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投稿日:2025.12.04/更新日:2025.12.04

咳止めにおすすめの漢方薬|五虎湯と麦門冬湯はどっちが効く?使い分け方を解説

風邪やアレルギー、気管支炎などで咳が止まらないとき、「五虎湯(ごことう)」や「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」が効果があると耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

どちらも咳止めに効果があるとされる漢方薬ですが、何が違い、どちらが自分に合うのか判断に迷ってしまう方は少なくありません。

そこで本記事では、五虎湯と麦門冬湯の違いや使い分け方の解説とあわせて、つらい咳に効果があるおすすめの漢方薬をご紹介します。

咳止めにおすすめの漢方薬

漢方医学では、咳の性質(乾いているか、痰が絡むか、激しいかなど)や患者さんの体力を総合的に判断し、適切な漢方薬を使い分けます。

はじめに、咳止めの効果が期待できるとされる代表的な漢方薬をご紹介します。

五虎湯(ごことう)

喘息のようなゼーゼーする咳や、呼吸が苦しいときに気管支の炎症を鎮めてくれる漢方薬です。

特に咳き込みが強く、息がしにくいといった症状に対して処方される漢方薬です。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

乾いた「コンコン」という咳が長引いて喉がカラカラに感じるときや、痰が少なくて出しづらい咳に有効な漢方薬で、傷んだ喉をうるおして呼吸を楽にしてくれる働きがあります。

小青竜湯(しょうせりゅうとう)

鼻や喉といった気管支の炎症や、透明〜白っぽい痰が絡む咳、冷気や寒さで悪化する咳には小青竜湯が処方されるケースが多いです。

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

麻杏甘石湯は、体力が中等度以上の方で、ゼーゼー・ヒューヒューする喘鳴や激しい咳がある場合に効果が期待でき、気管支炎や小児ぜんそく、風邪による咳に有効とされる漢方薬です。

柴朴湯(さいぼくとう)

気分がふさいで喉や胸に詰まり感・異物感がある方の咳には、柴朴湯という漢方薬がよく処方されます。

上記以外にも、喘息発作を和らげたいときに用いられるケースもあります。

桔梗湯(ききょうとう)

体力に関係なく使える漢方薬で、喉の腫れや痛みにともなって咳が出る人に向いており、喉の炎症を鎮めて咳や痛みを和らげる効果が期待できます。

神秘湯(しんぴとう)

体力が中等度以上の方で、痰が少なく息苦しさや胸のつかえ感を伴う咳や喘息に処方される漢方薬です。

気管支を広げて呼吸を楽にし、痰を出しやすくするといった効果が期待できます。

竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)

痰が絡んで切れにくい咳が長引いている方や、風邪後に慢性化した咳で体力が落ちてきている方に処方されることが多い漢方薬です。

特に、粘り気があり黄色〜緑色の痰を伴う咳に効果が期待できます。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

体力が中等度の方で、ストレスや不安から喉に何か詰まっているような異物感があったり、咳払いを繰り返したりしている方に処方される漢方薬です。

清肺湯(せいはいとう)

体力が中等度の方で、粘り気のある黄色っぽい痰を伴う咳が続く人に処方されます。

痰を切りやすくし、気管支の炎症を抑えることで咳を和らげる効果が期待できる漢方薬です。

五虎湯と麦門冬湯はどっちが咳止めに効くか

五虎湯と麦門冬湯はどちらも咳止め効果が期待できますが、対象とする咳の性質が大きく異なります。

そのため、「どちらが優れているか」ではなく、ご自身の咳の症状や体質に合っているかで判断することが大切です。

【症状別】五虎湯と麦門冬湯の使い分け方

五虎湯と麦門冬湯は、主に体力・咳の質・喉の状態という3つのポイントで使い分けをします。

五虎湯が向いている人の特徴・症状

五虎湯は、炎症が強く、熱がこもった状態の咳に有効とされています。

  • 体力がある方(中等度以上)
  • 熱を伴い、顔が赤くなるほど激しい咳が出る
  • ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音がある
  • 黄色い粘い痰が絡む

麦門冬湯が向いている人の特徴・症状

麦門冬湯は、体力が落ちていて喉が乾燥している状態の咳に効果が期待できます。

  • 体力の落ちた方(体力中等度以下)
  • 喉が乾燥する
  • 痰が出ない・空咳(からせき)が出る
  • 粘り気があり切れにくい痰で、咳が出る
  • 風邪が治りかけで咳が長引いている

五虎湯と麦門冬湯を併用しても大丈夫?

五虎湯と麦門冬湯の併用は、原則として推奨されません。

併用が禁忌とされているわけではありませんが、以下の理由から避けた方がよいとされています。

  • 適応する咳の症状や体質が異なる:
    五虎湯と麦門冬湯は有効な咳の症状がほぼ正反対なため、症状に対して十分な効果が得られない、または症状と合わず体調がつらく感じることがある
  • 生薬の重複:どちらにも甘草(かんぞう)という生薬が含まれているため、重複摂取するとむくみ、高血圧、低カリウム血症などの副作用(偽アルドステロン症)のリスクが高まるとされている

どちらが効果があるかわからず両方を試される患者様もいらっしゃいますが、上記のようなリスクがあるため自己判断での併用はせず、必ず医師や薬剤師へご相談ください。

運龍堂では、患者様一人ひとりの体質や症状を丁寧にヒアリングさせていただき、オーダーメイドの漢方薬を処方させていただいております。

長引く咳に悩み、少しでも症状を緩和したいとお考えの方は、ぜひお気軽に運龍堂へご相談ください。

五虎湯と麦門冬湯の副作用

漢方薬は副作用が少ないと思われがちですが、体質や服用量によっては副作用が生じる可能性があります。

共通する副作用

五虎湯・麦門冬湯に共通する副作用は、どちらも甘草という生薬によるものが多いです。

【主な副作用】

食欲不振 胃部不快感 吐き気 下痢・軟便
倦怠感 めまい 発疹・かゆみ

【重大な副作用】

  • 偽アルドステロン症:
    むくみ、血圧上昇、低カリウム血症、手足のだるさ・しびれ・つっぱり感
  • ミオパチー:
    脱力、手足のけいれん・しびれ
  • 間質性肺炎:
    息切れ、空せき、発熱
  • 肝機能障害:
    黄疸、だるさ、褐色尿、かゆみ

これらの症状が出た場合はすぐに服用を中止し、早急に医師へ相談してください。

五虎湯の副作用

五虎湯ならではの副作用として、眠気、そしてごくまれですが喉の不快感などが挙げられます。

麦門冬湯の副作用

麦門冬湯の副作用は、以下のとおりです。

不眠 発汗過多 興奮気味になる
動悸 頻脈 排尿障害

運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供

咳の症状や体質は患者様一人ひとり異なり、ご自身に合った漢方薬を選ぶことが大切ですが、自己判断で選ぶと効果が得られなかったり、思いもよらぬ副作用を引き起こす恐れがあります。

運龍堂では、患者様の症状・体質・生活習慣について詳しくお伺いし、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しております。

また、対面だけでなくオンライン相談にも対応しており、遠方の方や外出が困難な方でも気軽にご相談していただける体制をご用意しております。

つらい咳に悩み、症状を少しでも改善して快適に毎日を過ごしたいとお考えの方は、ぜひお気軽に運龍堂までご相談ください。

まとめ

咳止めに効果的な五虎湯と麦門冬湯は、それぞれ異なる症状や体質に適応するため、咳の性質を理解して使い分けることが大切ですが、ご自身で判断することは難しいです。

「自分の咳に合う漢方薬が欲しい」

「五虎湯と麦門冬湯が咳にいいって聞いたけど、どっちを選んだらいいかわからない」

このようなお悩みのある方は、ぜひ漢方薬専門の調剤薬局「運龍堂」までご相談ください。

咳の症状やお困りごとを丁寧にヒアリングさせていただき、患者様一人ひとりに合ったオーダーメイドの漢方薬を処方させていただきます。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2025/12/04

咳止めにおすすめの漢方薬|五虎湯と麦門冬湯はどっちが効く?使い分け方を解説

風邪やアレルギー、気管支炎などで咳が止まらないとき、「五虎湯(ごことう)」や「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」が効果があると耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

どちらも咳止めに効果があるとされる漢方薬ですが、何が違い、どちらが自分に合うのか判断に迷ってしまう方は少なくありません。

そこで本記事では、五虎湯と麦門冬湯の違いや使い分け方の解説とあわせて、つらい咳に効果があるおすすめの漢方薬をご紹介します。

咳止めにおすすめの漢方薬

漢方医学では、咳の性質(乾いているか、痰が絡むか、激しいかなど)や患者さんの体力を総合的に判断し、適切な漢方薬を使い分けます。

はじめに、咳止めの効果が期待できるとされる代表的な漢方薬をご紹介します。

五虎湯(ごことう)

喘息のようなゼーゼーする咳や、呼吸が苦しいときに気管支の炎症を鎮めてくれる漢方薬です。

特に咳き込みが強く、息がしにくいといった症状に対して処方される漢方薬です。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

乾いた「コンコン」という咳が長引いて喉がカラカラに感じるときや、痰が少なくて出しづらい咳に有効な漢方薬で、傷んだ喉をうるおして呼吸を楽にしてくれる働きがあります。

小青竜湯(しょうせりゅうとう)

鼻や喉といった気管支の炎症や、透明〜白っぽい痰が絡む咳、冷気や寒さで悪化する咳には小青竜湯が処方されるケースが多いです。

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

麻杏甘石湯は、体力が中等度以上の方で、ゼーゼー・ヒューヒューする喘鳴や激しい咳がある場合に効果が期待でき、気管支炎や小児ぜんそく、風邪による咳に有効とされる漢方薬です。

柴朴湯(さいぼくとう)

気分がふさいで喉や胸に詰まり感・異物感がある方の咳には、柴朴湯という漢方薬がよく処方されます。

上記以外にも、喘息発作を和らげたいときに用いられるケースもあります。

桔梗湯(ききょうとう)

体力に関係なく使える漢方薬で、喉の腫れや痛みにともなって咳が出る人に向いており、喉の炎症を鎮めて咳や痛みを和らげる効果が期待できます。

神秘湯(しんぴとう)

体力が中等度以上の方で、痰が少なく息苦しさや胸のつかえ感を伴う咳や喘息に処方される漢方薬です。

気管支を広げて呼吸を楽にし、痰を出しやすくするといった効果が期待できます。

竹筎温胆湯(ちくじょうんたんとう)

痰が絡んで切れにくい咳が長引いている方や、風邪後に慢性化した咳で体力が落ちてきている方に処方されることが多い漢方薬です。

特に、粘り気があり黄色〜緑色の痰を伴う咳に効果が期待できます。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

体力が中等度の方で、ストレスや不安から喉に何か詰まっているような異物感があったり、咳払いを繰り返したりしている方に処方される漢方薬です。

清肺湯(せいはいとう)

体力が中等度の方で、粘り気のある黄色っぽい痰を伴う咳が続く人に処方されます。

痰を切りやすくし、気管支の炎症を抑えることで咳を和らげる効果が期待できる漢方薬です。

五虎湯と麦門冬湯はどっちが咳止めに効くか

五虎湯と麦門冬湯はどちらも咳止め効果が期待できますが、対象とする咳の性質が大きく異なります。

そのため、「どちらが優れているか」ではなく、ご自身の咳の症状や体質に合っているかで判断することが大切です。

【症状別】五虎湯と麦門冬湯の使い分け方

五虎湯と麦門冬湯は、主に体力・咳の質・喉の状態という3つのポイントで使い分けをします。

五虎湯が向いている人の特徴・症状

五虎湯は、炎症が強く、熱がこもった状態の咳に有効とされています。

  • 体力がある方(中等度以上)
  • 熱を伴い、顔が赤くなるほど激しい咳が出る
  • ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音がある
  • 黄色い粘い痰が絡む

麦門冬湯が向いている人の特徴・症状

麦門冬湯は、体力が落ちていて喉が乾燥している状態の咳に効果が期待できます。

  • 体力の落ちた方(体力中等度以下)
  • 喉が乾燥する
  • 痰が出ない・空咳(からせき)が出る
  • 粘り気があり切れにくい痰で、咳が出る
  • 風邪が治りかけで咳が長引いている

五虎湯と麦門冬湯を併用しても大丈夫?

五虎湯と麦門冬湯の併用は、原則として推奨されません。

併用が禁忌とされているわけではありませんが、以下の理由から避けた方がよいとされています。

  • 適応する咳の症状や体質が異なる:
    五虎湯と麦門冬湯は有効な咳の症状がほぼ正反対なため、症状に対して十分な効果が得られない、または症状と合わず体調がつらく感じることがある
  • 生薬の重複:どちらにも甘草(かんぞう)という生薬が含まれているため、重複摂取するとむくみ、高血圧、低カリウム血症などの副作用(偽アルドステロン症)のリスクが高まるとされている

どちらが効果があるかわからず両方を試される患者様もいらっしゃいますが、上記のようなリスクがあるため自己判断での併用はせず、必ず医師や薬剤師へご相談ください。

運龍堂では、患者様一人ひとりの体質や症状を丁寧にヒアリングさせていただき、オーダーメイドの漢方薬を処方させていただいております。

長引く咳に悩み、少しでも症状を緩和したいとお考えの方は、ぜひお気軽に運龍堂へご相談ください。

五虎湯と麦門冬湯の副作用

漢方薬は副作用が少ないと思われがちですが、体質や服用量によっては副作用が生じる可能性があります。

共通する副作用

五虎湯・麦門冬湯に共通する副作用は、どちらも甘草という生薬によるものが多いです。

【主な副作用】

食欲不振 胃部不快感 吐き気 下痢・軟便
倦怠感 めまい 発疹・かゆみ

【重大な副作用】

  • 偽アルドステロン症:
    むくみ、血圧上昇、低カリウム血症、手足のだるさ・しびれ・つっぱり感
  • ミオパチー:
    脱力、手足のけいれん・しびれ
  • 間質性肺炎:
    息切れ、空せき、発熱
  • 肝機能障害:
    黄疸、だるさ、褐色尿、かゆみ

これらの症状が出た場合はすぐに服用を中止し、早急に医師へ相談してください。

五虎湯の副作用

五虎湯ならではの副作用として、眠気、そしてごくまれですが喉の不快感などが挙げられます。

麦門冬湯の副作用

麦門冬湯の副作用は、以下のとおりです。

不眠 発汗過多 興奮気味になる
動悸 頻脈 排尿障害

運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供

咳の症状や体質は患者様一人ひとり異なり、ご自身に合った漢方薬を選ぶことが大切ですが、自己判断で選ぶと効果が得られなかったり、思いもよらぬ副作用を引き起こす恐れがあります。

運龍堂では、患者様の症状・体質・生活習慣について詳しくお伺いし、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しております。

また、対面だけでなくオンライン相談にも対応しており、遠方の方や外出が困難な方でも気軽にご相談していただける体制をご用意しております。

つらい咳に悩み、症状を少しでも改善して快適に毎日を過ごしたいとお考えの方は、ぜひお気軽に運龍堂までご相談ください。

まとめ

咳止めに効果的な五虎湯と麦門冬湯は、それぞれ異なる症状や体質に適応するため、咳の性質を理解して使い分けることが大切ですが、ご自身で判断することは難しいです。

「自分の咳に合う漢方薬が欲しい」

「五虎湯と麦門冬湯が咳にいいって聞いたけど、どっちを選んだらいいかわからない」

このようなお悩みのある方は、ぜひ漢方薬専門の調剤薬局「運龍堂」までご相談ください。

咳の症状やお困りごとを丁寧にヒアリングさせていただき、患者様一人ひとりに合ったオーダーメイドの漢方薬を処方させていただきます。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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