投稿日:2023.02.15/更新日:2024.08.30
桂枝加竜骨牡蛎湯は自律神経に効果がある?口コミや柴胡加竜骨牡蛎湯との違いを解説
ちょっとしたことでイライラしてしまい、家族や友人を傷つけてしまったり、ストレスが原因で寝付けないといった悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。
自分の気持ちを適切にコントロールすることも大切ですが、必ずしも精神論だけでは解決できない問題もあります。
そのようなときにおすすめなのが、漢方薬のひとつである「桂枝加竜骨牡蛎湯」です。
本記事では、桂枝加竜骨牡蛎湯の効能や副作用などを解説するとともに、ほかの漢方薬との違い、処方してもらうための方法なども紹介します。
「ツムラ漢方桂枝加竜骨牡蠣湯エキス顆粒」は、ストレスや疲れによる精神的な不安定さを改善する漢方薬です。
桂枝、芍薬、甘草、生姜、大棗に加え、竜骨と牡蠣が配合されており、心身を穏やかに整えます。
イライラや不眠、動悸などの症状に効果的で、心のバランスを取り戻し、リラックスした状態へ導きます。
自然由来の成分で日常のストレスに対抗する力をサポートします。
目次
桂枝加竜骨牡蛎湯の特徴・効果
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)は、桂枝湯に竜骨と牡蛎がブレンドされた漢方薬です。 竜骨とは哺乳動物の化石が主な主成分であるほか、牡蛎は海産物の「牡蠣」の殻が原料となっています。 これら動物性の生薬からカルシウムが豊富に配合されていることが大きな特徴であり、主に自律神経の不調からくるストレスや不眠、不安などに効果があるとされています。 医療の現場では、神経のバランスを整えて本来の調子を取り戻すために多く用いられます。 桂枝湯は主に風邪のひきはじめや体力の低下、神経衰弱などに用いられることが多いほか、竜骨は動悸や不眠、健忘の緩和に、牡蛎は精神不安や息苦しさ、動悸の緩和に用いられる生薬です。 これらが最適なバランスでブレンドされた桂枝加竜骨牡蛎湯を服用することで、自律神経のバランスが改善されていきます。漢方の専門用語でいえば、「気」および「血(けつ)」を補うことで、自律神経を正常に保つ働きが期待されるのです。関連記事:六君子湯は合わない人がいる?精神安定や自律神経への効果とは
桂枝加竜骨牡蛎湯の効果が出るまでどれくらい?
漢方薬のなかには服用してすぐに効果が現れる即効性の薬もあれば、時間をかけてゆっくりと効いていく薬もあります。 桂枝加竜骨牡蛎湯は即効性はあまりないとされ、効果が現れるまでに1カ月程度の時間を要します。ただし、これはあくまでも目安であり、その人の体質や症状によって効果が現れる期間は変わってきます。 また、大人と子どもを比較しても効果が現れる期間は異なり、小児の夜泣きの緩和を目的に服用するのであれば1週間程度を目安に考えておくと良いでしょう。 大人の場合は1カ月、子どもの場合は1週間程度の服用を続けても効果が現れない場合には、医師や薬剤師に相談してみることがおすすめです。桂枝加竜骨牡蛎湯はどんな人におすすめ?
桂枝加竜骨牡蛎湯は自然由来の生薬で構成されているため、大人はもちろんのこと、子どもも安心して服用できる漢方薬です。 主に以下のような症状で悩む方に適しているといえるでしょう。- ・神経質
- ・不眠症
- ・神経症
- ・ストレス・不安
- ・眼精疲労
- ・夜泣き
桂枝加竜骨牡蛎湯を飲んだ人の口コミや体験談
桂枝加竜骨牡蛎湯を実際に服用したことのある方の口コミや体験談をいくつか紹介します。“うつうつした気分によく効く漢方です。一番ありがたかったのは不眠気味だったのがよく眠れるようになったことでした。ストレスからくる動悸にも効果があるようで、飲んでしばらくしたら落ち着きました。気分が落ち込んだときのためのお守りみたいな感じで持ち歩いています。” “不安感が強かったため漢方を検討していました。薬剤師さんに聞いたところ不安感としてはそこそこで、特に不眠に効く漢方としてはおすすめということで、こちらを購入しました。私の場合は1回飲んだだけでだいぶ楽になったので、もう何回かリピート購入しています。”口コミや体験談を参考にしてみると、気分を落ち着かせて眠りにつきやすくする効果が高いようです。
関連記事:漢方薬がストレスやイライラを軽減・解消する理由とは?効果的な種類を解説
柴胡加竜骨牡蛎湯や柴胡桂枝乾姜湯との違い
桂枝加竜骨牡蛎湯と似た効能をもつ漢方薬に「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」などがあります。これらはどういった違いがあるのでしょうか。柴胡加竜骨牡蛎湯との違い
柴胡加竜骨牡蛎湯は、桂枝湯のかわりに柴胡とよばれる生薬がブレンドされた漢方薬です。主に不眠に悩む人に最適な漢方薬であり、気のめぐりを改善することでストレスや不安の緩和効果も期待できます。 神経質に悩む場合には桂枝加竜骨牡蛎湯が、疲労やストレスによる不眠、さらには夜泣きといった眠りに関する悩みに対しては柴胡加竜骨牡蛎湯がおすすめです。柴胡桂枝乾姜湯との違い
柴胡桂枝乾姜湯は、柴胡と黄芩、桂皮、牡蛎、乾姜などの生薬がブレンドされた漢方薬です。 桂枝加竜骨牡蛎湯と同様に神経症の緩和に処方されることが多いですが、特に体力が低下し衰弱が見られる場合には柴胡桂枝乾姜湯が適しています。 また、更年期障害や肋骨下部の圧迫感・痛み・不快感などにも効果が見込める場合があります。関連記事:柴胡加竜骨牡蛎湯は危険?効果や副作用、使用時の注意点を解説
桂枝加竜骨牡蛎湯に副作用はある?
桂枝加竜骨牡蛎湯は自然由来の生薬をベースに作られているため、副作用のリスクは低いといえるでしょう。 以下に該当する人は特に副作用のリスクが高いため、事前に医師や薬剤師へ相談しておきましょう。- ①何らかの病気の治療を受けている人
- ②妊婦または妊娠の可能性がある人
- ③高齢者
- ④今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人
- ⑤身体の一部にむくみがある人
- ⑥高血圧・心臓病・腎臓病の既往歴がある人
皮膚の異常
体質によっては皮膚のかゆみや発疹、発赤が現れる場合があるため、これらの症状が見られる場合には使用を中止し医師の診察を受けましょう。痺れや脱力感
また、稀に手足の痺れや脱力感、筋肉痛などの症状が現れるケースもあります。これらの副作用は、皮膚に現れる症状よりも重篤な状態に陥るリスクが高いことから、直ちに医師の診察を受ける必要があります。関連記事:忘憂歓の効果や飲むタイミングとは?副作用や値段についても解説
桂枝加竜骨牡蛎湯は長期服用しても大丈夫?
桂枝加竜骨牡蛎湯は1カ月以上の服用を継続することで徐々に効果が現れてくる漢方薬です。しかし、1年や2年といった長期間にわたる服用をする場合には医師や薬剤師へ相談し、健康への影響がないかを確認しておきましょう。 長期服用による影響としては、桂枝加竜骨牡蛎湯に含まれる甘草とよばれる生薬の大量服用によって「偽アルドステロン症」を発症し、稀に浮腫や血圧の上昇リスクが高まります。 また、これらの症状以外にも体重増加や身体の倦怠感、食欲不振、胃の不快感、吐き気などを伴うケースもあります。桂枝加竜骨牡蛎湯と禁忌の飲み合わせはある?
桂枝加竜骨牡蛎湯の服用にあたって、副作用と同時に押さえておきたいのが飲み合わせの問題です。 基本的に漢方薬は西洋薬のように飲み合わせについて神経質になる必要はありませんが、市販薬または処方されている薬を服用している場合には医師・薬剤師へあらかじめ申告しておきましょう。 また、すでに他の漢方薬を服用している場合、その中に「甘草」が含まれているかどうかもチェックしておく必要があります。 上記でも紹介した通り、甘草を大量に摂取しすぎてしまうと偽アルドステロン症を発症するリスクが高まります。【ツムラ】市販の桂枝加竜骨牡蛎湯
- 包装:20包(10日分)
- 希望小売価格:2,400円(本体価格)+消費税
桂枝加竜骨牡蛎湯を処方してもらう方法は?
桂枝加竜骨牡蛎湯は市販薬としても販売されており、薬局やネット通販サイトなどでも手軽に入手できます。しかし、市販薬と病院などで処方される漢方薬を比較すると、同じ成分でも配合量が異なります。 そのため、上質で高い効果の見込める桂枝加竜骨牡蛎湯を手に入れるためには、病院または漢方薬を専門に処方している薬局を訪れてみるのがおすすめです。病院で処方してもらう方法
大前提として、「どの病院へ行けば確実に桂枝加竜骨牡蛎湯を処方してもらえる」という方法はありません。どのような薬でも、医師が患者を診察したうえで、その症状や体質に合ったベストな薬を処方することが基本であるためです。 ただし、基本的に桂枝加竜骨牡蛎湯は心療内科や精神科といったメンタルヘルス分野の診療科で処方されるケースが多いことから、これらのクリニックを受診してみましょう。 心療内科や精神科と聞くと、西洋薬を処方されるイメージをもつ方も多いですが、実際には症状の程度に合わせて漢方薬が用いられることも少なくありません。 特に桂枝加竜骨牡蛎湯は、ストレスによる不眠や緊張しやすいといった悩みを抱える人に処方されるケースが典型的です。 最終的にどの薬を処方するのかは医師の判断に委ねられますが、診察の際に「桂枝加竜骨牡蛎湯を処方してほしい」といった旨の相談をすることで希望を聞いてくれる可能性があるでしょう。関連記事:半夏厚朴湯がすぐ効いた?飲み合わせの禁忌や副作用について解説
薬局で処方してもらう方法
病院だけでなく薬局で処方してもらう方法もあります。ただし、一般的な薬局では市販薬の購入を勧められるだけで、病院で処方してもらうような上質な漢方薬が手に入るとは限りません。 薬局選びで重要なのは、さまざまな生薬を取り揃え漢方薬に特化した処方を行っているお店を選ぶことです。このような薬局では生薬一つひとつの効能や効果を熟知した薬剤師が常駐しており、その人の症状や体質に合わせた漢方薬をブレンドし処方してくれます。 病院やクリニックとは異なり、基本的に保険適用ではなく自費扱いとなるためコストはかかりますが、上質な桂枝加竜骨牡蛎湯を手に入れるためにはもっとも手軽な方法といえるでしょう。運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供
上質な桂枝加竜骨牡蛎湯を手に入れるために、漢方薬に特化した薬局で処方してもらうのは有効な方法といえます。しかし、このような薬局は全国的に見ても少なく、近所で見つけられないという方も多いでしょう。 そこでおすすめしたいのが、運龍堂のオンライン漢方相談です。漢方の専門家である薬剤師がオンラインで相談に乗り、現在悩んでいる身体の症状や心の状態、体質なども詳しくヒアリングします。そのうえで、どのような漢方薬が適しているのか、生薬の配合量なども細かく提案させていただきます。 オンライン漢方相談は電話・LINE・Zoomのいずれかが選択でき、あらかじめ希望日時を予約しておけば無料で受けられます。なお、相談時間は初回60分間が無料となっており、2回目以降は30分程度となります。 もちろん、オンライン漢方相談でご提案した漢方薬はその場で注文もでき、送料は全国一律550円で発送可能です。 薬剤師の顔を見ながらコミュニケーションがとれるため、遠方にお住まいの方にとっても安心であるほか、何よりも上質な漢方薬をオーダーメイドで処方・提供してくれるのは、一般的な薬局にはない大きな強みといえるでしょう。 また、病院やクリニックを受診するための診察費や通院にかかる時間・手間も不要なため、日々の仕事に忙しい方にとってもおすすめです。まとめ
些細なことにイライラしたり、過度のストレスで眠れなくなったりして悩んでいる方も多いのではないでしょうか。また、人前に立つと緊張してしまい、普段の自分を表現できず仕事に支障をきたすというケースも少なくありません。 これらは自分の気持ちや考え方次第で解決できると考えがちですが、それが逆にプレッシャーになり、症状を悪化させるケースもあります。 このような心理的な不調を改善したい場合には、漢方薬のひとつである「桂枝加竜骨牡蛎湯」を服用してみるのもおすすめです。 数週間から1カ月程度にわたって服用することで、徐々に症状が緩和され本来の自分を取り戻せるかもしれません。 西洋薬と異なり極端な即効性はありませんが、副作用のリスクも低く安心して服用できる漢方薬です。 ただし、副作用や飲み合わせによるリスクが全くゼロというわけではないため、服用前には医師や薬剤師へ相談してみるとより安心です。この記事の監修薬剤師
運龍堂 佐藤貴繁
略歴
1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任