


放置厳禁!【舌の淵に凸凹(でこぼこ)】漢方での治し方、養生法

今回は舌の淵にできた凸凹(でこぼこ)を治す方法についてお話します。
今これを読んでいるあなたも舌の淵に凸凹ができていると思いますが、絶対に放置してはいけません。
漢方では舌診(ぜっしん)という診断方法があります。
舌は身体の五臓六腑の状態を反映しており、舌の形、色、苔、質、動きの状態によって診察材料にします。
実際には舌診は参考程度にし、問診などのほかの要素と複合して体調を判断します。
今回はその中でも舌の凸凹について原因と改善方法を解説します。
日本は梅雨があったり、夏も非常に蒸し暑い気候にあります。
そのため、身体の水分代謝が悪い体質の方や不摂生によって、身体に余計な水分が溜まってしまったり、水分の偏りが生じてしまい、体調を崩す場合があります。
漢方ではこれを水毒(すいどく)と言います。
そして、水毒の症状の1つに舌の凸凹が現れる場合があります。
ではなぜ、舌に凸凹ができてしまうのでしょうか?
原因としては大きく4つあります。
余計な水分がたまっている状態、脾気虚(ひききょ)、脾陽虚(ひようきょ)、腎陽虚(じんようきょ)です。
これをそれぞれ解説していきます。
【余計な水分が溜まっている状態】
まずは余計な水分が溜まっている状態についてです。
私たちの身体は成人で約60%が水でできています。
この水分がきちんと巡っているのか、滞っているのか、それによって体調に大きく影響します。
余計な水分がたまりやすい人は胃腸が弱っていたり、身体が冷えている場合が多いです。
私たちの身体の水分を動かしているのは気血水でいうところの「気」です。
もっとわかりやすい表現でいうと気=生命活動の動力源です。
気が不足していると、水分を巡らせられなくなったり、身体を温めることもできなくなりますので水分が停滞しやすくなります。
気が不足していると余計な水分が溜まり、舌がむくんで歯形がついて凸凹になります。
身体に余計な水分が溜まっていると、それが身体のほかの不純物と合わさり、「痰湿(たんしつ)」になります。
水毒の人は消化管に水が溜まり、下痢になる場合もありますが、痰湿によって大便がベタベタして粘性が強くなったりする場合もあります。
また、水は重たい・下に下がってくる性質がありますので頭や身体がだるい、下半身がむくみやすい、などの症状が出る場合もあります。
痰湿がたまる原因として、生活面では乳製品やクリーム系のケーキや菓子パン、揚げ物といった濃いものをとっている、ずっと座っている・ずっと寝ているなどの運動不足などがあります。
舌の淵に凸凹があって、上記のような生活に心当たりのある方はこれらの食生活を減らしたり、運動時間を増やすなど、少しずつでも改善するようにしていきましょう。
積極的に改善していきたい場合におすすめなのが先ほどの原因となっている食べ物は避けつつ、余計な水分と老廃物を除くための食材としてハトムギを食べると良いです。
おやつ感覚で気軽に食べられる「そのまま食べるはとむぎ」などもありますのでこちらからチェックしてみてください。
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生活養生としてはじんわり汗をかくように体内の湿を排出しましょう。
これらの工夫に加えて、しっかり治していきたいというあなたには漢方薬がおすすめです。
ほかの原因も解説した後に、まとめて漢方薬の紹介をしていきます。
【脾気虚】
次に原因としては脾気虚(ひききょ)があります。
冒頭でお話した胃腸が弱っている状態です。
脾とは消化吸収、胃腸の働きです。
先ほど水分を動かすのも「気」の働きとお伝えしましたが、脾気虚とは胃腸の働きをきちんと行う「気」が不足している状態です。
代表的な症状としては食欲不振、空腹感や味覚の低下、食後の眠気や腹部の張り、下痢や便秘といった便通障害、疲労感、手足の重だるさ、声を出すのがおっくう、体重や筋肉量の減少などが挙げられます。
脾気虚の状態では、食べ物からのエネルギーをうまく作れませんので、さらに身体の気が不足してしまい、悪循環になってしまいます。
胃腸をいたわることが舌の淵の凸凹を治すためにはとても重要です。
ではなぜ、胃腸が弱ってしまうのか?
少し考えてみてください。
何か心あたりはありますか?
原因としては過労、夜更かし、睡眠障害、睡眠不足、大病の病み上がり、手術後や出産後、飲食の不摂生などがあります。
飲食の不摂生とは
冷たいモノ・生もの・加工食品・外食をよく食べている、食事のタイミングが決まっていない、食べたり食べなかったりしている、暴飲暴食、夜寝る前に食べている、などがあります。
日本は海に囲まれて湿度の影響を受けやすい上に、生ものが好きな食文化にありますので胃腸が弱りやすい生活をしています。
これらの原因で当てはまるモノがありましたら気をつけましょう。
このように胃腸に負担をかける生活を続けてしまうと、胃腸が疲れてしまって、身体の動力源である「気」をうまく作れない身体になってしまいます。
これが脾気虚の状態です。
当てはまっている場合は、少しずつでもかまわないので生活を見直してください。
先ほどあげたこれらの食生活を減らしてください。
そして、できるだけ温かくて消化によいモノ、胃腸に負担の少ないものを食べるようにしてください。
食べるものも大切ですが、食べ方も非常に大切です。
しっかり良く噛んでゆっくり食べるようにしてください。
健康のために玄米を食べている方もいると思いますが、脾気虚、つまり胃腸が弱っている時には玄米は食べないでください。
玄米よりも白米の方が消化吸収しやすいので、白米を食べるようにしましょう。
胃腸に良い薬膳素材としては棗、みかんの皮(別名:陳皮)、高麗人参(別名:朝鮮人参)がおすすめです。
<棗>
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青龍棗
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黒龍棗
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手毬棗
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【脾陽虚】
次は脾陽虚です。
脾陽虚は簡単にいうと脾気虚が悪化したタイプです。
脾気虚以外に手足が冷たい、顔色血色がなく白っぽい、温かいもの好む、むくみやすい、下痢が多い、おりものが多い、などがあります。
胃腸が弱っているにも関わらず、身体を冷やす食べ物を食べてしまったり身体を冷やす薬などを飲んでしまったことで起ります。
基本的に改善方法は脾気虚と同じです。
身体が冷えている状態ですので、運動だけでなく、毎日入浴し、身体を温めて血液循環をよくしながら一汗かくことも大切です。
長く悩んでいた症状ほど治るのにも時間がかかる傾向にありますので早めに改善して欲しいと思います。
また、陽虚にまで進行している場合、漢方薬などの力を借りないと治すまでにさらに時間がかかってしまうので、ぜひ一度ご相談いただきたいと思います。
その際、漢方薬をドラッグストアなどで自分で選ぼうとしてもかなり難しいのでまずは漢方専門薬局までご相談ください。漢方専門薬局では扱っている漢方薬の品質も非常に高いです。
【腎陽虚】
次は腎陽虚です。
このタイプは舌の淵に凸凹があるだけでなく、舌が大きく腫れぼったくなっている状態になります。
ほかには手足が冷たい、頻尿、寒がり、足腰がだるい、ED(勃起障害)などがあります。
腎の領域、腰回りの不調も伴います。
原因としては慢性的な冷え、過剰な房事(ぼうじ)、過労、夜更かし、などがあります。
まずは夜更かしを治すことから始めましょう。
過労にならないよう休息も大切です。
女性であれば7の倍数で28歳、男性であれば8の倍数で32歳、このあたりを境に身体の衰えを感じ始める方が多いです。
これらの不摂生を続けてしまうと腎の力が低下、すなわち老化が早く進行してしまいます。
これまでの原因と同様に冷飲食や生ものは控えた方が良いです。
おすすめの食材は、黒豆、黒ごま、海藻などの黒い色の食材、お肉の中でも特に身体を温めてくれる羊肉(ようにく)、とうもろこし、くり、生姜、シナモンなどです。
おすすめの薬膳素材は腎を補ってくれる枸杞の実です。
<枸杞の実>
https://item.rakuten.co.jp/unryudo/kukonomi/
以上が、4つのタイプと原因、改善方法でした。
ここからは実際に薬局の相談で用いている漢方処方について解説します。
まずは全身に溜まった余計な水分を除いてくれる五苓散(ごれいさん)です。
5つの生薬で構成され、4つの生薬は余計な水を血管に戻して尿として排泄します。
残り1つが桂皮という生薬で、シナモンです。桂皮は身体を温めて体表からの水分の発散を促してくれます。
舌の凸凹だけにとどまらず、梅雨の季節やどうしても水分を取り過ぎてしまう夏の終わりにはぜひ使って欲しい処方です。
次に、六君子湯(りっくんしとう)という処方です。
この処方は食欲低下によく用いるものですが、胃腸に溜まった余計な水を除いてくれるため、舌に歯形がついていて胃腸が弱っている方はぜひ試してみてください。
腎臓の働きまで低下している腎陽虚の方は腎陽を補う鹿の角が入った処方がおすすめです。
おすすめのサプリも概要欄に乗せておきますのでぜひ参考にしてみてください。
<鹿の角のサプリ>
https://item.rakuten.co.jp/unryudo/ryusen/
いかがだったでしょうか?
いきなり舌の凸凹をきれいに治すことが難しくても、できるだけ凸凹を小さくしたり、改善していく努力は必要です。
先ほどもお伝えしましたが、悩んでいる時間が長ければ長いほど、治すまでに必要な時間も長くなってしまいます。
また、日本では梅雨があるので、湿度の高い季節は特にひどくなってしまったり、暑い夏にはどうしても水分摂取量が増えたり、冷飲食に偏りがちなので気をつけましょう。
一人で抱えず、放置せず、ぜひ改善するためにこの動画を活用してください。
今回のまとめに入りますが、その前に少しだけ運龍堂について紹介いたします。
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それでは今回のまとめです。
身体の水分代謝が悪い体質の方や不摂生によって、身体に余計な水分が溜まってしまったり、水分の偏りが生じてしまい、体調を崩す場合があります。
漢方ではこれを水毒(すいどく)と言います。
そして、水毒の症状の1つに舌の凸凹が現れる場合があります。
なぜ舌に凸凹ができてしまうのでしょうか?
それには4つ原因がありました。
余計な水分がたまっている状態、脾気虚、脾陽虚、腎陽虚の4つです。
余計な水分がたまっている状態では身体の老廃物を合わさり、痰湿を生じてしまう場合があります。
余計な水分と老廃物を排出するのにおすすめとしてハトムギがありました。
脾気虚は胃腸が弱っている状態のことで、まずは飲食の不摂生を改善することが大切です。
胃腸に良い薬膳素材としては棗、みかんの皮(別名:陳皮)、高麗人参(別名:朝鮮人参)がおすすめです。
脾陽虚は簡単にいうと脾気虚が悪化したタイプで、基本的には身体が冷えています。
運動だけでなく、毎日入浴し、身体を温めて血液循環をよくしながら一汗かくことも大切です。
腎陽虚は舌の淵に凸凹があるだけでなく、舌が大きく腫れぼったくなっている状態になります。
ほかには手足が冷たい、頻尿、寒がり、足腰がだるい、ED(勃起障害)などがあります。
養生としてまずは夜更かしを治すことから始めましょう。
おすすめの薬膳素材は腎を補ってくれる枸杞の実です。
実際に薬局の相談で用いている漢方処方としては次のようなものがあります。
全身に溜まった余計な水分を除いてくれる五苓散(ごれいさん)、
胃腸に溜まった余計な水を除きながら胃腸強化に用いる六君子湯(りっくんしとう)、
腎臓の働きまで低下している腎陽虚の方は腎陽を補う鹿の角が入った処方がおすすめです。
以上、「舌の淵にできた凸凹(でこぼこ)を治す方法」についてのお話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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