血管が詰まらないようにするためには
超高齢社会である日本において、心疾患(循環器疾患)は死因の第2位に、脳血管疾患は第4位となっています。加齢とともに血管が硬くなり、流れている血液状態も悪くな
ります。漢方では「病気の8割は血流から」、というほど血液循環を重要視しています。血流障害によって脳に異常が生じれば死に至らずとも寝たきりや手足の麻痺状態、言語障害なども起こる可能性があります。
<血栓症が大きな原因になる>
心疾患、脳血管疾患の多くには血栓形成が関わっています。血管の内側が血栓で詰まり、血液が流れなくなります。血液がいきわたらなくなると細胞、組織、臓器の壊死が生じ、様々な疾患を引き起こします。
<血栓ができる理由>
・中性脂肪の増加
・ストレス
・過度の飲酒、肝炎や肝硬変などの肝機能低下
・タバコ
・運動不足
・同じ姿勢を長時間続ける(エコノミー症候群)
<血栓形成のメカニズム>
血栓ができる上で重要なのが血小板とフィブリンです。まず血小板が集まり塊になり、そこへフィブリンという網状のタンパク質が合わさり強固な血栓になります。
<血液循環を改善する自然素材>
①エイセニア・フェティダ(EF)
エイセニア・フェティダというミミズが強力な血流改善作用を持っています。科学的に報告されているデータによるとEF精製末がフィブリン溶解試験において納豆キナーゼと同等の溶解作用があります。また、EF精製末はプラスミノーゲンからプラスミンへと活性化するプラスミノーゲンアクチベータ(PA)活性を有しています。プラスミンはフィブリンを分解する酵素です。これらのことから、EF精製末はフィブリンを直接分解するほか、フィブリン分解酵素のプラスミンを増やす働きもあるため、強力な血栓溶解作用があるといえます。ちなみに納豆キナーゼはフィブリンを分解しますが、PA活性はありません。
実際に、脳梗塞を発症して3週間経過した患者にEF精製末の投与によるデータも報告されています。血栓の材料となるフィブリノーゲンの減少、フィブリンがプラスミンによって分解された際にできる生成物の増加、組織プラスミノーゲン(t-PA)の上昇(血管内皮におけるプラスミノーゲンの合成促進)、t-PAの活性を抑えるインヒビターの減少(t-PAの活性保持)、88%の患者において神経機能の回復が見られました。
以上のことから血栓形成による血管疾患の予防だけにとどまらず、脳梗塞などの後遺症に対してもEF精製末が役立つことが考えられます。血栓形成の原因にある条件が多く該当する方ほど血管疾患には気を付ける必要があります。その際にはぜひEF精製末を取り入れてみてください。
血管、血流に良い働きが知られている他の自然素材に関しても今後のブログで紹介していきます。
この記事の監修薬剤師
運龍堂 佐藤貴繁
略歴
1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任