秋の養生③ 肺と大腸(腸内環境)と免疫力の話
普段から風邪をひきやすく、免疫力を高めたいと悩まれている方もいるかと思います。
漢方では免疫力を考える際に重要なポイントが2つあります。
それは「肺」と「大腸」です。
五臓の関係からもこの2つは表裏一体の関係として捉えられており、西洋医学的にも裏付けが増えてきています。
これは「肺」の働きとして外からやってくる病気から身を守る衛気(えき)という役割があるためです。
常に呼吸をして外気と接している肺は防衛線の最前線になります。その分、秋になって乾燥が強くなると肺の働きが弱くなり風邪やアレルギーを引き起こしやすくなります。
次に、肺と表裏一体の大腸も免疫力と深い関係があります。
近年では腸内環境、腸内フローラが話題にもなっており、免疫力強化のためには腸内環境の改善が大切であることは常識になってきています。
秋は乾燥から肺が弱り、免疫力が低下しやすい季節なので、肺を強化するためのサメの肝油(スクアレン)や潤いを補う亀板(きばん)などが活躍しますが、腸内環境を整えることも立派な秋の養生になります。
腸内環境を改善して肺の強化、免疫力の強化を目指しましょう。
腸内環境を改善する上では発酵食品がおすすめです。特に多種多様な腸内菌を育てて健康的な腸内環境をつくるためにはたくさんの種類の素材が腸内菌のエサとして必要です。
昔から偏らずバランスよく、いろんな種類をまんべんなく食べましょうと言われてきた食養生は単に栄養バランスだけではなく、腸内菌の観点からも理にかなっています。
そこでお勧めなのがたくさんの素材を多くの有用菌(腸内環境に良い善玉菌)で発酵熟成させた酵素ドリンクです。
昔から日本人の腸を支えてきた発酵食品はまさに免疫力の強化にうってつけですが、添加物の多さや食生活が乱れている現代人の腸内環境改善には酵素ドリンクのような発酵食品が必要です。
腸内環境が良いと食べものの栄養吸収も良くなるため、これから冬に向かってエネルギーを蓄えていくうえでもとても重要です。
ぜひ、免疫力強化のためにもこれからの季節は肺と腸を意識した養生を心がけてみてください。
この記事の監修薬剤師
運龍堂 佐藤貴繁
略歴
1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任