効果はあるのか|症状や改善方法、おすすめの漢方薬とは

辛い鼻症状の一種である鼻づまり。

 

一度鼻づまりを起こすと鼻に不快感を覚え、快適な日常を送ることが困難になるでしょう。

 

しかし、たかが鼻づまりとなにも対処せずにいませんか?

 

今回はそんな鼻づまりについて以下の内容でご紹介していきます。

 

  • ・鼻づまりの症状や原因
  • ・鼻づまりを改善する方法
  • ・おすすめの漢方薬

 

鼻づまりには東洋医学の漢方薬が効果的です。

 

現在鼻づまりの症状に悩まれている方はぜひ本記事の内容を参考にしてみてくださいね。

 

 

鼻づまりの症状

鼻づまりにはさまざま症状を引き起こす原因となります。

 

鼻づまりの一般的な症状は鼻がつまることによって苦しさを感じたり、においが判別しづらくなったりなどの不快感が生じることが多いでしょう。

 

それ以外にも、鼻づまりは口呼吸の原因にもなります。

 

そのため、喉を痛めやすくなり風邪の症状を引き起こすことも少なくありません。

 

風邪をひくときに鼻づまりからひきやすいという方も多いでしょう。

 

さらにいびきや集中力の低下、疲労度の上昇などさまざまな影響を与えます。

 

このように鼻づまりは放っておくと鼻だけでないところにも異常が出てくるのでとてもしんどい症状だといえるでしょう。

 

 

鼻づまりになる原因

鼻づまりは複数の要素が絡み合っていることも少なくなく、まずはその原因を突き止めることが改善のために大切だといえるでしょう。

 

続いてはそんな鼻づまりの原因についてみていきましょう。

 

 

鼻腔粘膜の腫れや炎症

腫れや炎症が起こることによって空気の通り道が悪くなり、鼻づまりを引き起こします。

 

アレルギー性鼻炎や風邪に伴う鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎など、さまざまな鼻炎にかかることが原因です。

 

炎症が弱まることで粘膜が腫れてくるので、それが原因になっているということも考えられるでしょう。

 

このように鼻腔の中にある空気が通る道が塞がれることによって鼻づまりは引き起こされます。

 

 

鼻汁やデキモノ

鼻腔内の湿り気を保つために分泌される鼻汁が溜まることや鼻の中にデキモノができることによっても鼻腔内の空気の通り道が狭くなり鼻づまりが起こります。

 

鼻汁は鼻炎が原因で過多に分泌されるようになります。

 

そのほか、ティッシュの切れ端が鼻に残ることで異物になることも原因の一つです。

 

このように、さまざまな要因が鼻づまりの原因となっているのがわかるでしょう。

 

 

鼻茸

鼻ポリープとも呼ばれる鼻茸が鼻腔に飛び出した状態も鼻づまりの原因です。

 

鼻づまりだけでなく匂いを感じにくくなったり、鼻水が過剰に分泌されたりとさまざまな症状を引き起こします。

 

鼻茸は腫瘍ではありませんが、摘出するために手術が必要となってきます。

 

鼻にポリープができるなんて聞いたことがないかもしれませんが、アレルギーや喘息がある人によく見られる症状です。

 

鼻茸は放置しているとどんどんと大きくなって症状が悪化していく場合があります。

 

このような症状が見られる際には早めに病院に行ってかかりつけの医師に診てもらうようにしましょう。

 

 

アデノイド

小児の場合はアデノイドが原因になっている可能性があります。

 

アデノイドとは鼻の奥と喉の間の上咽頭にあるリンパ組織のかたまりです。

 

アデノイドは3歳頃から6歳ぐらいまで大きくなり、10歳を過ぎた辺りから小さくなります。

 

アデノイドが肥大していることで鼻づまりやいびき、睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。

 

症状がひどい場合には切除が必要になるので、気になる場合は医師に相談するようにしましょう。

 

 

鼻づまりの改善・治療方法

続いては鼻づまりの改善方法や治療方法について紹介していきます。

 

鼻づまりは放っておいたら自然に治ると思って、なにも対策や治療をしていない方も多くいるでしょう。

 

しかし、こちらの改善方法や治療方法を実践すると辛い症状を和らげることが可能です。

 

現在鼻づまりに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

鼻を冷やす

慢性的な鼻づまりに悩んでいる方は冷やしたタオルなどで熱を奪うことで鼻の通りが良くなり鼻づまりを和らげることが可能です。

 

しかし、炎症がひどくない場合などは逆に鼻を温めて血行を良くすることも効果的です。

 

温めたタオルを鼻の上に置くなどの方法があります。

 

寝起きや鼻をかんでも鼻づまりが解消されないときは試してみると良いでしょう。

 

鼻を冷やすか温めるかは、そのときの症状によって使い分けるようにしてください。

 

 

食生活を見直す

体質によって鼻づまりを起こしやすい人がいるのも事実です。

 

鼻づまりが起こりやすい人は粘膜が弱い傾向にあるので、食生活を見直すことで強化することができます。

 

特にβ-カロテンには粘膜を強くする効果があるといわれています。

 

β-カロテンは色の濃い野菜に多く含まれているので積極的に食事に取り入れてみると良いでしょう。

 

また、カテキンは抗菌力と殺菌力が強いため、緑茶を積極的に摂取するのも効果的です。

 

 

医薬品で治療するなど

症状がひどい場合には医薬品で治療するのが手っ取り早く効果を出す方法です。

 

西洋医学ではネブライザー(吸入器)使用して抗生物質を鼻に注入したり内服薬を使用したりして治療をしていきます。

 

そのほかにも点鼻薬を使用する治療もあります。

 

この治療は即効性があり、すぐに症状が和らぐという特徴がありますが、使い過ぎには注意が必要となってきます。

 

症状を和らげる効果に重きを置く西洋医学ではなく、漢方薬による治療では体全体に働きかけるということに重きを置いています。

 

漢方を利用し、体の調子を整えながら改善へと繋げていきます。

 

副作用が少ないのも漢方薬の特徴ですので、ご自身に合う薬を選ぶようにすると良いでしょう。

 

 

部屋を掃除する

ダニやホコリなどのハウスダウトを吸い込むことによっても喘息や鼻炎を引き起こす原因になってしまいます。

 

ハウスダウトが多い環境下では鼻づまりなどの症状はなかなか改善されにくいので、部屋の掃除などを定期的に行う必要があります。

 

特にダニは繁殖するとアレルギーの原因になりやすいので、6〜9月の繁殖しやすい蒸し暑い時期には注意が必要です。

 

掃除方法は殺虫スプレーやくん煙剤を使用した後、念入りに掃除機をかけてダニの死骸を除去します。

 

クローゼットの中や洗面台などホコリが溜まりやすい箇所も重点的に綺麗にしていくようにしましょう。

 

 

鼻うがい

鼻うがいは生理食塩水を使用して行います。

 

自身で自作することも可能ですが、市販の鼻うがい薬が手軽でしょう。

 

鼻うがいをすることで鼻腔内のよごれや異物を除去でき空気の通りが良くなります。

 

さらに鼻の乾燥を防ぐことにもなり、ウイルス対策にもなるので日頃から行っておくのも良いでしょう。

 

 

部屋を加湿する

鼻が乾燥していると鼻閉症状を引き起こし、鼻づまりの原因になります。

 

部屋を加湿することで鼻の乾燥を防ぐことが可能です。

 

さらに喉の乾燥を防ぐこともできるため、風邪の症状の低下、風邪予防と副次的な効果も期待できます。

 

乾燥しやすい体質だという方は加湿器を設置して部屋を加湿するところから始めてみるのが良いでしょう。

 

 

お酒を控え運動する

お酒は血管の拡張を引き起こすので鼻づまりがひどいときにはなるべく避けた方がよいでしょう。

 

逆に適度な運動をすることで自律神経が整えられ、鼻の血管が収縮します。

 

このように健康に良い習慣を意識することで鼻づまりに対して改善効果が期待できます。

 

運動は鼻づまり以外の健康面を維持するうえでも効果的なので、ぜひ普段から取り組むようにしましょう。

 

 

鼻づまりに効く漢方薬

鼻づまりには、さまざまな生薬を組み合わせてその人にあった症状に作用できる漢方薬を処方するのがおすすめです。

 

続いては鼻づまりの症状に良く効く漢方薬を実際に5つ紹介していきます。

 

ぜひ薬選びの参考にしてみてくださいね。

 

 

葛根湯加川芎辛夷

まず初めに鼻づまりに効く漢方薬は葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)です。

 

こちらの薬は鼻づまりを改善する生薬を配合しているため、鼻炎はもちろん蓄膿症などにも効果を発揮してくれます。

 

体を温める作用のある葛根湯をベースにしていることから、体内の余計な水分の発散を促し鼻づまりの改善に努めてくれるでしょう。

 

 

小青竜湯

続いて鼻づまりに効く漢方薬は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。

 

小青竜湯は、鼻づまりはもちろん鼻水や痰、くしゃみといった風邪全般に効果を発揮してくれる漢方薬です。

 

漢方でいうところの「水毒(すいどく)」を改善する力が非常に強い処方です。

したがって、体質上、浮腫みやすい方にも汎用します。

 

アレルギー性鼻炎や花粉症、気管支喘息の薬としても処方されています。

 

さまざまな症状に効く万能薬ともいえるでしょう。

 

 

麻黄湯

3つ目に紹介するのは麻黄湯(まおうとう)です。

 

麻黄湯は体温を高めて発汗を促す効果が強いため、鼻づまり、咳といった風邪のひき始めや急な発熱、頭痛の際に効果を発揮してくれます。

 

症状が出始めた1〜2日目あたりの風邪のひき始めには麻黄湯を利用してみるのが良いでしょう。

 

しかし、体力がある方向けの漢方薬なので胃腸の弱い方や体力が落ちている人が処方するには注意が必要です。

 

 

辛夷清肺湯

4つ目に紹介するのは辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)です。

 

辛夷清肺湯は鼻汁や鼻づまりを伴う鼻炎や蓄膿症に用いられます。

 

熱を発散させることによって鼻の炎症を鎮めてくれる効果があり鼻の通りを良くしてくれるでしょう。

 

さらに痰が絡むような咳が症状としてある場合にも使われ、石膏(せっこう)や黄ゴン(おうごん)、山梔子(さんしし)などが含まれています。

 

鼻づまりの症状が強い方におすすめできる漢方薬です。

 

 

荊芥連翹湯

最後に紹介するのが荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)です。

 

荊芥連翹湯は慢性的な鼻づまりに悩まれている方におすすめの漢方薬です。

 

荊芥連翹湯には余分な熱を冷やすことによって鼻通りを良くする効果があり、鼻づまりの症状を軽減してくれます。

 

こちらの漢方は炎症を抑える作用があるので、鼻づまりだけでなく慢性的な扁桃炎などにも効果的です。

 

しかし発疹や発赤、かゆみといった副作用が出る危険性があるのでこれらの症状が現れた際には医師や薬剤師と相談のうえ処方を考えてください。

 

まとめ

鼻づまりはとても辛い症状でさまざまな原因があることがわかりましたね。

 

今回紹介した改善方法を行うことによって症状を和らげることができるでしょう。

 

それでもなかなか回復に向かわない場合には漢方薬がおすすめです。

 

辛い鼻づまりは我慢することなく、適切な対処法や薬の利用をするようにしましょう。

 

 

 

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この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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