投稿日:2024.12.21/更新日:2024.12.21

腰痛に漢方が効くメカニズムとは?原因を知って正しく対処

加齢や生活習慣などが原因でさまざまな体の不調が現れることがありますが、その中でも代表的なのが腰痛です。

ある日突然発症する急性の腰痛もあれば、慢性的に痛みが持続する腰痛もあり、それぞれの原因に合わせて治療を行わなくてはなりません。

漢方の服用は腰痛の有効的な治療法ですが、具体的にどういった薬を選べば良いのでしょうか。

漢方が腰痛を緩和する仕組みや服用時の注意点、薬と併用したいセルフケアについても解説します。

腰痛に漢方が効くメカニズム

そもそも、なぜ漢方が腰痛の改善に効果を発揮するのか、基本的なメカニズムや仕組みを解説しましょう。

気・血の巡りを改善

ストレスや過労、加齢などによって気の巡りが滞っていると、自律神経のバランスが崩れ血の巡りも悪くなります。

その結果、老廃物の排出が進まなかったり、生命維持に必要な酸素や栄養が十分に行き渡らず炎症や痛みを引き起こすことがあります。

漢方は「気・血・水」のバランスを整えることで体質を改善し、さまざまな体の不調や悩みを解決するという考え方があります。

気および血の巡りを改善しバランスを整えることで、腰痛の根本的な原因を取り除き症状を緩和できる可能性が高まります。

冷えや湿気を取り除く

体が冷えると血行が悪化し、筋肉がこわばることで痛みを引き起こします。

また、特に胃腸の機能が弱い方の場合には、暴飲暴食が原因で水分代謝が低下し消化機能が落ちることによって腰痛を引き起こすこともあります。

漢方には「陰陽五行」という思想もあり、陰と陽のバランスを保つことで不調を改善できると考えられています。

すなわち、生姜や桂皮などが配合された体を温める漢方を処方することにより、体の冷えを解消し腰痛の根本原因を取り除くことができるのです。

腎機能の改善

慢性的な腰痛に悩まされている場合、腎機能の低下が原因となっているケースが少なくありません。

腎機能は加齢や生活習慣、ストレスなどが原因で低下することが多く、これを放置しておくと腰痛が悪化していきます。

漢方では体を温めることで腎機能を高め、腰痛の改善に寄与します。

関連記事:漢方の効き目とは?効果を引き出す正しい使い方と選び方を紹介

漢方が効く腰痛の原因

一口に腰痛といってもさまざまな原因が考えられ、漢方はあらゆる腰痛を治せるというものではありません。

どのような腰痛に漢方は効果を発揮するのか、3つの原因のパターンに分けてご紹介しましょう。

血液の滞りが原因で起こる腰痛

デスクワークで長時間同じ姿勢を維持していたり、運動不足が続いたりすると血行が悪くなり、体が冷えやすくなります。

また、血液は体内に必要な栄養素や酸素を運ぶ重要な役割を果たしているため、血液が滞ってしまうと疲労物質が溜まり腰痛を引き起こしやすくなるのです。

冒頭でもご紹介した通り、漢方には気・血・水のバランスを整える働きがあるため、体が冷えやすく腰痛に悩まされている場合には漢方が効果的といえるでしょう。

体内の余分な水分が滞ることで起こる腰痛

暴飲暴食やお酒の飲み過ぎ、不規則な生活習慣などが原因で体内に余分な水分が溜まり、腰痛を引き起こすこともあります。

たとえば、体を動かしたときに胃部にチャプチャプとした感覚があったり、体の一部がむくんでいたりする場合には、水分が滞っている可能性があります。

水分の滞りによって現れる腰痛は、腫れを伴う痛みや熱っぽい感覚が見られるため、このような症状がある場合には医師や薬剤師に相談し適切な漢方薬を処方してもらいましょう。

腎機能の低下による腰痛

腎臓は腰痛と密接に関連している臓器であり、腎機能が低下した際の症状として腰痛が現れることが少なくありません。

腎機能の低下は加齢や過労、冷えなどさまざまな要因が考えられ、慢性的な腰痛や下半身の倦怠感などが典型的な症状として見られます。

また、腎臓は生殖機能や排泄機能にも密接に関わっていることから、腰痛以外にも性欲の減退や排尿トラブルなどが見られる場合もあります。

腰痛に効くとされる漢方の種類

腰痛に対応した漢方にはさまざまな種類があり、原因や症状に応じて選ぶことが大切です。主な原因に対応した漢方と、それがどのように痛みを改善していくのかを解説しましょう。

八味地黄丸

八味地黄丸は腎機能を補強する代表的な漢方です。

特に、加齢に伴う慢性的な腰痛に適しており、下半身の冷えやむくみを改善することで腎機能の向上および腰の痛みを軽減します。

また、腎臓にとって体の冷えは大敵であるため、八味地黄丸を服用する際には体をしっかりと温めることも重要なポイントです。

関連記事:八味地黄丸の効果とは?女性におすすめの理由や副作用を徹底解説

牛車腎気丸

牛車腎気丸も八味地黄丸と同様、腎機能の低下に対応した漢方です。

継続的に服用することで体の内側から温め、特に足腰の冷えを改善する効果が期待できるため、体が冷えやすい冬場や就寝時に痛みが悪化する方におすすめの漢方といえるでしょう。

関連記事:牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸は血液の滞りに伴う腰痛に対応する漢方です。

冷え性の体質の方はもちろんのこと、生理痛など女性特有の不調に起因する腰痛にもおすすめです。

関連記事:桂枝茯苓丸とは?効果や飲み合わせの注意を徹底解説

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は冷えが原因の腰痛に適した漢方です。

特に気温が低下する冬や、夏場の冷房によって体が冷えることで悪化する腰痛に用いられ、体を内側から温めることで痛みを緩和します。

芍薬甘草湯

芍薬甘草湯は、筋肉のけいれんやこりを改善する効果が期待できる漢方です。

痛みに対して即効性が期待できるのが特徴で、ぎっくり腰などの急性の腰痛や、スポーツ後の筋肉が張った状態のときにもおすすめです。

また、こむら返りなど筋肉の痛みを伴う症状にも適用されることが多い薬です。

疎経活血湯

疎経活血湯は気・血の巡りを改善することで関節や筋肉の痛みを和らげる漢方です。

痛みの原因となる湿気や冷えを取り除き、炎症を抑える作用があることから、慢性的な腰痛だけでなく手足や関節の痛みにも広く用いられることが特徴です。

漢方薬と併用したい腰痛改善のセルフケア

漢方を飲んでいるものの痛みが緩和しない、あるいは効果が分かりにくいという方も多いでしょう。そのような場合には、漢方の服用と合わせて腰痛改善に効果的なセルフケアに取り組んでみるのもおすすめです。

適度なストレッチやマッサージ

運動不足や運動のしすぎが原因で腰痛を引き起こしている場合、ストレッチやマッサージを行うことで改善できる可能性があります。

まずは以下のストレッチを自宅で試していただき、背中全体や腰回りのマッサージなども併用してみましょう。

膝抱え体操

膝抱え体操は腰やお尻の筋肉を伸ばす効果があるため、腰痛以外にもお尻や脚のしびれを感じている場合に効果的です。

 

  1. 仰向けの状態から膝を両手で抱え込む
  2. 2の状態を5〜10秒程度キープ
  3. 2〜3の動作を10回繰り返す

 

体操を行う前に後方に椅子を置いておき、疲れてきたら椅子に足を乗せて休憩すると良いでしょう。

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスとは、お尻から膝の裏にかけて伸びている筋肉です。

猫背の癖がある方はハムストリングスが硬くなり腰痛を引き起こす原因にもなるため、ストレッチを行うことで筋肉の柔軟性を取り戻し痛みを改善できる可能性があります。

 

  1. 仰向けの状態から片足を上げる
  2. 足の裏にタオルを引っ掛ける
  3. 両手でタオルの端を持ち、手前に引っ張る

 

タオルを手前に引っ張った際に、強い痛みを感じる場合には無理をしないでください。

正しい姿勢の維持

デスクワークが中心の方は長時間同じ姿勢を維持することも多いでしょう。

しかし、猫背や椅子に浅く腰掛けるなどの無理な姿勢をとっていると腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因になります。

そのため、背筋を伸ばし正しい姿勢を心がけたり、30分から1時間おきに立ち上がってストレッチをするなど、長時間同じ姿勢をとらないことも意識してみましょう。

適度な運動

運動不足が続くと関節や筋肉が硬直し腰痛のリスクが高まります。

また、血液も滞りがちになり冷え性を引き起こすため、日頃から適度な運動をすることが重要です。

運動の習慣がない場合、いきなりハードなトレーニングをするとケガをする危険性もあることから、まずは軽めのウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどから始めてみるのが良いでしょう。

腰痛で漢方を服用する際の注意点

腰痛の改善を目的として漢方を服用する場合、正しい飲み方を心がけないと効果が現れなかったり、思わぬ健康被害をもたらす危険性もあります。

服用時に気をつけたい注意点をいくつかご紹介しましょう。

自己判断での服用を避ける

漢方はその人の体質や症状に応じて処方されるため、自己判断での服用は避けましょう。

たとえば、体の冷えが原因で腰痛を発症しているにもかかわらず、熱を取り除く漢方を服用してしまうと症状を悪化させることにもなりかねません。

近年ではドラッグストアでも市販の漢方が販売されていますが、安全に服用するためにも漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、適切な薬を処方してもらうことが大切です。

副作用を理解して服用する

漢方は自然由来の生薬が原料となっているため、比較的安全性は高いとされていますが、副作用のリスクはゼロではありません。

たとえば、胃腸の機能を低下させたり、生薬の種類によってはアレルギー反応を引き起こしたりする場合もあります。

服用前には必ず副作用のリスクを理解し、万が一異変が見られた場合にはすぐに医師へ相談することが重要です。

他の薬との併用に注意

基礎疾患があり日常的に西洋薬を服用している場合、漢方との併用によって現れる相互作用に注意が必要です。

薬に含まれる成分によっては、その効果を必要以上に倍増させたり、作用が相殺されてしまう可能性があります。

すでに服用している薬がある場合には、医師または薬剤師へその旨を申告し適切な指導を受けるようにしましょう。

持病がある場合や妊娠中は特定の漢方がリスクになることも

持病がある方や妊娠中の方は、漢方を服用することで重大な健康被害をもたらしたり、胎児に影響を及ぼす危険性もあります。

たとえば、妊娠中は血流を促進する薬が流産のリスクを高めることがあるため、特別な配慮が必要です。

持病の治療中または妊娠中の方は、必ず医師や薬剤師へ相談したうえで漢方を処方してもらいましょう。

運龍堂は完全オーダーメイドの漢方を提案

漢方の効果を最大限まで発揮するためには、症状の原因や自分自身の体質を正確に把握することが重要です。

しかし、漢方の専門知識がない一般の方にとって、自分にどの漢方が最適であるかを判断することは難しいものです。

病院を受診し医師から漢方を処方してもらうのもひとつの手ではありますが、仕事が忙しく通院の時間を確保できないという方も多いでしょう。

そのような場合には、漢方専門薬局「運龍堂」へご相談ください。運龍堂では電話やLINE、メールによる無料のオンライン漢方相談を行っており、体の不調や悩みを専門家へ直接相談することができます。

丁寧なカウンセリングにより、その人に合ったオーダーメイドの漢方をご提案し、その場でオーダーいただくことも可能です。

「これまでさまざまな薬を試してきたものの、腰痛が改善しなかった」という方は、まずはお気軽に運龍堂のオンライン漢方相談をご利用ください。

まとめ

一口に腰痛といってもその原因は千差万別で、同じ症状でも治療の方法や有効な薬は異なります。

また、痛みの程度も異なり、たとえばぎっくり腰のような急性の腰痛は激しい痛みを感じることが多い一方で、慢性的な腰痛は痛みが引いたり強まったりといった症状も見られます。

腰痛の悩みを解決するためには正確な原因を特定することが重要であり、間違った認識のまま治療を続けていると改善が見込めないばかりか重症化を招くおそれもあります。

漢方の中には腰痛に効く薬が数多くありますが、自分の判断ではなく医師や薬剤師に相談したうえで適切な処方を受けることが大切です。

運龍堂ではオンライン漢方相談にも対応しており、忙しい方でも気軽にご利用いただけます。自分自身にマッチしたオーダーメイドの漢方を手軽に入手したいという方は、ぜひ運龍堂へご相談ください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2024/12/21

腰痛に漢方が効くメカニズムとは?原因を知って正しく対処

加齢や生活習慣などが原因でさまざまな体の不調が現れることがありますが、その中でも代表的なのが腰痛です。

ある日突然発症する急性の腰痛もあれば、慢性的に痛みが持続する腰痛もあり、それぞれの原因に合わせて治療を行わなくてはなりません。

漢方の服用は腰痛の有効的な治療法ですが、具体的にどういった薬を選べば良いのでしょうか。

漢方が腰痛を緩和する仕組みや服用時の注意点、薬と併用したいセルフケアについても解説します。

腰痛に漢方が効くメカニズム

そもそも、なぜ漢方が腰痛の改善に効果を発揮するのか、基本的なメカニズムや仕組みを解説しましょう。

気・血の巡りを改善

ストレスや過労、加齢などによって気の巡りが滞っていると、自律神経のバランスが崩れ血の巡りも悪くなります。

その結果、老廃物の排出が進まなかったり、生命維持に必要な酸素や栄養が十分に行き渡らず炎症や痛みを引き起こすことがあります。

漢方は「気・血・水」のバランスを整えることで体質を改善し、さまざまな体の不調や悩みを解決するという考え方があります。

気および血の巡りを改善しバランスを整えることで、腰痛の根本的な原因を取り除き症状を緩和できる可能性が高まります。

冷えや湿気を取り除く

体が冷えると血行が悪化し、筋肉がこわばることで痛みを引き起こします。

また、特に胃腸の機能が弱い方の場合には、暴飲暴食が原因で水分代謝が低下し消化機能が落ちることによって腰痛を引き起こすこともあります。

漢方には「陰陽五行」という思想もあり、陰と陽のバランスを保つことで不調を改善できると考えられています。

すなわち、生姜や桂皮などが配合された体を温める漢方を処方することにより、体の冷えを解消し腰痛の根本原因を取り除くことができるのです。

腎機能の改善

慢性的な腰痛に悩まされている場合、腎機能の低下が原因となっているケースが少なくありません。

腎機能は加齢や生活習慣、ストレスなどが原因で低下することが多く、これを放置しておくと腰痛が悪化していきます。

漢方では体を温めることで腎機能を高め、腰痛の改善に寄与します。

関連記事:漢方の効き目とは?効果を引き出す正しい使い方と選び方を紹介

漢方が効く腰痛の原因

一口に腰痛といってもさまざまな原因が考えられ、漢方はあらゆる腰痛を治せるというものではありません。

どのような腰痛に漢方は効果を発揮するのか、3つの原因のパターンに分けてご紹介しましょう。

血液の滞りが原因で起こる腰痛

デスクワークで長時間同じ姿勢を維持していたり、運動不足が続いたりすると血行が悪くなり、体が冷えやすくなります。

また、血液は体内に必要な栄養素や酸素を運ぶ重要な役割を果たしているため、血液が滞ってしまうと疲労物質が溜まり腰痛を引き起こしやすくなるのです。

冒頭でもご紹介した通り、漢方には気・血・水のバランスを整える働きがあるため、体が冷えやすく腰痛に悩まされている場合には漢方が効果的といえるでしょう。

体内の余分な水分が滞ることで起こる腰痛

暴飲暴食やお酒の飲み過ぎ、不規則な生活習慣などが原因で体内に余分な水分が溜まり、腰痛を引き起こすこともあります。

たとえば、体を動かしたときに胃部にチャプチャプとした感覚があったり、体の一部がむくんでいたりする場合には、水分が滞っている可能性があります。

水分の滞りによって現れる腰痛は、腫れを伴う痛みや熱っぽい感覚が見られるため、このような症状がある場合には医師や薬剤師に相談し適切な漢方薬を処方してもらいましょう。

腎機能の低下による腰痛

腎臓は腰痛と密接に関連している臓器であり、腎機能が低下した際の症状として腰痛が現れることが少なくありません。

腎機能の低下は加齢や過労、冷えなどさまざまな要因が考えられ、慢性的な腰痛や下半身の倦怠感などが典型的な症状として見られます。

また、腎臓は生殖機能や排泄機能にも密接に関わっていることから、腰痛以外にも性欲の減退や排尿トラブルなどが見られる場合もあります。

腰痛に効くとされる漢方の種類

腰痛に対応した漢方にはさまざまな種類があり、原因や症状に応じて選ぶことが大切です。主な原因に対応した漢方と、それがどのように痛みを改善していくのかを解説しましょう。

八味地黄丸

八味地黄丸は腎機能を補強する代表的な漢方です。

特に、加齢に伴う慢性的な腰痛に適しており、下半身の冷えやむくみを改善することで腎機能の向上および腰の痛みを軽減します。

また、腎臓にとって体の冷えは大敵であるため、八味地黄丸を服用する際には体をしっかりと温めることも重要なポイントです。

関連記事:八味地黄丸の効果とは?女性におすすめの理由や副作用を徹底解説

牛車腎気丸

牛車腎気丸も八味地黄丸と同様、腎機能の低下に対応した漢方です。

継続的に服用することで体の内側から温め、特に足腰の冷えを改善する効果が期待できるため、体が冷えやすい冬場や就寝時に痛みが悪化する方におすすめの漢方といえるでしょう。

関連記事:牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

桂枝茯苓丸

桂枝茯苓丸は血液の滞りに伴う腰痛に対応する漢方です。

冷え性の体質の方はもちろんのこと、生理痛など女性特有の不調に起因する腰痛にもおすすめです。

関連記事:桂枝茯苓丸とは?効果や飲み合わせの注意を徹底解説

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は冷えが原因の腰痛に適した漢方です。

特に気温が低下する冬や、夏場の冷房によって体が冷えることで悪化する腰痛に用いられ、体を内側から温めることで痛みを緩和します。

芍薬甘草湯

芍薬甘草湯は、筋肉のけいれんやこりを改善する効果が期待できる漢方です。

痛みに対して即効性が期待できるのが特徴で、ぎっくり腰などの急性の腰痛や、スポーツ後の筋肉が張った状態のときにもおすすめです。

また、こむら返りなど筋肉の痛みを伴う症状にも適用されることが多い薬です。

疎経活血湯

疎経活血湯は気・血の巡りを改善することで関節や筋肉の痛みを和らげる漢方です。

痛みの原因となる湿気や冷えを取り除き、炎症を抑える作用があることから、慢性的な腰痛だけでなく手足や関節の痛みにも広く用いられることが特徴です。

漢方薬と併用したい腰痛改善のセルフケア

漢方を飲んでいるものの痛みが緩和しない、あるいは効果が分かりにくいという方も多いでしょう。そのような場合には、漢方の服用と合わせて腰痛改善に効果的なセルフケアに取り組んでみるのもおすすめです。

適度なストレッチやマッサージ

運動不足や運動のしすぎが原因で腰痛を引き起こしている場合、ストレッチやマッサージを行うことで改善できる可能性があります。

まずは以下のストレッチを自宅で試していただき、背中全体や腰回りのマッサージなども併用してみましょう。

膝抱え体操

膝抱え体操は腰やお尻の筋肉を伸ばす効果があるため、腰痛以外にもお尻や脚のしびれを感じている場合に効果的です。

 

  1. 仰向けの状態から膝を両手で抱え込む
  2. 2の状態を5〜10秒程度キープ
  3. 2〜3の動作を10回繰り返す

 

体操を行う前に後方に椅子を置いておき、疲れてきたら椅子に足を乗せて休憩すると良いでしょう。

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスとは、お尻から膝の裏にかけて伸びている筋肉です。

猫背の癖がある方はハムストリングスが硬くなり腰痛を引き起こす原因にもなるため、ストレッチを行うことで筋肉の柔軟性を取り戻し痛みを改善できる可能性があります。

 

  1. 仰向けの状態から片足を上げる
  2. 足の裏にタオルを引っ掛ける
  3. 両手でタオルの端を持ち、手前に引っ張る

 

タオルを手前に引っ張った際に、強い痛みを感じる場合には無理をしないでください。

正しい姿勢の維持

デスクワークが中心の方は長時間同じ姿勢を維持することも多いでしょう。

しかし、猫背や椅子に浅く腰掛けるなどの無理な姿勢をとっていると腰に大きな負担がかかり、腰痛の原因になります。

そのため、背筋を伸ばし正しい姿勢を心がけたり、30分から1時間おきに立ち上がってストレッチをするなど、長時間同じ姿勢をとらないことも意識してみましょう。

適度な運動

運動不足が続くと関節や筋肉が硬直し腰痛のリスクが高まります。

また、血液も滞りがちになり冷え性を引き起こすため、日頃から適度な運動をすることが重要です。

運動の習慣がない場合、いきなりハードなトレーニングをするとケガをする危険性もあることから、まずは軽めのウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどから始めてみるのが良いでしょう。

腰痛で漢方を服用する際の注意点

腰痛の改善を目的として漢方を服用する場合、正しい飲み方を心がけないと効果が現れなかったり、思わぬ健康被害をもたらす危険性もあります。

服用時に気をつけたい注意点をいくつかご紹介しましょう。

自己判断での服用を避ける

漢方はその人の体質や症状に応じて処方されるため、自己判断での服用は避けましょう。

たとえば、体の冷えが原因で腰痛を発症しているにもかかわらず、熱を取り除く漢方を服用してしまうと症状を悪化させることにもなりかねません。

近年ではドラッグストアでも市販の漢方が販売されていますが、安全に服用するためにも漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、適切な薬を処方してもらうことが大切です。

副作用を理解して服用する

漢方は自然由来の生薬が原料となっているため、比較的安全性は高いとされていますが、副作用のリスクはゼロではありません。

たとえば、胃腸の機能を低下させたり、生薬の種類によってはアレルギー反応を引き起こしたりする場合もあります。

服用前には必ず副作用のリスクを理解し、万が一異変が見られた場合にはすぐに医師へ相談することが重要です。

他の薬との併用に注意

基礎疾患があり日常的に西洋薬を服用している場合、漢方との併用によって現れる相互作用に注意が必要です。

薬に含まれる成分によっては、その効果を必要以上に倍増させたり、作用が相殺されてしまう可能性があります。

すでに服用している薬がある場合には、医師または薬剤師へその旨を申告し適切な指導を受けるようにしましょう。

持病がある場合や妊娠中は特定の漢方がリスクになることも

持病がある方や妊娠中の方は、漢方を服用することで重大な健康被害をもたらしたり、胎児に影響を及ぼす危険性もあります。

たとえば、妊娠中は血流を促進する薬が流産のリスクを高めることがあるため、特別な配慮が必要です。

持病の治療中または妊娠中の方は、必ず医師や薬剤師へ相談したうえで漢方を処方してもらいましょう。

運龍堂は完全オーダーメイドの漢方を提案

漢方の効果を最大限まで発揮するためには、症状の原因や自分自身の体質を正確に把握することが重要です。

しかし、漢方の専門知識がない一般の方にとって、自分にどの漢方が最適であるかを判断することは難しいものです。

病院を受診し医師から漢方を処方してもらうのもひとつの手ではありますが、仕事が忙しく通院の時間を確保できないという方も多いでしょう。

そのような場合には、漢方専門薬局「運龍堂」へご相談ください。運龍堂では電話やLINE、メールによる無料のオンライン漢方相談を行っており、体の不調や悩みを専門家へ直接相談することができます。

丁寧なカウンセリングにより、その人に合ったオーダーメイドの漢方をご提案し、その場でオーダーいただくことも可能です。

「これまでさまざまな薬を試してきたものの、腰痛が改善しなかった」という方は、まずはお気軽に運龍堂のオンライン漢方相談をご利用ください。

まとめ

一口に腰痛といってもその原因は千差万別で、同じ症状でも治療の方法や有効な薬は異なります。

また、痛みの程度も異なり、たとえばぎっくり腰のような急性の腰痛は激しい痛みを感じることが多い一方で、慢性的な腰痛は痛みが引いたり強まったりといった症状も見られます。

腰痛の悩みを解決するためには正確な原因を特定することが重要であり、間違った認識のまま治療を続けていると改善が見込めないばかりか重症化を招くおそれもあります。

漢方の中には腰痛に効く薬が数多くありますが、自分の判断ではなく医師や薬剤師に相談したうえで適切な処方を受けることが大切です。

運龍堂ではオンライン漢方相談にも対応しており、忙しい方でも気軽にご利用いただけます。自分自身にマッチしたオーダーメイドの漢方を手軽に入手したいという方は、ぜひ運龍堂へご相談ください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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