2019/12/24

フコキサンチンのすべて

項目
フコキサンチンとは
フコキサンチンの安全性
フコキサンチンの有効性
フコキサンチンの性質
なぜフコキサンチンがあまり普及していなかったのか
コキサンチンとダイエットについてテレビで取り上げられました

<フコキサンチンとは>
ここでのポイント:フコキサンチンはフコイダンとは別物で、吸収率が良い健康成分!副作用を示さない健康成分ということで日本国内では京都大学、北海道大学、琉球大学、神戸大学など多数の国公立大学、また、海外ではアジア、アメリカ、カナダ、ヨーロッパなどの大学や病院の研究機関が新たな研究論文を提出し続けています。

普段何気なく食べている昆布やわかめなどの海藻類ですが、実はすごい成分が含まれています。中でも名前が類似しているため混同されやすいのが「フコイダン」と「フコキサンチン」です。特にフコキサンチンは吸収率や身体への働きから期待度が大きいです。ガン領域での使用が有名ですが、抗炎症作用に非常に優れているため、様々な病気の治療に応用できます。多くの病気には程度の差はありますが、炎症が関与しているためです。

海藻成分でフコイダンと似たような名前で「フコキサンチン」というものがあります。フコキサンチンは海藻表面のぬるぬる物質の内側にある表皮から取れる色素成分(赤褐色)です。非プロビタミンA類のカロテノイドの一種です。フコイダンは分子量が大きく吸収率が良くありませんが、フコキサンチンは分子量が500~650ダルトンという低分子であり、吸収率が良いとされています。

<フコキサンチンの安全性>
ここでのポイント:体内蓄積性がなく安全で、様々な病気に対する有効性も確認されている。

フコキサンチンは通常脂溶性の色素であり、水には溶けません。摂取するときは小腸上皮のリパーゼ等によりフコキサンチノールとして体内血流中に吸収されたあと、4時間で肝臓・腎臓・肺、心臓などで最大濃度に到達し、半減期は7時間、つまり7時間後には半分の量まで減ります。摂取から25時間も経てばほぼすべて尿中排泄されるため体内にほとんど蓄積されません。また、サルモネラ菌および大腸菌でのフコキサンチノールの変異原性試験で5mg/plateまで陰性、マウスでの小核試験でフコキサンチン2g/kgまで陰性で、両者ともに遺伝子毒性は認められていない安全な成分です。また、ヒトが0.31g/成人量のフコキサンチンを5週間摂取した場合も一般血液検査に異常値も認められず、異常を訴えた人はいませんでした。

<フコキサンチンの有効性>
ここでのポイント:短時間の体内存在中に抗腫瘍(抗ガン)、抗血管新生、抗炎症、抗酸化、抗肥満、抗糖尿病、神経保護などの効果を有することが知られています。

以下、学術的な解説になりますので読み飛ばしていただいて大丈夫です。

・抗腫瘍作用
フコキサンチンは多くの腫瘍細胞株に対して抗増殖、細胞周期停止(G0/G1)、アポトーシス誘導、抗血管新生、転移抑制があることが複数のin vitro/in vivoの研究で明らかになっています。そしてこれらの作用は吸収されるときの形であるフコキサンチノールでより強い作用を示すこともわかっています。一方でSRA(ヒト水晶体上皮細胞)ではアポトーシスが起こらないことがわかっており、ガン細胞のみをターゲットとする効果を示すことも注目を集めている大きな理由です。現在研究で効果が示されている腫瘍は肺ガン、胃ガン、膵臓ガン、十二指腸ガン、大腸ガン、結腸ガン、神経芽細胞腫、皮膚ガン、膀胱ガン、前骨髄性白血病、成人T細胞白血病(ATL)、バーキッドリンパ腫、骨肉腫、子宮頸ガン、乳ガン、前立腺ガン、メラノーマなどがあります。

・血管新生抑制作用
フコキサンチンはガンおよび他の血管新生促進性疾患(リウマチ、バセドウ病、強皮症、乾癬、クローン病、緑内障、加齢黄斑変性など)における現在の抗血管新生治療の治療を改善する可能性が示されています。この発表に先立って京都大学では「フコキサンチン/フコキサンチノールを有する安全かつ有効な血管新生抑制剤及び化粧組成料」としての特許が出願されており、現在では特開になっています。血管新生抑制のメカニズムとして線維芽細胞増殖因子2(FGF-2)とその受容体(FGFR-1)ならびにそのトランス活性因子であるEGR-1のmRNA発現を抑制することと、COX-2の選択的阻害でCOX-2由来の内因性PGE2がEP3受容体を刺激することによって血管内皮細胞増殖因子(VEGF)誘導を抑制し、血管新生抑制につながる可能性があると報告されています。

・眼病への応用
血管新生抑制の応用範囲に加齢黄斑変性症や緑内障が含まれるように、眼病分野でも治療への応用が期待されています。眼に関する作用として血管内皮細胞増殖因子(VEGF)過剰発現の抑制、抗老化、食細胞機能改善、網膜色素上皮における細胞内活性酸素腫の除去、光誘発性損傷からの網膜保護作用が報告されています。そして、これらの眼病予防の力はルテイン、ゼアキサンチン、アントシアニンといった目に良いとされる有名な色素よりも優れた生物活性を示すとされています。フコキサンチンは誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)とCOX-2、PGE-2、TNF-αの発現を抑制し、ブドウ膜炎を軽減することも報告されています。その際の抗炎症効果は同様の量で使用されるプレドニゾロン(ステロイド剤)の効果に匹敵することが示されています。また、他の研究においても紫外線による角膜障害から眼を保護するという報告もあります。

・抗肥満作用
フコキサンチンはエネルギーを貯蔵する白色脂肪細胞のミトコンドリアに熱産生細胞である褐色脂肪細胞の特徴である脱共役タンパク‐1(UCP-1)を発現することで、両者の中間性質を持つベージュ細胞(ブラウン細胞)に変化させ、ミトコンドリアでのATP合成を脱共役させて貯蔵された脂肪のエネルギーを熱として消費させることが北海道大学の研究でわかっています。また、人での臨床試験もあり、フコキサンチンの1か月の摂取により、プラセボと比較して体重減少、脂肪量、首回り、太もものダイエット効果が示唆されたデータもあります。

・抗糖尿病作用
フコキサンチンは白色脂肪細胞組織(WAT)中のβ3-アドレナリン受容体および骨格筋組織中のグルコーストランスポーター4(GLUT-4)のmRNA発現を促進することが報告されています。これらの結果はフコキサンチンが高脂肪食によって誘導される脂質代謝およびインスリン抵抗性の変化を改善する可能性があることを示唆しており、肥満および糖尿病関連障害を予防する機能性食品としてフコキサンチンを適用するための生化学的、栄養学的根拠となりえます。

・神経保護作用
フコキサンチンはNrf2-AREおよびNrf2-autophagy経路の活性化を通じて外傷性脳損傷(TBI)における二次的脳損傷から酸化ストレス軽減とアポトーシス抑制、自食作用活性により生存細胞を増加させ、神経保護作用を示すことが報告されています。また、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害して、脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を増加させ、ミクログリア由来NfκB、COX-2、IL-6、TNF-α、iNOS等の炎症因子を抑制し、β-アミロイドの集積を阻害してその神経毒性を軽減することが報告されています。また、これによりアルツハイマー病(AD)において優れた治療効果を示すことが示唆されています。さらに、モノアミンオキシダーゼ(MAO)AおよびBを阻害することでパーキンソン病(PD)の管理に使用できる可逆的競合的hMAO阻害剤であることが示唆されています。

・抗炎症作用
フコキサンチンはNF-κB、COX-2 、PGE-2、iNOS、TNF-α、IL-1β、IL-6を用量依存的に抑制することが示されています。これらの結果はフコキサンチンがこれまで解説してきたような様々な炎症性疾患のための有用な治療アプローチであり得ることを示唆しています。また、フコキサンチンはIL-17産生T細胞発生条件下でCD4+T細胞からのIL-17分泌を抑制し、制御性T細胞を誘導し、Th17細胞分化を阻害することが報告されています。これはフコキサンチンが尋常性乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎などの難治性疾患に対する治療アプローチになり得ることを示唆しています。

<フコキサンチン摂取時の注意点>
ここでのポイント:熱と酸化に弱く、野菜などの緑ものとの摂取で健康効果が落ちてしまう。

フコキサンチンは熱や酸化に非常に弱く、およそ60℃で変化し始めます。サプリで摂取する場合はカプセルに封入されているため酸化は防ぐことができます。さらに大きな特徴としてはクロロフィル(葉緑素)との混在によって酸化分解される性質であるため飲むときには食事や他のサプリメントなどとずらす、空腹時に摂取するなどの工夫が必要です。
雑学として、もともと褐藻中ではクロロフィルとフコキサンチンは複合体として存在して光合成などに利用されています。せっかくフコキサンチンを分離精製しても、クロロフィルと混在させるとクロロフィルが触媒として働き酸化分解されてしまいます。

<なぜフコキサンチンがあまり普及していなかったのか>
フコキサンチンは正常な細胞への毒性がないことから安全性が高く、体内動態も明確であり、バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が高い極めて特殊な健康色素成分です。その優れた抗炎症作用によって抗腫瘍(抗ガン)、抗血管新生、抗炎症、抗酸化、抗肥満、抗糖尿病、神経保護などの治療応用も大いに期待されています。しかし、長い間製品化に至らない背景には天然の褐藻類からフコキサンチンを抽出することが困難で、安定的に十分な量と濃度を確保できないことが大きな理由でした。今現在は日本の優れたメーカーによって安定的に使用することが可能となり、皆様の健康に大いに役立つ成分となっています。

<コキサンチンとダイエットについてテレビで取り上げられました。>
ここでのポイント:フコキサンチンを摂取すると脂肪をため込む細胞が脂肪を燃焼する細胞に変化する!

海藻(フコキサンチン)パワーでダイエット!
BSプレミアム「美と若さの新常識」で紹介されましたフコキサンチンについて解説していきます。放送のテーマとしては「脂肪細胞を小さくする」というものでした。

・脂肪細胞の大きさについて
太っている方と痩せている方の脂肪細胞の大きさを比較すると、太っている方の脂肪細胞はアブラがたっぷり溜まっており1つ1つの細胞のサイズ自体が大きくなることが知られています。注目成分のフコキサンチンはこの大きくなった細胞サイズを小さくする成分として注目されています。

・マウス実験での報告
弘前大学農学生命科学部の前多隼人准教授によるとフコキサンチンによって脂肪細胞を小さくしたり、肥満を予防したりできることがわかってきたそうです。前多准教授はこれをマウスの実験で調べています。マウスに高脂肪食を与え続けて25日経過すると内臓脂肪が7gも増えます。それに対してフコキサンチンを加えて高脂肪食を与えたマウスでは3.5gと半分の増加量に抑制できることがわかりました。今後のますますの研究での健康効果の解明に期待が膨らみます。

・フコキサンチンで痩せる理由
私たち人間を含めすべての哺乳動物には脂肪細胞には二種類あり、一つが白色、もう一つが褐色の脂肪細胞です。白色脂肪細胞はアブラをため込む性質があり、褐色脂肪細胞はアブラを燃焼する性質があります。褐色脂肪細胞は自身の細胞内にあるアブラが足りなくなると白色脂肪細胞のアブラも燃やします。驚くべきことにフコキサンチンはこの白色脂肪細胞の褐色化に関与しているとわかったそうです。フコキサンチンによって脂肪燃焼効率が高まることが期待できます。

・フコキサンチンは海藻にだけ含まれている
面白いことに、このダイエット成分であるフコキサンチンは海藻にだけ含まれているという特徴があります。特に多く含んでいるのは褐藻類という海藻で、もずく、昆布、わかめ、ひじきなどが該当します。

・海藻に含まれるフコキサンチンの量
乾燥した状態で海藻1gに含まれるフコキサンチンは、もずくだと0.16mg、昆布は0.17mg、わかめは0.7mg、ひじきは1.8mgになります。※数値は収穫期と場所で異なります。

・食べ方のポイント
前多准教授によると、「少しずつ食べるのが非常に大事で、多く食べなくてもいいです。」とのこと。乾燥わかめで2グラム程度、もずく酢だと市販の1パックで、毎日継続してとることが大事だそうです。フコキサンチンは水に溶けないので、昆布だしに使った昆布もそのまま食べないと摂取できません。フコキサンチンは海藻の細胞内にある成分のため、できるだけたくさん噛んで食べることと、アブラに溶けやすい性質のためサラダなどではドレッシングなどで食べると良いそうです。

・摂取する際の注意
食事で積極的に海藻類を食べる場合、ヨウ素摂取量も多くなります。ヨウ素過剰による甲状腺疾患に注意する必要があります。また、海藻の細胞内にある成分なので消化力の個人差から、吸収率にも影響がでると考えられます。安全に効率的な摂取を望む場合はフコキサンチン抽出済みサプリメントで摂取するという方法もあります。
人での実験ではフコキサンチン2~4mg摂取で健康効果が出ている報告があります。サプリメントを選ぶ際は含有量が明確なものを選ぶことも大切です。運龍堂でもフコキサンチンのサプリを扱っており、1粒あたりに10,38mgのフコキサンチンが含まれていますので科学的なデータと照らし合わせても十分な量を摂取することができます。
文献上ではフコキサンチン自体に毒性はないと報告されていますが、一度にたくさん摂取するとアブラを吸収しきれず、お通じがゆるくなる場合がありますので適度な摂取量を心がけましょう。

2019/12/24

フコキサンチンのすべて

項目
フコキサンチンとは
フコキサンチンの安全性
フコキサンチンの有効性
フコキサンチンの性質
なぜフコキサンチンがあまり普及していなかったのか
コキサンチンとダイエットについてテレビで取り上げられました

<フコキサンチンとは>
ここでのポイント:フコキサンチンはフコイダンとは別物で、吸収率が良い健康成分!副作用を示さない健康成分ということで日本国内では京都大学、北海道大学、琉球大学、神戸大学など多数の国公立大学、また、海外ではアジア、アメリカ、カナダ、ヨーロッパなどの大学や病院の研究機関が新たな研究論文を提出し続けています。

普段何気なく食べている昆布やわかめなどの海藻類ですが、実はすごい成分が含まれています。中でも名前が類似しているため混同されやすいのが「フコイダン」と「フコキサンチン」です。特にフコキサンチンは吸収率や身体への働きから期待度が大きいです。ガン領域での使用が有名ですが、抗炎症作用に非常に優れているため、様々な病気の治療に応用できます。多くの病気には程度の差はありますが、炎症が関与しているためです。

海藻成分でフコイダンと似たような名前で「フコキサンチン」というものがあります。フコキサンチンは海藻表面のぬるぬる物質の内側にある表皮から取れる色素成分(赤褐色)です。非プロビタミンA類のカロテノイドの一種です。フコイダンは分子量が大きく吸収率が良くありませんが、フコキサンチンは分子量が500~650ダルトンという低分子であり、吸収率が良いとされています。

<フコキサンチンの安全性>
ここでのポイント:体内蓄積性がなく安全で、様々な病気に対する有効性も確認されている。

フコキサンチンは通常脂溶性の色素であり、水には溶けません。摂取するときは小腸上皮のリパーゼ等によりフコキサンチノールとして体内血流中に吸収されたあと、4時間で肝臓・腎臓・肺、心臓などで最大濃度に到達し、半減期は7時間、つまり7時間後には半分の量まで減ります。摂取から25時間も経てばほぼすべて尿中排泄されるため体内にほとんど蓄積されません。また、サルモネラ菌および大腸菌でのフコキサンチノールの変異原性試験で5mg/plateまで陰性、マウスでの小核試験でフコキサンチン2g/kgまで陰性で、両者ともに遺伝子毒性は認められていない安全な成分です。また、ヒトが0.31g/成人量のフコキサンチンを5週間摂取した場合も一般血液検査に異常値も認められず、異常を訴えた人はいませんでした。

<フコキサンチンの有効性>
ここでのポイント:短時間の体内存在中に抗腫瘍(抗ガン)、抗血管新生、抗炎症、抗酸化、抗肥満、抗糖尿病、神経保護などの効果を有することが知られています。

以下、学術的な解説になりますので読み飛ばしていただいて大丈夫です。

・抗腫瘍作用
フコキサンチンは多くの腫瘍細胞株に対して抗増殖、細胞周期停止(G0/G1)、アポトーシス誘導、抗血管新生、転移抑制があることが複数のin vitro/in vivoの研究で明らかになっています。そしてこれらの作用は吸収されるときの形であるフコキサンチノールでより強い作用を示すこともわかっています。一方でSRA(ヒト水晶体上皮細胞)ではアポトーシスが起こらないことがわかっており、ガン細胞のみをターゲットとする効果を示すことも注目を集めている大きな理由です。現在研究で効果が示されている腫瘍は肺ガン、胃ガン、膵臓ガン、十二指腸ガン、大腸ガン、結腸ガン、神経芽細胞腫、皮膚ガン、膀胱ガン、前骨髄性白血病、成人T細胞白血病(ATL)、バーキッドリンパ腫、骨肉腫、子宮頸ガン、乳ガン、前立腺ガン、メラノーマなどがあります。

・血管新生抑制作用
フコキサンチンはガンおよび他の血管新生促進性疾患(リウマチ、バセドウ病、強皮症、乾癬、クローン病、緑内障、加齢黄斑変性など)における現在の抗血管新生治療の治療を改善する可能性が示されています。この発表に先立って京都大学では「フコキサンチン/フコキサンチノールを有する安全かつ有効な血管新生抑制剤及び化粧組成料」としての特許が出願されており、現在では特開になっています。血管新生抑制のメカニズムとして線維芽細胞増殖因子2(FGF-2)とその受容体(FGFR-1)ならびにそのトランス活性因子であるEGR-1のmRNA発現を抑制することと、COX-2の選択的阻害でCOX-2由来の内因性PGE2がEP3受容体を刺激することによって血管内皮細胞増殖因子(VEGF)誘導を抑制し、血管新生抑制につながる可能性があると報告されています。

・眼病への応用
血管新生抑制の応用範囲に加齢黄斑変性症や緑内障が含まれるように、眼病分野でも治療への応用が期待されています。眼に関する作用として血管内皮細胞増殖因子(VEGF)過剰発現の抑制、抗老化、食細胞機能改善、網膜色素上皮における細胞内活性酸素腫の除去、光誘発性損傷からの網膜保護作用が報告されています。そして、これらの眼病予防の力はルテイン、ゼアキサンチン、アントシアニンといった目に良いとされる有名な色素よりも優れた生物活性を示すとされています。フコキサンチンは誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)とCOX-2、PGE-2、TNF-αの発現を抑制し、ブドウ膜炎を軽減することも報告されています。その際の抗炎症効果は同様の量で使用されるプレドニゾロン(ステロイド剤)の効果に匹敵することが示されています。また、他の研究においても紫外線による角膜障害から眼を保護するという報告もあります。

・抗肥満作用
フコキサンチンはエネルギーを貯蔵する白色脂肪細胞のミトコンドリアに熱産生細胞である褐色脂肪細胞の特徴である脱共役タンパク‐1(UCP-1)を発現することで、両者の中間性質を持つベージュ細胞(ブラウン細胞)に変化させ、ミトコンドリアでのATP合成を脱共役させて貯蔵された脂肪のエネルギーを熱として消費させることが北海道大学の研究でわかっています。また、人での臨床試験もあり、フコキサンチンの1か月の摂取により、プラセボと比較して体重減少、脂肪量、首回り、太もものダイエット効果が示唆されたデータもあります。

・抗糖尿病作用
フコキサンチンは白色脂肪細胞組織(WAT)中のβ3-アドレナリン受容体および骨格筋組織中のグルコーストランスポーター4(GLUT-4)のmRNA発現を促進することが報告されています。これらの結果はフコキサンチンが高脂肪食によって誘導される脂質代謝およびインスリン抵抗性の変化を改善する可能性があることを示唆しており、肥満および糖尿病関連障害を予防する機能性食品としてフコキサンチンを適用するための生化学的、栄養学的根拠となりえます。

・神経保護作用
フコキサンチンはNrf2-AREおよびNrf2-autophagy経路の活性化を通じて外傷性脳損傷(TBI)における二次的脳損傷から酸化ストレス軽減とアポトーシス抑制、自食作用活性により生存細胞を増加させ、神経保護作用を示すことが報告されています。また、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害して、脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を増加させ、ミクログリア由来NfκB、COX-2、IL-6、TNF-α、iNOS等の炎症因子を抑制し、β-アミロイドの集積を阻害してその神経毒性を軽減することが報告されています。また、これによりアルツハイマー病(AD)において優れた治療効果を示すことが示唆されています。さらに、モノアミンオキシダーゼ(MAO)AおよびBを阻害することでパーキンソン病(PD)の管理に使用できる可逆的競合的hMAO阻害剤であることが示唆されています。

・抗炎症作用
フコキサンチンはNF-κB、COX-2 、PGE-2、iNOS、TNF-α、IL-1β、IL-6を用量依存的に抑制することが示されています。これらの結果はフコキサンチンがこれまで解説してきたような様々な炎症性疾患のための有用な治療アプローチであり得ることを示唆しています。また、フコキサンチンはIL-17産生T細胞発生条件下でCD4+T細胞からのIL-17分泌を抑制し、制御性T細胞を誘導し、Th17細胞分化を阻害することが報告されています。これはフコキサンチンが尋常性乾癬、クローン病、潰瘍性大腸炎などの難治性疾患に対する治療アプローチになり得ることを示唆しています。

<フコキサンチン摂取時の注意点>
ここでのポイント:熱と酸化に弱く、野菜などの緑ものとの摂取で健康効果が落ちてしまう。

フコキサンチンは熱や酸化に非常に弱く、およそ60℃で変化し始めます。サプリで摂取する場合はカプセルに封入されているため酸化は防ぐことができます。さらに大きな特徴としてはクロロフィル(葉緑素)との混在によって酸化分解される性質であるため飲むときには食事や他のサプリメントなどとずらす、空腹時に摂取するなどの工夫が必要です。
雑学として、もともと褐藻中ではクロロフィルとフコキサンチンは複合体として存在して光合成などに利用されています。せっかくフコキサンチンを分離精製しても、クロロフィルと混在させるとクロロフィルが触媒として働き酸化分解されてしまいます。

<なぜフコキサンチンがあまり普及していなかったのか>
フコキサンチンは正常な細胞への毒性がないことから安全性が高く、体内動態も明確であり、バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が高い極めて特殊な健康色素成分です。その優れた抗炎症作用によって抗腫瘍(抗ガン)、抗血管新生、抗炎症、抗酸化、抗肥満、抗糖尿病、神経保護などの治療応用も大いに期待されています。しかし、長い間製品化に至らない背景には天然の褐藻類からフコキサンチンを抽出することが困難で、安定的に十分な量と濃度を確保できないことが大きな理由でした。今現在は日本の優れたメーカーによって安定的に使用することが可能となり、皆様の健康に大いに役立つ成分となっています。

<コキサンチンとダイエットについてテレビで取り上げられました。>
ここでのポイント:フコキサンチンを摂取すると脂肪をため込む細胞が脂肪を燃焼する細胞に変化する!

海藻(フコキサンチン)パワーでダイエット!
BSプレミアム「美と若さの新常識」で紹介されましたフコキサンチンについて解説していきます。放送のテーマとしては「脂肪細胞を小さくする」というものでした。

・脂肪細胞の大きさについて
太っている方と痩せている方の脂肪細胞の大きさを比較すると、太っている方の脂肪細胞はアブラがたっぷり溜まっており1つ1つの細胞のサイズ自体が大きくなることが知られています。注目成分のフコキサンチンはこの大きくなった細胞サイズを小さくする成分として注目されています。

・マウス実験での報告
弘前大学農学生命科学部の前多隼人准教授によるとフコキサンチンによって脂肪細胞を小さくしたり、肥満を予防したりできることがわかってきたそうです。前多准教授はこれをマウスの実験で調べています。マウスに高脂肪食を与え続けて25日経過すると内臓脂肪が7gも増えます。それに対してフコキサンチンを加えて高脂肪食を与えたマウスでは3.5gと半分の増加量に抑制できることがわかりました。今後のますますの研究での健康効果の解明に期待が膨らみます。

・フコキサンチンで痩せる理由
私たち人間を含めすべての哺乳動物には脂肪細胞には二種類あり、一つが白色、もう一つが褐色の脂肪細胞です。白色脂肪細胞はアブラをため込む性質があり、褐色脂肪細胞はアブラを燃焼する性質があります。褐色脂肪細胞は自身の細胞内にあるアブラが足りなくなると白色脂肪細胞のアブラも燃やします。驚くべきことにフコキサンチンはこの白色脂肪細胞の褐色化に関与しているとわかったそうです。フコキサンチンによって脂肪燃焼効率が高まることが期待できます。

・フコキサンチンは海藻にだけ含まれている
面白いことに、このダイエット成分であるフコキサンチンは海藻にだけ含まれているという特徴があります。特に多く含んでいるのは褐藻類という海藻で、もずく、昆布、わかめ、ひじきなどが該当します。

・海藻に含まれるフコキサンチンの量
乾燥した状態で海藻1gに含まれるフコキサンチンは、もずくだと0.16mg、昆布は0.17mg、わかめは0.7mg、ひじきは1.8mgになります。※数値は収穫期と場所で異なります。

・食べ方のポイント
前多准教授によると、「少しずつ食べるのが非常に大事で、多く食べなくてもいいです。」とのこと。乾燥わかめで2グラム程度、もずく酢だと市販の1パックで、毎日継続してとることが大事だそうです。フコキサンチンは水に溶けないので、昆布だしに使った昆布もそのまま食べないと摂取できません。フコキサンチンは海藻の細胞内にある成分のため、できるだけたくさん噛んで食べることと、アブラに溶けやすい性質のためサラダなどではドレッシングなどで食べると良いそうです。

・摂取する際の注意
食事で積極的に海藻類を食べる場合、ヨウ素摂取量も多くなります。ヨウ素過剰による甲状腺疾患に注意する必要があります。また、海藻の細胞内にある成分なので消化力の個人差から、吸収率にも影響がでると考えられます。安全に効率的な摂取を望む場合はフコキサンチン抽出済みサプリメントで摂取するという方法もあります。
人での実験ではフコキサンチン2~4mg摂取で健康効果が出ている報告があります。サプリメントを選ぶ際は含有量が明確なものを選ぶことも大切です。運龍堂でもフコキサンチンのサプリを扱っており、1粒あたりに10,38mgのフコキサンチンが含まれていますので科学的なデータと照らし合わせても十分な量を摂取することができます。
文献上ではフコキサンチン自体に毒性はないと報告されていますが、一度にたくさん摂取するとアブラを吸収しきれず、お通じがゆるくなる場合がありますので適度な摂取量を心がけましょう。