投稿日:2025.05.11/更新日:2025.05.12

【漢方医監修】小青竜湯の副作用と対処法を解説

風邪の初期症状やアレルギー症状に効果のある小青竜湯は、さまざまな場面で処方される8種類の生薬が配合された漢方薬です。

しかし、患者様によっては副作用が出ることがあるため、服用するときは事前の確認が必要です。

そこで本記事では、小青竜湯によって出る可能性のある副作用について詳しく解説します。

併せて、副作用が出やすい方の特徴や体質、副作用が出てしまった時の対処法についても解説するので、小青竜湯の服用を検討されている方は参考にしてください。

小青竜湯の主な副作用

漢方薬は自然由来の生薬を使っているため比較的安全な薬ですが、患者様によっては副作用が出る場合があります。

小青竜湯の服用で出る可能性のある主な副作用を解説します。

一般的な副作用

小青竜湯は、配合されている8つの生薬によって、身体の「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスを整えます。

しかし、それぞれの生薬の特徴の影響で、以下のような副作用が出る場合があります。

  • 発疹、発赤、かゆみ
  • 不眠、発汗過多、頻脈、動悸、興奮
  • 食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢
  • 排尿障害

例えば、麻黄(まおう)は発汗を促す効果があり、芍薬(しゃくやく)は血行を良くします。

また、細辛(さいしん)や桂枝(けいし)、乾姜(かんきょう)、生姜(しょうじょう)は体を温める作用があります。

体を温めることや発汗を促すことで解熱や血行をよくする作用がありますが、効き過ぎてしまうことで発疹や発汗過多、頻脈などの副作用が出る恐れがあります。

その他にも、胃腸に不調を感じたり排尿に障害がでたりする可能性もあるので注意が必要です。

重大な副作用

持病のある方や服用している他の薬との飲み合わせなどが原因で、以下のような重篤な副作用が出る可能性があります。

副作用主な症状
間質性肺炎発熱・咳・呼吸困難 など
偽アルドステロン症倦怠感・筋肉痛・浮腫・高血圧 など
ミオパチー筋力低下・呼吸障害・心臓機能障害 など
肝機能障害倦怠感・食欲低下・腹水・黄疸 など

一般的な副作用が、実は上記に挙げた重篤な副作用の初期症状だったというケースもあります。

そのため、小青竜湯の服用時は体調の変化をしっかり観察することが大切です。

関連記事:風邪のひきはじめにおすすめの漢方「小青竜湯」|効果や飲み方を解説

小青竜湯の副作用が出やすい人の特徴・体質

小青竜湯を服用する全ての患者様に副作用が出るということはありませんが、特に以下のような特徴がある方は副作用が出やすいです。

  • 体力や体質が虚弱な人
  • 胃腸が弱い人
  • 心臓や腎臓に問題がある人
  • 高齢者
  • 妊婦・授乳中の方
  • 発汗傾向が著しい人
  • 過去に麻黄や甘草を含む漢方薬で副作用が出たことがある人
  • 長期服用・多剤併用している人

小青竜湯の一般的な副作用として、発汗過多や腹痛・下痢といったものがあります。そのため、日頃から胃腸が弱かったり汗をかきやすかったりする方は注意が必要です。

また、小青竜湯の生薬には麻黄(まおう)や甘草(かんぞう)が含まれ、副作用を引き起こす原因の一つです。過去にこれらの生薬を含む漢方薬で副作用がでた方の場合、同じ症状が出る可能性があります。

その他に、日頃から飲んでいる薬との併用によって副作用が出ることもあります。

上記に該当する方が小青竜湯の服用をする場合は、必ず医師や薬剤師に相談し、指示に従いましょう。

関連記事:漢方の効き目とは?効果を引き出す正しい使い方と選び方を紹介

小青竜湯の副作用が出たときの対処法

身体の不調を治すために小青竜湯を服用し、万が一副作用が出てしまった場合、早急な対応が必要です。

副作用が出てしまったときの対処法を解説します。

服用をすぐに中止する

小青竜湯の服用後、身体に異変を感じたらすぐに服用を中止してください。

小青竜湯の効果が出ずに不調が悪化した可能性も考えられますが、もし副作用だった場合、服用を続けると重篤化する可能性もあります

医療機関を速やかに受診する

小青竜湯の副作用には、重篤な症状も含まれます。

様子をみてからと看過せず、すぐに医療機関を受診してください。

長期服用で症状が改善しない場合は医療機関へ

小青竜湯を長期間を服用しても身体の不調が改善しないときは、症状に合っていない可能性が考えられます。

また、長期服用によって副作用が出る可能性もあるので、医療機関を受診してください。

関連記事:漢方はどのくらいで効くのか?効果が出るまでの期間や飲み方

【Q&A】小青竜湯の副作用に関するよくある質問

漢方薬専門の調剤薬局である雲龍堂では、小青竜湯に関するさまざまなお問い合わせがあります。

お問い合わせのなかでも良くあるご質問を、回答と合わせてご紹介します。

小青竜湯の副作用は飲んでどれくらいで現れる?

小青竜湯は、一般的に即効性がある漢方薬とされ、服用してから数分〜数時間で効果が現れます

しかし、効果が現れる時間は患者様一人ひとり異なるので、一週間くらい服用しても効果が実感できない場合は医師や薬剤師へ相談してください。

小青竜湯を長期間服用すると副作用のリスクが高まる?

小青竜湯を長期服用することで、偽アルドステロン症やミオパチーといった副作用が現れる可能性があるため長期間の服用は推奨されていません

しばらく服用しても症状が改善できないときは、使用を中止して医師や薬剤師へ相談してください。

まとめ

初期の風邪やアレルギー症状などに効果が期待できる小青竜湯ですが、副作用のリスクもあるため服用には注意が必要です。

副作用によっては重篤化するものもあり、自己判断で服用することはおすすめできません。

小青竜湯で症状の改善をしたいとお考えの方は、まずは雲龍堂へご相談ください

雲龍堂は漢方薬専門の調剤薬局として、患者様一人ひとりに寄り添い、オーダーメイドの傷をいたします。

また、「遠方で来ることが難しい」「体調が悪くて外出したくない」といった方のために、オンラインによる無料相談も対応しております。

お身体の不調改善を目的に小青竜湯の服用を検討されている方は、お気軽に雲龍堂にご相談ください。

漢方薬専門の調剤薬局として、不調改善のお手伝いをさせていただきます。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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2025/05/11

【漢方医監修】小青竜湯の副作用と対処法を解説

風邪の初期症状やアレルギー症状に効果のある小青竜湯は、さまざまな場面で処方される8種類の生薬が配合された漢方薬です。

しかし、患者様によっては副作用が出ることがあるため、服用するときは事前の確認が必要です。

そこで本記事では、小青竜湯によって出る可能性のある副作用について詳しく解説します。

併せて、副作用が出やすい方の特徴や体質、副作用が出てしまった時の対処法についても解説するので、小青竜湯の服用を検討されている方は参考にしてください。

小青竜湯の主な副作用

漢方薬は自然由来の生薬を使っているため比較的安全な薬ですが、患者様によっては副作用が出る場合があります。

小青竜湯の服用で出る可能性のある主な副作用を解説します。

一般的な副作用

小青竜湯は、配合されている8つの生薬によって、身体の「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスを整えます。

しかし、それぞれの生薬の特徴の影響で、以下のような副作用が出る場合があります。

  • 発疹、発赤、かゆみ
  • 不眠、発汗過多、頻脈、動悸、興奮
  • 食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢
  • 排尿障害

例えば、麻黄(まおう)は発汗を促す効果があり、芍薬(しゃくやく)は血行を良くします。

また、細辛(さいしん)や桂枝(けいし)、乾姜(かんきょう)、生姜(しょうじょう)は体を温める作用があります。

体を温めることや発汗を促すことで解熱や血行をよくする作用がありますが、効き過ぎてしまうことで発疹や発汗過多、頻脈などの副作用が出る恐れがあります。

その他にも、胃腸に不調を感じたり排尿に障害がでたりする可能性もあるので注意が必要です。

重大な副作用

持病のある方や服用している他の薬との飲み合わせなどが原因で、以下のような重篤な副作用が出る可能性があります。

副作用主な症状
間質性肺炎発熱・咳・呼吸困難 など
偽アルドステロン症倦怠感・筋肉痛・浮腫・高血圧 など
ミオパチー筋力低下・呼吸障害・心臓機能障害 など
肝機能障害倦怠感・食欲低下・腹水・黄疸 など

一般的な副作用が、実は上記に挙げた重篤な副作用の初期症状だったというケースもあります。

そのため、小青竜湯の服用時は体調の変化をしっかり観察することが大切です。

関連記事:風邪のひきはじめにおすすめの漢方「小青竜湯」|効果や飲み方を解説

小青竜湯の副作用が出やすい人の特徴・体質

小青竜湯を服用する全ての患者様に副作用が出るということはありませんが、特に以下のような特徴がある方は副作用が出やすいです。

  • 体力や体質が虚弱な人
  • 胃腸が弱い人
  • 心臓や腎臓に問題がある人
  • 高齢者
  • 妊婦・授乳中の方
  • 発汗傾向が著しい人
  • 過去に麻黄や甘草を含む漢方薬で副作用が出たことがある人
  • 長期服用・多剤併用している人

小青竜湯の一般的な副作用として、発汗過多や腹痛・下痢といったものがあります。そのため、日頃から胃腸が弱かったり汗をかきやすかったりする方は注意が必要です。

また、小青竜湯の生薬には麻黄(まおう)や甘草(かんぞう)が含まれ、副作用を引き起こす原因の一つです。過去にこれらの生薬を含む漢方薬で副作用がでた方の場合、同じ症状が出る可能性があります。

その他に、日頃から飲んでいる薬との併用によって副作用が出ることもあります。

上記に該当する方が小青竜湯の服用をする場合は、必ず医師や薬剤師に相談し、指示に従いましょう。

関連記事:漢方の効き目とは?効果を引き出す正しい使い方と選び方を紹介

小青竜湯の副作用が出たときの対処法

身体の不調を治すために小青竜湯を服用し、万が一副作用が出てしまった場合、早急な対応が必要です。

副作用が出てしまったときの対処法を解説します。

服用をすぐに中止する

小青竜湯の服用後、身体に異変を感じたらすぐに服用を中止してください。

小青竜湯の効果が出ずに不調が悪化した可能性も考えられますが、もし副作用だった場合、服用を続けると重篤化する可能性もあります

医療機関を速やかに受診する

小青竜湯の副作用には、重篤な症状も含まれます。

様子をみてからと看過せず、すぐに医療機関を受診してください。

長期服用で症状が改善しない場合は医療機関へ

小青竜湯を長期間を服用しても身体の不調が改善しないときは、症状に合っていない可能性が考えられます。

また、長期服用によって副作用が出る可能性もあるので、医療機関を受診してください。

関連記事:漢方はどのくらいで効くのか?効果が出るまでの期間や飲み方

【Q&A】小青竜湯の副作用に関するよくある質問

漢方薬専門の調剤薬局である雲龍堂では、小青竜湯に関するさまざまなお問い合わせがあります。

お問い合わせのなかでも良くあるご質問を、回答と合わせてご紹介します。

小青竜湯の副作用は飲んでどれくらいで現れる?

小青竜湯は、一般的に即効性がある漢方薬とされ、服用してから数分〜数時間で効果が現れます

しかし、効果が現れる時間は患者様一人ひとり異なるので、一週間くらい服用しても効果が実感できない場合は医師や薬剤師へ相談してください。

小青竜湯を長期間服用すると副作用のリスクが高まる?

小青竜湯を長期服用することで、偽アルドステロン症やミオパチーといった副作用が現れる可能性があるため長期間の服用は推奨されていません

しばらく服用しても症状が改善できないときは、使用を中止して医師や薬剤師へ相談してください。

まとめ

初期の風邪やアレルギー症状などに効果が期待できる小青竜湯ですが、副作用のリスクもあるため服用には注意が必要です。

副作用によっては重篤化するものもあり、自己判断で服用することはおすすめできません。

小青竜湯で症状の改善をしたいとお考えの方は、まずは雲龍堂へご相談ください

雲龍堂は漢方薬専門の調剤薬局として、患者様一人ひとりに寄り添い、オーダーメイドの傷をいたします。

また、「遠方で来ることが難しい」「体調が悪くて外出したくない」といった方のために、オンラインによる無料相談も対応しております。

お身体の不調改善を目的に小青竜湯の服用を検討されている方は、お気軽に雲龍堂にご相談ください。

漢方薬専門の調剤薬局として、不調改善のお手伝いをさせていただきます。

この記事の監修薬剤師

運龍堂 佐藤貴繁

略歴

1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
     北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
     専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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