甘いものや脂っこいもの、お酒などが好きな方にとって、お腹周りに溜まる皮下脂肪は気になるものです。

また、食生活が偏ることで便秘に悩むケースも多いでしょう。そのような方におすすめなのが「防風通聖散」という漢方薬です。

肥満に効く漢方薬としてドラッグストアなどでも販売されていますが、飲み続けることでリスクや危険はないのでしょうか。

本記事では、防風通聖散の効果や副作用のリスク、合わない人の特徴なども詳しくご紹介します。

防風通聖散とは？

防風通聖散（ボウフウツウショウサン）とは、腹部などの皮下脂肪が多い方や、肥満による便秘などの症状に効果が見込まれる漢方薬です。

甘いものや脂っこいもの、お酒などを日常的に摂取しても太りにくい人もいれば、食べる量はそれほど多くないにもかかわらず、脂肪が溜まりやすい人もいます。

肥満は運動不足や食べ過ぎ、偏った食生活などが原因とされていますが、漢方の世界では個人の体質も大きな要因と考えられています。

防風通聖散は、肥満の原因となる太りやすい体質を改善し、老廃物を体外に排出することで代謝を活発にする働きが期待できます。

防風通聖散に含まれる主な生薬は以下の通りです。

1. 防風（ボウフウ）
2. 麻黄（マオウ）
3. 滑石（カッセキ）
4. 黄芩（オウゴン）
5. 甘草（カンゾウ）
6. 桔梗（キキョウ）
7. 白朮（ビャクジュツ）
8. 大黄（ダイオウ）
9. 芍薬（シャクヤク）
10. 川芎（センキュウ）
11. 当帰（トウキ）
12. 薄荷（ハッカ）
13. 生姜（ショウキョウ）
14. 連翹（レンギョウ）
15. 荊芥（ケイガイ）
16. 山梔子（サンシシ）
17. 芒硝（ボウショウ）
18. 石膏（セッコウ）

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防風通聖散の効果

防風通聖散を服用することで期待できる効果を、詳しく解説しましょう。

肥満の改善

肥満の大きな要因となり得るのが、過度な食欲に伴う暴飲暴食です。

通常の食事では、ある程度の量を摂取すると満腹中枢が刺激され、食欲は満たされます。

しかし、摂取した食べ物によっては胃腸の働きが活発化し、食欲がさらに増進されることがあります。

漢方の世界ではこのような状態を「胃熱」とよび、暴飲暴食を促す要因とされています。

防風通聖散に含まれる防風や麻黄、薄荷、生姜といった生薬の成分は体内に溜まった熱を発散させ、代謝を上げる効果が期待できます。

これにより皮下脂肪が燃焼しやすい体質となり、食生活の改善や適度な運動などを組み合わせることで、肥満の改善につながります。

便通の改善

胃熱の状態が続くと代謝が悪くなり、体内に溜まった熱が発散しにくくなります。

その結果、老廃物が体内に溜まり続け、慢性的な便秘に陥ることも少なくありません。

防風通聖散を服用することで代謝が活発になりますが、皮下脂肪の燃焼と同時に老廃物も体外に排出されやすくなるため、便通の改善効果も期待できます。

抗炎症作用

老廃物が体内に溜まり続けると慢性的な便秘に陥るだけでなく、吹き出物やニキビ、皮膚の炎症といった症状が現れることもあります。

特に甘いものや脂っこいものを摂取しすぎると、皮脂の分泌量が多い鼻やおでこ、頬などに吹き出物が現れやすくなる人も多いでしょう。

防風通聖散を服用することで老廃物が体外に排出されやすくなり、その結果炎症を抑える効果も期待できます。

防風通聖散はドラッグストアで購入できる？

漢方薬は調剤薬局だけでなく、一般的なドラッグストアでも手軽に入手できる製品が多くあります。

防風通聖散もそのひとつであり、大手ドラッグストアでは主に以下の市販品を取り扱っています。

• ツムラ防風通聖散
• クラシエ防風通聖散
• ロート防風通聖散

上記は大手メーカーの製品ということもあり信頼性が高く、多くのドラッグストアで取り扱いがあり入手しやすいでしょう。

ただし、ドラッグストアのチェーンやお店の規模などによっても取り扱い商品は異なる場合があるため、複数の店舗を回ってみるのもおすすめです。

ちなみに、漢方薬は市販の製品以外にも、調剤薬局で個別に処方してもらうことができます。

市販薬に比べて処方薬は成分の配合量が多く、健康保険も適用できるため安価に入手できます。

防風通聖散の副作用

漢方薬は西洋薬に比べて副作用のリスクが低く、比較的安全といわれることが多いですが、リスクがゼロというわけではありません。

防風通聖散の場合、考えられる副作用としては以下が挙げられます。

• 発熱
• 咳
• 息切れ
• 呼吸困難
• 尿量の減少
• 顔・手足のむくみ
• 手のこわばり
• 倦怠感・脱力感
• 手足のひきつり・しびれ
• 皮膚・白目が黄色くなる
• 腹痛
• 便秘・下痢
• 腹部の膨らみ

上記のような症状が現れた場合には、ただちに防風通聖散の服用を中止し、医師の診察を受けてください。

また、上記以外でも気になる症状が現れた場合には、医師または薬剤師に相談することが大切です。

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防風通聖散を飲み続けるとどうなる？

肥満に効果が見込めると聞くと、健康のために防風通聖散を長期間にわたって飲み続けたいと考える方もいるでしょう。

漢方薬は西洋薬のように即効性が期待できる薬ではないため、継続的に飲み続けたほうが良いのは事実です。

しかし、防風通聖散の場合は副作用が現れるリスクが高まることから、まずは1ヶ月程度を目安に服用することがおすすめです。

防風通聖散が合わない人の特徴

一定期間にわたって薬を飲み続けるとなると、自分の体質に合っているのか、あるいは体質そのものが変化しないか不安に感じることもあるでしょう。

防風通聖散をはじめとした漢方薬は、自然由来の生薬が配合されていることから、体質によって大きなリスクが生じるケースは少ないといえます。

しかし、防風通聖散を飲んだからといって急激に皮下脂肪が減ることはなく、偏った食生活や運動不足が続くと効果が得られないケースが多いです。

また、防風通聖散に含まれる大黄や甘草といった生薬には便通を改善する効果がありますが、もともと便通が良好な方にとってはお腹が緩くなる原因になることもあるようです。

さらに、生薬のひとつである薄荷は体内の熱を放出する効果がありますが、冷え性の方は症状を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。

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運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供

防風通聖散はドラッグストアで手軽に購入できますが、症状や体質に合わせた薬を処方してもらうためには、専門の薬剤師に相談してみることがおすすめです。

近隣に漢方薬局が見つからない、あるいは遠方にあって自宅から通うことが難しいという場合には、宮城県仙台市の漢方薬局「運龍堂」にご相談ください。

運龍堂では、PCやスマホからでも手軽に利用できる、オンライン漢方相談を提供しています。

インターネット環境さえあれば、オンライン上で薬剤師と対面で漢方に関する相談を無料で受けられます。

初回は60分、それ以降は30分程度の時間の中で、どういった不調に悩まされているのかを丁寧に薬剤師がヒアリングし、それに最適な漢方をご提案します。

もちろん、そのままオンラインで漢方薬をオーダーすることもできます。

「市販の漢方薬を購入し、しばらく試してみたものの思うような効果が得られなかった」

「近隣のドラッグストアで防風通聖散が販売されていない」

そんな場合には、ぜひ一度運龍堂へご相談ください。

まとめ

防風通聖散は皮下脂肪の多い方や慢性的な便秘に悩む方にとって有効な漢方薬であり、ダイエットの強い味方にもなります。

ただし、薬を飲んだからといって急激に脂肪が減るわけではなく、効果の現れ方も緩やかです。

食生活の見直しや、適度な運動なども取り入れていくことが大切です。

また、市販薬は処方薬に比べて成分量が限定的であるため、より高い効果を得たいと考える場合には、医師や薬剤師へ相談し薬を処方してもらうこともおすすめです。

防風通聖散は、自然由来の生薬で構成される漢方薬ということもあり、副作用などのリスクは低いです。

しかし、稀に発熱や咳、呼吸困難、倦怠感などの症状が現れることがあります。

このような重篤な症状が現れた場合には即座に服用を中止し、速やかに医師の診察を受けてください。