2020/06/10

薬膳について③

【薬膳とは】
東洋医学の考え方をもとに、体質に合わせて食材の性質を考慮し、気(熱)・血(けつ)・水(すい)の巡りやバランスを整えること。


これを食事に応用したものが薬膳料理になります。


医食同源という言葉がありますが、これは「病気を治す薬と食べ物は、根源は同じである」という中国の薬食同源思想の着想から日本で造語されたものです。


日頃の食事から身体のバランスを整えることで病気を予防する考え方が薬膳では重要視されています。

身体の整え方の発想は「漢方」と一緒になります。


国策としても医療費の削減、「食の延長上で健康を担保すること」が重要視されています。

では、気血水とはどのようなことを指すのか、そこから理解してみましょう。


【気血水とは】

気=体を構成する物質、体を動かすエネルギー、熱エネルギー。

血=ほぼ血液と同じですが、血液の働きを含めて「血」といい、汚れたものは血毒として除く必要があります。

水=体液全般、体に必要な液体のうち赤くないもの、余計なものは水毒として除く必要があります。


日本は海に囲まれており、湿邪が入り込みやすく、水が気血に並んで同格の扱いを受けます。


中国の内陸のように乾燥している地域では気血の巡りを重要視し、日本の気血水の巡りを重要視した処方とは内容も違ってきます。


養生では、季節に合わせた対策、感情のコントロール、生活習慣に気をつけて普段から気(熱)・血・水の流れを確認することが大切です。


【薬膳で使用できる食材】
薬膳料理では普段の食材に加えて薬膳素材を使うことで先ほど出てきた気血水を整えるチカラが普段の食事よりも増します。


そこで、薬膳の勉強をすると漢方処方ででてくる生薬を食品として使いたいという人も当然いらっしゃいます。


しかし、ここで注意が必要になってきます。


なぜなら、日本において食品として使える素材と医薬品でしか流通していない素材があるからです。


どういうことかというと、「専ら医薬品」は食品として使用できない!ということになります。


「専ら」ですから、医薬品としてしか使ってはいけないと法律で定められています。


例えば、黄耆(おうぎ)の根、当帰(とうき)の根、芍薬(しゃくやく)の根、茯苓(ぶくりょう)などは、「専ら医薬品として使用されるもの」です。


これらを使用した食べ物は医薬品に該当することから、医薬品医療機器等法上、食品としての製造・販売を行うことが認められていません。


「専ら医薬品」以外、かつ食品登録されているものが薬膳の素材として使用できます。


皆様が良く知っている朝鮮人参(=高麗人参、お種人参)、枸杞子(くこし、=枸杞の実)、なつめなどは漢方の生薬(しょうやく)としても使われますが、食品でも扱うことが可能です。


生薬とは薬を生むものなので医薬品です。食品は薬膳素材などと呼んでいます。


薬膳料理の本によっては医薬品でしか使えない素材を具材としてレシピ紹介しているものもありますが、著者が中国の先生だったりするので注意しましょう。


中国では料理に使われていても、日本では料理に使えない場合があるというわけです。


今日は薬膳料理に使用できる食材について解説しました。

薬膳とは

薬膳とは

東洋医学の考え方をもとに、体質に合わせて食材の性質を考慮し、気(熱)・血(けつ)・水(すい)の巡りやバランスを整えること。

これを食事に応用したものが薬膳料理になります。

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投稿日:2020.06.10/更新日:2020.06.10

薬膳について③

【薬膳とは】
東洋医学の考え方をもとに、体質に合わせて食材の性質を考慮し、気(熱)・血(けつ)・水(すい)の巡りやバランスを整えること。


これを食事に応用したものが薬膳料理になります。


医食同源という言葉がありますが、これは「病気を治す薬と食べ物は、根源は同じである」という中国の薬食同源思想の着想から日本で造語されたものです。


日頃の食事から身体のバランスを整えることで病気を予防する考え方が薬膳では重要視されています。

身体の整え方の発想は「漢方」と一緒になります。


国策としても医療費の削減、「食の延長上で健康を担保すること」が重要視されています。

では、気血水とはどのようなことを指すのか、そこから理解してみましょう。


【気血水とは】

気=体を構成する物質、体を動かすエネルギー、熱エネルギー。

血=ほぼ血液と同じですが、血液の働きを含めて「血」といい、汚れたものは血毒として除く必要があります。

水=体液全般、体に必要な液体のうち赤くないもの、余計なものは水毒として除く必要があります。


日本は海に囲まれており、湿邪が入り込みやすく、水が気血に並んで同格の扱いを受けます。


中国の内陸のように乾燥している地域では気血の巡りを重要視し、日本の気血水の巡りを重要視した処方とは内容も違ってきます。


養生では、季節に合わせた対策、感情のコントロール、生活習慣に気をつけて普段から気(熱)・血・水の流れを確認することが大切です。


【薬膳で使用できる食材】
薬膳料理では普段の食材に加えて薬膳素材を使うことで先ほど出てきた気血水を整えるチカラが普段の食事よりも増します。


そこで、薬膳の勉強をすると漢方処方ででてくる生薬を食品として使いたいという人も当然いらっしゃいます。


しかし、ここで注意が必要になってきます。


なぜなら、日本において食品として使える素材と医薬品でしか流通していない素材があるからです。


どういうことかというと、「専ら医薬品」は食品として使用できない!ということになります。


「専ら」ですから、医薬品としてしか使ってはいけないと法律で定められています。


例えば、黄耆(おうぎ)の根、当帰(とうき)の根、芍薬(しゃくやく)の根、茯苓(ぶくりょう)などは、「専ら医薬品として使用されるもの」です。


これらを使用した食べ物は医薬品に該当することから、医薬品医療機器等法上、食品としての製造・販売を行うことが認められていません。


「専ら医薬品」以外、かつ食品登録されているものが薬膳の素材として使用できます。


皆様が良く知っている朝鮮人参(=高麗人参、お種人参)、枸杞子(くこし、=枸杞の実)、なつめなどは漢方の生薬(しょうやく)としても使われますが、食品でも扱うことが可能です。


生薬とは薬を生むものなので医薬品です。食品は薬膳素材などと呼んでいます。


薬膳料理の本によっては医薬品でしか使えない素材を具材としてレシピ紹介しているものもありますが、著者が中国の先生だったりするので注意しましょう。


中国では料理に使われていても、日本では料理に使えない場合があるというわけです。


今日は薬膳料理に使用できる食材について解説しました。

薬膳とは

薬膳とは

東洋医学の考え方をもとに、体質に合わせて食材の性質を考慮し、気(熱)・血(けつ)・水(すい)の巡りやバランスを整えること。

これを食事に応用したものが薬膳料理になります。

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