深海ざめの肝油 スクアレンの神秘vol.2

深海ざめの肝油 スクアレンの神秘vol.2

前回の続きについてご紹介していきます。「解毒作用」は字のごとく有害物質の排泄(デトックス)です。鮫玉は「肝」に良いとされておりお酒をたくさん飲む方や健康診断で肝機能が悪くなってしまった方などにもおすすめです。「血中酸素量増大作用」は全身への酸素供給をサポートしてくれます。鮫玉は「肺」に良いとされておりスポーツをされる方から喘息などの呼吸器トラブルのある方におすすめです。「鎮痛作用」は発痛物質の作用を抑えることと酸素供給を高めることから得られると考えられています。漢方では必要なものが足りないことで痛むという考えがあります。「浸透作用」は細胞との親和性であり、身体の中へ入っていきやすいことを意味します。他のお薬と併用することで相乗効果が得られたり、皮膚からの浸透も優れているため皮膚トラブルには塗布することもあります(アトピーなどの皮膚炎、薬が奥まで届きにくい水虫など)。鮫玉は「肺」に良いといいましたが、漢方では「肺」の領域は皮膚も含んでいます。治療だけでなく、美容目的で使用することもあります。「殺菌作用」は細菌の発育を止める働きです。スクアレンはもともと体内に存在すると説明しましたが、皮脂腺などから分泌もされており、皮膚からの病原菌の侵入や増加を防いでいます。「血行促進作用」は血液循環を促すことで様々な病態の改善をはかります。漢方では「病気の8割は血流から」と言われており、健康を保つためには血行促進はとても大切な働きです。「放射線障害防護作用」は放射線治療による副作用の軽減および腫瘍減少作用の増加が論文でも報告されています。「皮膚防護作用」は皮膚の潤いとハリを保ってくれる働きです。「利尿作用」は体内の水分調節で、余計な水分を排出させ、むくみの軽減などに役立ちます。

<スクアレンの歴史>

これだけの作用が知られているスクアレンですが、今もなお研究は続けられています。スクアレンが最初に発見されたのは1906年です。国立工業試験場の油脂科学者である辻本満丸博士が発見者です。なぜスクアレンという名前かというと抽出したサメの種類がスクアルス科というサメだったことに由来しています。スクアレンの構造式が突き止められたのは1931年です。スイス・チューリッヒ大学のノーベル賞学者のカーラー教授が見出しました。スクアレンはとても身体に良いのですが、酸化されやすい性質から保存や取り扱いが難しいという欠点があります。辻本博士は空気に触れても酸化しにくいスクアランを発見し、今日までにそれぞれの特徴を生かした多様な製品が作られてきました。歴史的にも有名なのがゼロ戦の潤滑油に使用されていたのがスクアランです。通常の潤滑油ではマイナス30℃以下になると凍結して使えないのに対し、スクアランはマイナス70℃になるまで凍らない特徴があるためです。今では高度2万メートルまで飛行するジャンボ機でもスクアランが使われています。




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