投稿日:2022.08.24/更新日:2023.02.15

漢方の味について|正しい飲み方や飲む時に注意するべき事もご紹介

苦い・不味いというイメージの強い漢方。

 

しかし、漢方の味は、人の身体の健康状態を教えてくれたり、体にあったものを選ぶ判断材料になります。

 

この記事では、漢方の味や正しい飲み方・飲む時の注意点についてお伝えしますので、漢方の味が苦手で克服したいという人はぜひ参考にしてみてください。

 

漢方とは

 

漢方とは、生薬と呼ばれる植物の葉や茎・樹皮・種子や鉱物、動物の一部を複数組み合わせて作られた医薬品です。

 

漢方の目的は、西洋医学の医薬品のように病気を治すことだけではなく、体のバランスを整えることで健康状態を見直すことにあります。

 

そのため、漢方の処方では、体の不調を病気として捉えるのではなく、「気・血・水」という独特の概念で体の状態を表し、その状態によってその人に合った漢方が処方されます。

 

漢方は、生薬の組み合わせや配合比率を変えるだけで、さまざまな薬効を生み出すことができるため、体調に合わせて柔軟に対応できるのが大きな特徴です。

 

漢方の味について

漢方は身体に良いので飲んでみたいとは思っていても、味が苦手で敬遠している人はとても多いと思います。

 

しかし、漢方の苦みや臭み・酸味などの味には大切な役割があります。

その人の健康状態を判断したり、体質に合った漢方を知るための判断材料となることです。

 

例えば、運動して汗をたくさんかいた後に飲むスポーツドリンクはとても美味しく感じますが、十分に満たされた後には、スポーツドリンクの味の濃さに不快感を抱くことはありませんか。

 

このように、人は、不足している栄養素や成分について味を通して感じることができます。

 

漢方も同様に、自分の身体に合っていないものは不味く感じる傾向にある一方で、身体に合っていたり補給が必要な成分が含まれているものは、そこまで味を気にすることなく飲めたりします。

 

また、飲み方次第で味や臭いを緩和させることが可能です。

次の項目では、漢方の飲み方についてお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。

 

漢方の飲み方とは

ここでは、漢方の飲み方や飲むタイミング・味や臭いが苦手な人におすすめの対処法についてお伝えします。

 

漢方を飲んでみたいけど、味や臭いが苦手でなかなか手が出ない人はぜひ参考にしてください。

 

漢方はいつ飲むべき?

 

漢方は、用法・用量を確認して飲むようにします。基本的には、食前(食事の約30分〜1時間前)・食間(食事の2〜3時間後)に飲むことを指示されるのが基本です。

 

では、なぜ食前と食間に飲む必要があるのでしょうか?それぞれの理由についてお伝えします。

 

食前に飲むことを指示される理由としては、漢方には、消化吸収を促進したり、食事による症状の発生を抑える作用があったりするためです。

 

実は、多くの人が苦手とする漢方の苦味や酸味は、脳を刺激し胃酸の分泌を促進させたり胃の働きを活発にする作用があります。

 

食間に飲むことを指示される理由としては、漢方に空腹時の胃粘膜を保護する成分があったり、食べ物によって薬の吸収が悪くなり薬効を十分に得られなくなるなどのリスクがあることです。

 

食前に飲むか、食間に飲むかは、漢方に含まれる成分・薬効によって変わりますので、用法・用量をよく確認して、記載された通りのタイミングで飲むようにしましょう。

 

漢方のベストな飲み方

 

漢方のベストな飲み方は、水または白湯と一緒に飲むことです。

 

オブラートに包んだり、ゼリーに混ぜたりと、味や臭いを緩和させる飲み方が数多く紹介されていますが、漢方は味や臭いも薬効の一部です。

 

例えば、酸味は粘膜を収縮させますし、苦味は体内のものを排出する働きを促進させます。

 

また、前の項目でもお伝えしましたが、味や臭いによる刺激によって、胃酸の分泌が促進されたり、胃の動きが活発になったりもします。

 

さらに、味や臭いに対する感じ方の違いによって、服用した漢方が体質に合っているのか、自分の体調に必要なものなのかの判断材料となるのも大きなポイントです。

 

このように、漢方は、水または白湯と一緒に飲んで、味や臭いを感じながら飲むことをおすすめします。

 

漢方の味や臭いの対策

 

しかし、どうしても漢方の味や臭いが苦手な人もいるかと思います。そんな人におすすめなのが、水または白湯を先に口に含んでから飲む方法です。

 

漢方が苦手な人は、味はもちろんのこと、ザラザラとした舌触りが気になる人も多いでしょう。

 

先に水(または白湯)を口に含んでから漢方を入れることで、味や臭い、ザラザラとした舌触りを緩和することができます。

 

一方で、この飲み方だと歯の間に漢方の粒が残ってしまい、気持ち悪さを感じる人もいるかもしれません。

 

その場合は、手間はかかってしまいますが、煎じ薬を作って飲むのがおすすめです。

 

ただし、この場合は、味を感じるのを避けることが難しいため、息を止めて飲んだり、服用後すぐに水を飲むなどの対処が必要です。

 

漢方を飲む時の注意点

漢方を少しでも美味しく飲みたい!または、味や風味を抑えたい!という思いから、さまざまな飲み方を試す人もいると思います。

 

しかし、飲み方によっては効果を十分に得られなかったり、吸収に影響を及ぼしてしまう場合もあるので注意が必要です。

 

ここでは、漢方を飲むときの注意点についてお伝えしますので、誤った飲み方をしないためにもチェックしておきましょう。

 

お茶やジュースとは飲まない

 

漢方の味を紛らわすためにお茶やジュースと一緒に飲む方は多いのではないでしょうか。

先の項目でもお伝えしたように、漢方は苦味や酸味などの味も大切な薬効の一つです。

 

そのため、味を緩和してしまうお茶やジュースは薬効を減らしてしまうリスクがあります。

 

また、お茶やジュースに含まれる成分が薬の働きや吸収に悪影響を与えてしまう場合もあるので、一緒に飲むことはやめましょう。

 

他の漢方と同時に飲まない

 

漢方は、服用時の健康状態に対して必要な成分が配合された薬です。

 

そのため、複数の漢方を同時に飲むことでそのバランスが崩れてしまうリスクがあります。

過剰摂取となったり、漢方同士で薬効を打ち消し合ったりしてしまわないよう、複数の漢方を一緒に飲むことは避けましょう。

 

妊娠中は飲める?

 

漢方は、天然由来の成分で作られているため、妊娠中でも比較的安心して服用できるものが多くあります。

 

中には、妊娠中の吐き気やつわりの症状を抑えられるものや、お腹の張りを抑えられるものなどもあり、妊娠中でも漢方はとても役に立ちます。

 

ただし、漢方に含まれる成分には注意が必要です。例えば、大黄(ダイオウ)は子宮を収縮させたり、下痢の症状を引き起こすリスクがあったり、麻黄(マオウ)は、血圧上昇や胎盤への血流を低下させてしまうリスクもあります。

 

このように、体に良いイメージのある漢方でも、含まれる成分によって妊娠中の体に悪影響を与えてしまうものがあることを覚えておきましょう。

 

妊娠中は、体力が消耗しやすかったり、デリケートな状態になっています。

 

また、お腹の中の赤ちゃんへの影響を考慮しなければいけないため、どんな漢方を服用する場合でも必ず医師に相談するようにしましょう。

 

漢方の保管の仕方

比較的長く保管できるイメージがある漢方ですが、保管方法がわからずに悩んでいる人も多いかと思います。

 

中には、漢方が袋の中で固まってしまったり、変色してしまったという経験がある人もいるのではないでしょうか。

 

ここでは、漢方の保管の仕方についてお伝えします。

基本的な保管方法のポイントは次の2つです。

 

  1. 1.直射日光が当たらない場所
  2. 2.風通しがよく湿気の少ない涼しい場所

 

漢方は、特に湿気に弱く、湿気の多いところに置いておくと漢方に含まれる水分量が上昇し、変色を起こしたり顆粒同士がくっついて固まってしまったりします。

 

このような症状を避ける方法としては、基本的な保管ポイントに加えて、ジップロックのようなチャック付きのビニール袋やパッキン付きのタッパーのように密閉できる容器に入れておくのがおすすめです。

 

さらに、乾燥剤も一緒に入れておくとなお良しです。

 

また、中には、涼しい場所として冷蔵庫に保管している人もいると思います。

 

冷蔵庫に保管している場合は、長時間冷蔵庫の外に出しておかないように注意が必要です。

 

長時間冷蔵庫の外に出しておいてから冷蔵庫内に戻すと、温度差によって結露が発生してしまう恐れがありますので、必要量を取り出したらすぐに冷蔵庫に戻しましょう。

 

 使用期間はどのくらいの期間?

 

漢方の使用期間は、基本的に3〜5年のものが多いです。

 

ただし、5年という期間は、未開封・未使用の状態で保管した場合に限ります。

保管状態によっては、使用期間に差が生じますし、たとえ5年以内のものであっても固まっていたり変色している場合は服用しないようにしましょう。

 

また、漢方はその時の体の状態に合わせて処方されたものだということも考慮する必要があります。

 

体のバランスを整えて健康な状態に戻す役割がある漢方ですから、使用期間内のものであっても長い間服用していない場合は、十分な薬効が得られなかったり、逆に成分の過剰摂取となるリスクもあるので服用は控えましょう。

 

漢方の味や飲み方|まとめ

 

この記事では、漢方の味が持つ役割についてお伝えするとともに、漢方の正しい飲み方や味・臭いへの対策、また漢方を飲む時の注意点についてお伝えしました。

 

漢方の味や臭いが苦手だという人は多いかと思いますが、漢方に含まれる成分が自分にとって必要なものであれば、そこまで味は気にならなくなる傾向にあります。

 

漢方を服用する際は、味や臭いを気にしすぎるのではなく、むしろ味や臭いに対する自分の感覚を大切にして、体質や健康状態に合ったものを服用するようにしましょう。

 

健康のために漢方を服用したいけど、味や臭いに抵抗があってなかなか一歩踏み出せずにいる人にとって、この記事が一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

 

 

その他の記事では、癌の治療に服用できる漢方薬やペットに服用できる漢方薬など様々な記事を掲載しています。

漢方に関する不安やお悩みがあればお気軽に運龍堂までご相談下さい。

 

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2022/08/24

漢方の味について|正しい飲み方や飲む時に注意するべき事もご紹介

苦い・不味いというイメージの強い漢方。

 

しかし、漢方の味は、人の身体の健康状態を教えてくれたり、体にあったものを選ぶ判断材料になります。

 

この記事では、漢方の味や正しい飲み方・飲む時の注意点についてお伝えしますので、漢方の味が苦手で克服したいという人はぜひ参考にしてみてください。

 

漢方とは

 

漢方とは、生薬と呼ばれる植物の葉や茎・樹皮・種子や鉱物、動物の一部を複数組み合わせて作られた医薬品です。

 

漢方の目的は、西洋医学の医薬品のように病気を治すことだけではなく、体のバランスを整えることで健康状態を見直すことにあります。

 

そのため、漢方の処方では、体の不調を病気として捉えるのではなく、「気・血・水」という独特の概念で体の状態を表し、その状態によってその人に合った漢方が処方されます。

 

漢方は、生薬の組み合わせや配合比率を変えるだけで、さまざまな薬効を生み出すことができるため、体調に合わせて柔軟に対応できるのが大きな特徴です。

 

漢方の味について

漢方は身体に良いので飲んでみたいとは思っていても、味が苦手で敬遠している人はとても多いと思います。

 

しかし、漢方の苦みや臭み・酸味などの味には大切な役割があります。

その人の健康状態を判断したり、体質に合った漢方を知るための判断材料となることです。

 

例えば、運動して汗をたくさんかいた後に飲むスポーツドリンクはとても美味しく感じますが、十分に満たされた後には、スポーツドリンクの味の濃さに不快感を抱くことはありませんか。

 

このように、人は、不足している栄養素や成分について味を通して感じることができます。

 

漢方も同様に、自分の身体に合っていないものは不味く感じる傾向にある一方で、身体に合っていたり補給が必要な成分が含まれているものは、そこまで味を気にすることなく飲めたりします。

 

また、飲み方次第で味や臭いを緩和させることが可能です。

次の項目では、漢方の飲み方についてお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。

 

漢方の飲み方とは

ここでは、漢方の飲み方や飲むタイミング・味や臭いが苦手な人におすすめの対処法についてお伝えします。

 

漢方を飲んでみたいけど、味や臭いが苦手でなかなか手が出ない人はぜひ参考にしてください。

 

漢方はいつ飲むべき?

 

漢方は、用法・用量を確認して飲むようにします。基本的には、食前(食事の約30分〜1時間前)・食間(食事の2〜3時間後)に飲むことを指示されるのが基本です。

 

では、なぜ食前と食間に飲む必要があるのでしょうか?それぞれの理由についてお伝えします。

 

食前に飲むことを指示される理由としては、漢方には、消化吸収を促進したり、食事による症状の発生を抑える作用があったりするためです。

 

実は、多くの人が苦手とする漢方の苦味や酸味は、脳を刺激し胃酸の分泌を促進させたり胃の働きを活発にする作用があります。

 

食間に飲むことを指示される理由としては、漢方に空腹時の胃粘膜を保護する成分があったり、食べ物によって薬の吸収が悪くなり薬効を十分に得られなくなるなどのリスクがあることです。

 

食前に飲むか、食間に飲むかは、漢方に含まれる成分・薬効によって変わりますので、用法・用量をよく確認して、記載された通りのタイミングで飲むようにしましょう。

 

漢方のベストな飲み方

 

漢方のベストな飲み方は、水または白湯と一緒に飲むことです。

 

オブラートに包んだり、ゼリーに混ぜたりと、味や臭いを緩和させる飲み方が数多く紹介されていますが、漢方は味や臭いも薬効の一部です。

 

例えば、酸味は粘膜を収縮させますし、苦味は体内のものを排出する働きを促進させます。

 

また、前の項目でもお伝えしましたが、味や臭いによる刺激によって、胃酸の分泌が促進されたり、胃の動きが活発になったりもします。

 

さらに、味や臭いに対する感じ方の違いによって、服用した漢方が体質に合っているのか、自分の体調に必要なものなのかの判断材料となるのも大きなポイントです。

 

このように、漢方は、水または白湯と一緒に飲んで、味や臭いを感じながら飲むことをおすすめします。

 

漢方の味や臭いの対策

 

しかし、どうしても漢方の味や臭いが苦手な人もいるかと思います。そんな人におすすめなのが、水または白湯を先に口に含んでから飲む方法です。

 

漢方が苦手な人は、味はもちろんのこと、ザラザラとした舌触りが気になる人も多いでしょう。

 

先に水(または白湯)を口に含んでから漢方を入れることで、味や臭い、ザラザラとした舌触りを緩和することができます。

 

一方で、この飲み方だと歯の間に漢方の粒が残ってしまい、気持ち悪さを感じる人もいるかもしれません。

 

その場合は、手間はかかってしまいますが、煎じ薬を作って飲むのがおすすめです。

 

ただし、この場合は、味を感じるのを避けることが難しいため、息を止めて飲んだり、服用後すぐに水を飲むなどの対処が必要です。

 

漢方を飲む時の注意点

漢方を少しでも美味しく飲みたい!または、味や風味を抑えたい!という思いから、さまざまな飲み方を試す人もいると思います。

 

しかし、飲み方によっては効果を十分に得られなかったり、吸収に影響を及ぼしてしまう場合もあるので注意が必要です。

 

ここでは、漢方を飲むときの注意点についてお伝えしますので、誤った飲み方をしないためにもチェックしておきましょう。

 

お茶やジュースとは飲まない

 

漢方の味を紛らわすためにお茶やジュースと一緒に飲む方は多いのではないでしょうか。

先の項目でもお伝えしたように、漢方は苦味や酸味などの味も大切な薬効の一つです。

 

そのため、味を緩和してしまうお茶やジュースは薬効を減らしてしまうリスクがあります。

 

また、お茶やジュースに含まれる成分が薬の働きや吸収に悪影響を与えてしまう場合もあるので、一緒に飲むことはやめましょう。

 

他の漢方と同時に飲まない

 

漢方は、服用時の健康状態に対して必要な成分が配合された薬です。

 

そのため、複数の漢方を同時に飲むことでそのバランスが崩れてしまうリスクがあります。

過剰摂取となったり、漢方同士で薬効を打ち消し合ったりしてしまわないよう、複数の漢方を一緒に飲むことは避けましょう。

 

妊娠中は飲める?

 

漢方は、天然由来の成分で作られているため、妊娠中でも比較的安心して服用できるものが多くあります。

 

中には、妊娠中の吐き気やつわりの症状を抑えられるものや、お腹の張りを抑えられるものなどもあり、妊娠中でも漢方はとても役に立ちます。

 

ただし、漢方に含まれる成分には注意が必要です。例えば、大黄(ダイオウ)は子宮を収縮させたり、下痢の症状を引き起こすリスクがあったり、麻黄(マオウ)は、血圧上昇や胎盤への血流を低下させてしまうリスクもあります。

 

このように、体に良いイメージのある漢方でも、含まれる成分によって妊娠中の体に悪影響を与えてしまうものがあることを覚えておきましょう。

 

妊娠中は、体力が消耗しやすかったり、デリケートな状態になっています。

 

また、お腹の中の赤ちゃんへの影響を考慮しなければいけないため、どんな漢方を服用する場合でも必ず医師に相談するようにしましょう。

 

漢方の保管の仕方

比較的長く保管できるイメージがある漢方ですが、保管方法がわからずに悩んでいる人も多いかと思います。

 

中には、漢方が袋の中で固まってしまったり、変色してしまったという経験がある人もいるのではないでしょうか。

 

ここでは、漢方の保管の仕方についてお伝えします。

基本的な保管方法のポイントは次の2つです。

 

  1. 1.直射日光が当たらない場所
  2. 2.風通しがよく湿気の少ない涼しい場所

 

漢方は、特に湿気に弱く、湿気の多いところに置いておくと漢方に含まれる水分量が上昇し、変色を起こしたり顆粒同士がくっついて固まってしまったりします。

 

このような症状を避ける方法としては、基本的な保管ポイントに加えて、ジップロックのようなチャック付きのビニール袋やパッキン付きのタッパーのように密閉できる容器に入れておくのがおすすめです。

 

さらに、乾燥剤も一緒に入れておくとなお良しです。

 

また、中には、涼しい場所として冷蔵庫に保管している人もいると思います。

 

冷蔵庫に保管している場合は、長時間冷蔵庫の外に出しておかないように注意が必要です。

 

長時間冷蔵庫の外に出しておいてから冷蔵庫内に戻すと、温度差によって結露が発生してしまう恐れがありますので、必要量を取り出したらすぐに冷蔵庫に戻しましょう。

 

 使用期間はどのくらいの期間?

 

漢方の使用期間は、基本的に3〜5年のものが多いです。

 

ただし、5年という期間は、未開封・未使用の状態で保管した場合に限ります。

保管状態によっては、使用期間に差が生じますし、たとえ5年以内のものであっても固まっていたり変色している場合は服用しないようにしましょう。

 

また、漢方はその時の体の状態に合わせて処方されたものだということも考慮する必要があります。

 

体のバランスを整えて健康な状態に戻す役割がある漢方ですから、使用期間内のものであっても長い間服用していない場合は、十分な薬効が得られなかったり、逆に成分の過剰摂取となるリスクもあるので服用は控えましょう。

 

漢方の味や飲み方|まとめ

 

この記事では、漢方の味が持つ役割についてお伝えするとともに、漢方の正しい飲み方や味・臭いへの対策、また漢方を飲む時の注意点についてお伝えしました。

 

漢方の味や臭いが苦手だという人は多いかと思いますが、漢方に含まれる成分が自分にとって必要なものであれば、そこまで味は気にならなくなる傾向にあります。

 

漢方を服用する際は、味や臭いを気にしすぎるのではなく、むしろ味や臭いに対する自分の感覚を大切にして、体質や健康状態に合ったものを服用するようにしましょう。

 

健康のために漢方を服用したいけど、味や臭いに抵抗があってなかなか一歩踏み出せずにいる人にとって、この記事が一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

 

 

その他の記事では、癌の治療に服用できる漢方薬やペットに服用できる漢方薬など様々な記事を掲載しています。

漢方に関する不安やお悩みがあればお気軽に運龍堂までご相談下さい。

 

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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