酸棗仁湯の効果が出るまでどれくらい?ツムラやクラシエの市販品はある?
「ストレスや不安から不眠に悩んでいる」、「イライラして眠れない」といった悩みを抱えている方もいっらしゃるのではないでしょうか。
このような不眠の症状によく効くとされる漢方薬が「酸棗仁湯」です。
本記事では酸棗仁湯の効果が出るまでどれくらい待てば良いのか解説し、実際に服用した方の体験談を紹介するので、不眠でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
酸棗仁湯とは
酸棗仁湯(サンソウニントウ)とは、酸棗仁(サンソウニン)、 茯苓(ブクリョウ)、川芎(センキュウ)、知母(チモ)、甘草(カンゾウ)などの生薬が配合された漢方薬。
その名の通り、酸棗仁が主薬として用いられており、これは中国原産のサネブトナツメとよばれる植物の種子を乾燥させたものです。
酸棗仁には鎮痛作用があり、複数の生薬を組み合わせることで心身の疲労改善や不眠に効果を発揮します。
また、茯苓にも同じく鎮痛作用があるほか、川芎は冷え性や皮膚疾患、知母と甘草には解熱作用が。
これらの生薬の効果から、酸棗仁湯は「心」の不調が見られる方に対して処方される漢方薬として知られます。
酸棗仁湯の効果
酸棗仁をはじめとして、さまざまな生薬が配合された酸棗仁湯ですが、具体的にどのような症状に効果が見込まれるのでしょうか。上記では「心」の不調を改善するために効果的と紹介しましたが、もう少し具体的に解説しましょう。
不眠の改善
酸棗仁湯は主に自律神経失調症や神経症に悩む人に対して、症状を緩和するために処方されることがあります。
特に不眠は代表的な症状のひとつであり、十分な睡眠がとれないことで心身の疲労やストレスの蓄積、体力の低下などが見られるようになることも。
これらを改善する治療薬のひとつとして酸棗仁湯が用いられます。
うつや不安の改善
身体的な症状だけでなく、うつや不安といった心理的な症状に対しても酸棗仁湯が処方されることがあります。
これまで興味を抱いていたことに対して興味が湧かなくなってきたり、漠然とした不安や焦燥感を抱いてしまうといった症状に対しても有効とされます。
疲労の軽減
疲労の軽減にも有効とされる酸棗仁湯ですが、特に、一定の睡眠を確保しているにもかかわらず、なかなか疲れがとれないといった場合に適しています。
不眠を自覚していなくても実際には睡眠が浅かったり、十分な休息がとれず疲労が蓄積しているケースは多いものです。
そのような症状の場合は酸棗仁湯を服用することで改善が期待できます。
酸棗仁湯の効果が出るまでどれくらい?
酸棗仁湯に限らず漢方薬は即効性を期待して飲む薬ではなく、睡眠薬や睡眠導入剤のように、飲んですぐに眠気が襲ってくるといったものではありません。
そのため、酸棗仁湯は寝る前に飲むのではなく、1日3回、食前または食後に飲むのが理想的とされています。
ただし、継続的な服用によって心身の疲れが改善していれば、寝る前に飲むことでスムーズに入眠できるケースもあるようです。
そのため、はじめの段階では食前または食後の1日3回を目安とし、身体の状態と相談しながら調整していくのがベストでしょう。
酸棗仁湯の副作用
一般的に漢方薬は自然由来の生薬がベースとなっているため、西洋薬に比べて副作用が少なく安全性が高いとされています。
しかし、一切の副作用がないというわけではなく、飲み合わせや服用方法、体質によっては重篤な症状を引き起こす危険性もあるので注意しましょう。
消化器症状
軽度の副作用の例として、消化器の不良が報告されています。
食欲不振・胃部不快感・腹痛・下痢といった消化器症状が出たらすぐに服用を中止しましょう。
偽アルドステロン症
偽アルドステロン症とは、低カリウム血症を伴う血圧上昇を指し、むくみ、体重増加などの症状が現れることもあります。
酸棗仁湯の服用期間中に血清カリウム値の低下が見られる場合には、速やかに服用を中止し医師の診察を受ける必要があるでしょう。
ミオパシー
ミオパシーとは、偽アルドステロン症が悪化した状態を指します。
血清カリウム値が低下しているにもかかわらず酸棗仁湯の服用を続けると、やがて手足の脱力感やけいれん、麻痺などを引き起こし、日常生活にも支障をきたすほどの重篤な症状につながるおそれがあります。
酸棗仁湯を実際に服用した方の体験談
ここでは、実際に酸棗仁湯を服用した方の体験談を見ていきましょう。
リラックス効果を感じた方の体験談
酸棗仁湯を飲んでみましたが、予想以上にリラックス効果を感じました。寝付きが良くなり、夜中に目が覚めることも減ったように思います。味は少し苦いですが、飲むのが嫌になるほどではなかったです。寝つきが良くなっただけでなく、朝の目覚めがすっきりするようになりました。睡眠の質を改善したい方にはおすすめです。
継続した服用によって効果を実感した方の体験談
酸棗仁湯を飲み始めてから3週間ほど経ちましたが、朝までぐっすり眠れるようになりました。仕事でストレスが溜まった日でもリラックスできるようになったと感じています。味は漢方らしく独特ですが、慣れると気にならなくなります。睡眠導入剤では薬で眠らされた感覚がありましたが、こちらは自力で眠るのをサポートしてくれるといったような感じです。
酸棗仁湯の飲み合わせについて
酸棗仁湯の服用を検討されている方の中には、現在すでに睡眠薬や他の漢方薬を服用している方もいらっしゃるでしょう。
酸棗仁湯は自然由来の生薬がベースとなっており、基本的には他の薬と併用しても問題はないとされています。実際に、即効性の期待できる睡眠薬と遅効性の酸棗仁湯をあわせて処方されるケースもあります。
また、酸棗仁湯と同様に不眠の改善が期待できる加味帰脾湯や、ストレスの軽減が期待できる抑肝散などの漢方薬との併用も問題ないとされています。
ただし、体質によっては上記で紹介した副作用が現れる可能性もあるため、少しでも体に異変を感じた場合にはすぐに服用を中止し、医師の診察を受けましょう。
ツムラ・クラシエ|酸棗仁湯は市販されている?
酸棗仁湯は一般向けの市販品ではなく医療用として販売されており、ドラッグストアや薬局で置いてあります。
また、手軽に入手したいのであれば、ツムラやクラシエ以外の商品であればAmazonや楽天などのネット通販でも購入できるため、チェックしてみると良いでしょう。
運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供
酸棗仁湯を手軽に入手するために漢方薬専門店は心強い味方となってくれますが、近所に専門店が見つからない場合もあるでしょう。そのようなときは、宮城県仙台市にある漢方薬専門店「運龍堂」へご相談ください。
運龍堂ではオンラインによる漢方相談に対応しており、遠方の方でも手軽に薬剤師との相談が可能です。また、自分の症状にマッチしたオーダーメイドの漢方薬を処方してもらうこともできます。
「医師に処方された薬を服用しているものの、不眠が改善できない」、「近所のドラッグストアに酸棗仁湯の在庫がない」とお悩みの方は、ぜひお気軽に運龍堂へご相談ください。
まとめ
酸棗仁湯は精神的な不安やストレス、自律神経の不調からくる不眠を改善する漢方薬です。
自然由来の生薬がベースとなっていることから副作用も少なく、基本的には飲み合わせの禁忌と呼ばれるものがないのもポイントです。
他の漢方薬と同様に即効性のあるものではありませんが、継続して服用することで自然な入眠をサポートしてくれます。
酸棗仁湯の購入を検討されている方は、ぜひ一度オンライン相談が可能な運龍堂へご相談ください。
この記事の監修薬剤師
運龍堂 佐藤貴繁
略歴
1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任