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投稿日:2025.06.25/更新日:2025.06.25

六君子湯(りっくんしとう)の効果が出るまでの期間は?効果を高める飲み方のポイントも解説

胃腸や自律神経に働きかける六君子湯を服用しても、「すぐに効果が出ない」と服用を途中でやめてしまう方は少なくありません。

そこで、本記事では六君子湯を服用したらどれくらいの期間で効果が出るのか、その効果はどのようなものなのかを漢方専門の薬剤師が詳しく解説します。

あわせて、効果を高める服用の仕方もご紹介するので、身体の不調を改善するための六君子湯を服用しようとされている方はぜひ参考にしてください。

六君子湯を飲んで期待できる効果

六君子湯は、以下の8つの生薬が含まれています。

【含まれる生薬】

白朮(びゃくじゅつ)人参(にんじん)半夏(はんげ)茯苓(ぶくりょう)
大棗(たいそう)陳皮(ちんぴ)甘草(かんぞう)生姜(しょうきょう)

これらの生薬が持つ特徴を活かし、身体のさまざまな不調の改善効果が期待できます。

胃腸機能の改善

六君子湯に含まれている生薬のうち、人参・白朮・茯苓・甘草は漢方で「脾胃(ひい)」と呼ばれる消化機能を高める働きがあります。

なかでも、特に人参は胃腸の「気」を補い、消化機能の促進効果が期待できる生薬です。

そのため、六君子湯は食欲不振や胃もたれ、消化不良といった症状の改善効果が期待できます。

吐き気や嘔吐

人参・白朮・茯苓・甘草によって胃腸の働きを改善しつつ、陳皮と半夏の効果で吐き気や嘔吐を緩和することも可能です。

陳皮は消化を助け、胃の張りや吐き気を和らげる効果があります。また、半夏は体内の水分量を調整して吐き気や嘔吐を抑えます。

六君子湯は、これらの生薬の相乗効果で胃腸に関する不調を緩和する効果が期待できます。

自律神経の乱れ

自律神経は、胃腸の働きと密接な関係にあります。

ストレスや疲労、生活の乱れなどが原因で自律神経が乱れると、胃腸機能の低下につながります。

六君子湯自体が自律神経に作用するわけではありませんが、胃腸機能の働きを改善することで精神的な負担が減り、間接的に自律神経の乱れを改善します。

ただし、六君子湯はあくまでも胃腸機能の不調を伴った自律神経の乱れに作用するだけのため、あらゆる原因による自律神経の乱れに効果が期待できるわけではありません。

痩せ方体質や倦怠感の改善

六君子湯によって胃腸機能の不調を改善することで消化を高め、食事による栄養素の取り込みがしやすくなります。

栄養をしっかり吸収することで必要なエネルギーを得られるため、疲労や倦怠感、だるさといった症状の改善につながります。

その結果として、痩せ型体質の改善や生活に必要な体力維持、向上が期待できます。

関連記事:六君子湯は自律神経・精神安定に効果あり!合わない人の特徴や副作用について解説

六君子湯の効果が出るまでの期間

西洋薬と比べ、六君子湯を含む漢方薬は症状や服用する方の体質などによって効果が出るまでに時間がかかる場合があります。

六君子湯の場合、個人差もありますが症状が比較的軽い方の場合は早ければ1週間程度で効果が出ることがあります。

しかし、「効果がなかなか現れないから」と長期間服用を続けると、副作用を招く可能性があります。

1ヶ月程度服用しても効果が現れない場合は服用を中止し、医師や漢方専門の薬剤師などへ相談しましょう。

関連記事:六君子湯を試してみた!実際の体験談と感じた効果

六君子湯の効果を高める飲み方

一般的に、六君子湯は食前、もしくは食間に服用するのがよいとされています

食前食事の30分程前に服用。
空腹時に服用することで吸収されやすい。
食間食事と食事の間に服用。
完全な空腹でなくても、胃の内容物が減っているため吸収されやすい。

また、六君子湯は胃腸の働きを助ける漢方薬なので、負担のかかる冷たい水は避け、常温またはぬるま湯で服用するようにしてください。

関連記事:漢方の味について|正しい飲み方や飲む時に注意するべき事もご紹介

六君子湯の効果が出るまで飲み続ける時の注意点

六君子湯は、個人差にもよりますが効果が出るまでに時間がかかります。

そこで、効果が出るまで服用を続ける際の注意点を解説します。

腹部を冷やさないようにする

六君子湯は、胃腸の不調を改善するための漢方薬です。

そのため、服用中に腹部を冷やしてしまうと期待した効果が得られないことがあります。

場合によっては症状が悪化し、六君子湯が効かなくなることもあるので、症状が改善されるまでは腹部を冷やさないように注意しましょう。

生活習慣に気をつける

せっかく六君子湯を服用しても、過度な飲酒や暴飲暴食をして胃腸に負担をかけてしまっては効果が期待できません。

胃腸が元気を取り戻すまでは生活習慣に気をつけて、胃腸に優しい食事を心がけましょう。

他の薬との併用に注意する

六君子湯を含め、漢方薬は自然由来の生薬によって作られています。しかし、生薬の中には副作用を引き起こすものもあるため、他のお薬との併用には注意が必要です。

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 甘草を含む漢方薬:
    六君子湯にも甘草が含まれており、過剰摂取によって偽アルドステロン症※1やミオパチー※2を引き起こすリスクがある。
  • グリルリチン酸を含む薬剤:
    甘草と同様に、偽アルドステロン症やミオパシーを引き起こすリスクがある。
  • 利尿薬(ループ・チアジド):
    偽アルドステロン症を引き起こし、低カリウム血症※3のリスクを高める可能性がある。

※1:アルドステロン過剰分泌時と同様の症状(高血圧、低カリウム血症、むくみなど)が現れる。

※2:筋肉の病気の総称。筋力低下や筋肉痛などを引き起こす

※3:体内のカリウムが低下し過ぎた場合、筋力低下や痙攣、麻疹が現れる。

関連記事:漢方の効き目とは?効果を引き出す正しい使い方と選び方を紹介

まとめ

胃腸の不快感が続いた場合、日々の生活にも影響が出てしまいます。
日常生活に支障が出ると自律神経が乱れ、さらに胃腸の働きが悪くなるといった負のループに陥る可能性があります。

このような症状が出た場合は、六君子湯を服用してみてはいかがでしょうか。

しかし、六君子湯の効果を実感するまでに時間がかかり、服用する方の体質や日頃服用されているお薬との併用によって副作用が現れる可能性があるため、服用前に医師や漢方薬専門の薬剤師に相談することが大切です。

胃腸に不快感を感じ、六君子湯の服用を検討されている方は、ぜひ漢方専門調剤薬局の運龍堂までご相談ください。

運龍堂では、遠方の方や身体の不調で外出しづらい方でもお気軽にご利用いただけるよう、オンラインによる無料相談も行っています。

胃腸の不快感を改善し、元気に日常生活を送りたいとお悩みの方は、ぜひお気軽に運龍堂までご相談ください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2025/06/25

六君子湯(りっくんしとう)の効果が出るまでの期間は?効果を高める飲み方のポイントも解説

胃腸や自律神経に働きかける六君子湯を服用しても、「すぐに効果が出ない」と服用を途中でやめてしまう方は少なくありません。

そこで、本記事では六君子湯を服用したらどれくらいの期間で効果が出るのか、その効果はどのようなものなのかを漢方専門の薬剤師が詳しく解説します。

あわせて、効果を高める服用の仕方もご紹介するので、身体の不調を改善するための六君子湯を服用しようとされている方はぜひ参考にしてください。

六君子湯を飲んで期待できる効果

六君子湯は、以下の8つの生薬が含まれています。

【含まれる生薬】

白朮(びゃくじゅつ)人参(にんじん)半夏(はんげ)茯苓(ぶくりょう)
大棗(たいそう)陳皮(ちんぴ)甘草(かんぞう)生姜(しょうきょう)

これらの生薬が持つ特徴を活かし、身体のさまざまな不調の改善効果が期待できます。

胃腸機能の改善

六君子湯に含まれている生薬のうち、人参・白朮・茯苓・甘草は漢方で「脾胃(ひい)」と呼ばれる消化機能を高める働きがあります。

なかでも、特に人参は胃腸の「気」を補い、消化機能の促進効果が期待できる生薬です。

そのため、六君子湯は食欲不振や胃もたれ、消化不良といった症状の改善効果が期待できます。

吐き気や嘔吐

人参・白朮・茯苓・甘草によって胃腸の働きを改善しつつ、陳皮と半夏の効果で吐き気や嘔吐を緩和することも可能です。

陳皮は消化を助け、胃の張りや吐き気を和らげる効果があります。また、半夏は体内の水分量を調整して吐き気や嘔吐を抑えます。

六君子湯は、これらの生薬の相乗効果で胃腸に関する不調を緩和する効果が期待できます。

自律神経の乱れ

自律神経は、胃腸の働きと密接な関係にあります。

ストレスや疲労、生活の乱れなどが原因で自律神経が乱れると、胃腸機能の低下につながります。

六君子湯自体が自律神経に作用するわけではありませんが、胃腸機能の働きを改善することで精神的な負担が減り、間接的に自律神経の乱れを改善します。

ただし、六君子湯はあくまでも胃腸機能の不調を伴った自律神経の乱れに作用するだけのため、あらゆる原因による自律神経の乱れに効果が期待できるわけではありません。

痩せ方体質や倦怠感の改善

六君子湯によって胃腸機能の不調を改善することで消化を高め、食事による栄養素の取り込みがしやすくなります。

栄養をしっかり吸収することで必要なエネルギーを得られるため、疲労や倦怠感、だるさといった症状の改善につながります。

その結果として、痩せ型体質の改善や生活に必要な体力維持、向上が期待できます。

関連記事:六君子湯は自律神経・精神安定に効果あり!合わない人の特徴や副作用について解説

六君子湯の効果が出るまでの期間

西洋薬と比べ、六君子湯を含む漢方薬は症状や服用する方の体質などによって効果が出るまでに時間がかかる場合があります。

六君子湯の場合、個人差もありますが症状が比較的軽い方の場合は早ければ1週間程度で効果が出ることがあります。

しかし、「効果がなかなか現れないから」と長期間服用を続けると、副作用を招く可能性があります。

1ヶ月程度服用しても効果が現れない場合は服用を中止し、医師や漢方専門の薬剤師などへ相談しましょう。

関連記事:六君子湯を試してみた!実際の体験談と感じた効果

六君子湯の効果を高める飲み方

一般的に、六君子湯は食前、もしくは食間に服用するのがよいとされています

食前食事の30分程前に服用。
空腹時に服用することで吸収されやすい。
食間食事と食事の間に服用。
完全な空腹でなくても、胃の内容物が減っているため吸収されやすい。

また、六君子湯は胃腸の働きを助ける漢方薬なので、負担のかかる冷たい水は避け、常温またはぬるま湯で服用するようにしてください。

関連記事:漢方の味について|正しい飲み方や飲む時に注意するべき事もご紹介

六君子湯の効果が出るまで飲み続ける時の注意点

六君子湯は、個人差にもよりますが効果が出るまでに時間がかかります。

そこで、効果が出るまで服用を続ける際の注意点を解説します。

腹部を冷やさないようにする

六君子湯は、胃腸の不調を改善するための漢方薬です。

そのため、服用中に腹部を冷やしてしまうと期待した効果が得られないことがあります。

場合によっては症状が悪化し、六君子湯が効かなくなることもあるので、症状が改善されるまでは腹部を冷やさないように注意しましょう。

生活習慣に気をつける

せっかく六君子湯を服用しても、過度な飲酒や暴飲暴食をして胃腸に負担をかけてしまっては効果が期待できません。

胃腸が元気を取り戻すまでは生活習慣に気をつけて、胃腸に優しい食事を心がけましょう。

他の薬との併用に注意する

六君子湯を含め、漢方薬は自然由来の生薬によって作られています。しかし、生薬の中には副作用を引き起こすものもあるため、他のお薬との併用には注意が必要です。

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

  • 甘草を含む漢方薬:
    六君子湯にも甘草が含まれており、過剰摂取によって偽アルドステロン症※1やミオパチー※2を引き起こすリスクがある。
  • グリルリチン酸を含む薬剤:
    甘草と同様に、偽アルドステロン症やミオパシーを引き起こすリスクがある。
  • 利尿薬(ループ・チアジド):
    偽アルドステロン症を引き起こし、低カリウム血症※3のリスクを高める可能性がある。

※1:アルドステロン過剰分泌時と同様の症状(高血圧、低カリウム血症、むくみなど)が現れる。

※2:筋肉の病気の総称。筋力低下や筋肉痛などを引き起こす

※3:体内のカリウムが低下し過ぎた場合、筋力低下や痙攣、麻疹が現れる。

関連記事:漢方の効き目とは?効果を引き出す正しい使い方と選び方を紹介

まとめ

胃腸の不快感が続いた場合、日々の生活にも影響が出てしまいます。
日常生活に支障が出ると自律神経が乱れ、さらに胃腸の働きが悪くなるといった負のループに陥る可能性があります。

このような症状が出た場合は、六君子湯を服用してみてはいかがでしょうか。

しかし、六君子湯の効果を実感するまでに時間がかかり、服用する方の体質や日頃服用されているお薬との併用によって副作用が現れる可能性があるため、服用前に医師や漢方薬専門の薬剤師に相談することが大切です。

胃腸に不快感を感じ、六君子湯の服用を検討されている方は、ぜひ漢方専門調剤薬局の運龍堂までご相談ください。

運龍堂では、遠方の方や身体の不調で外出しづらい方でもお気軽にご利用いただけるよう、オンラインによる無料相談も行っています。

胃腸の不快感を改善し、元気に日常生活を送りたいとお悩みの方は、ぜひお気軽に運龍堂までご相談ください。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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