柴胡加竜骨牡蛎湯がハイリスクと言われる理由とは?体験談や口コミも紹介
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)とは、ストレスや不眠の症状を改善するために有効な漢方薬です。
その名の通り、サイコやリュウコツ、ボレイといった生薬を配合しており、粉末状の薬として処方・販売されているものが一般的です。
本記事では、柴胡加竜骨牡蛎湯の効果・効能のほか、気になる副作用や服用の際の注意点、正しい飲み方を中心に詳しく解説します。
目次
柴胡加竜骨牡蛎湯の効果・効能
柴胡加竜骨牡蛎湯の主な効果・効能は以下の通りです。
- ①精神不安による動悸・不眠・便秘
- ②高血圧による動悸・不安・不眠
- ③神経症
- ④更年期神経症
- ⑤子どもの夜泣き など
仕事や子育てに忙しい日々を送っていると、気づかないうちに大きなストレスを抱え込むことも少なくありません。
そのような精神不安に陥ると、動悸や不眠、便秘といった症状が現れてくることがあります。
また、これらの症状は、高血圧が原因で起こるケースも珍しくありません。
日々さまざまなストレスを抱えることの多い現代人にとって、柴胡加竜骨牡蛎湯は優れた効果が期待できる漢方薬といえるのです。
上記以外にも、乳幼児の夜泣きを改善する効果も期待されることから、子どもから大人まで幅広い世代におすすめの漢方薬です。
柴胡加竜骨牡蛎湯の効果が出るまではどれくらい?即効性はある?
ストレスや精神不安に効く薬といえば、真っ先に精神安定剤や抗不安薬をイメージする方も多いでしょう。
特に心療内科で処方される薬は即効性があり、服用後数十分程度で効果が現れるものも少なくありません。
では、柴胡加竜骨牡蛎湯にも即効性はあるのでしょうか。
結論からいえば、個人差はあるものの精神安定剤や抗不安薬のような即効性は期待できず、効果が現れるまで数ヶ月以上継続的に服用する必要があります。
1日から数日程度服用してみたものの、効果が実感できずにやめてしまう人も少なくありません。
しかし、柴胡加竜骨牡蛎湯をはじめとした漢方薬は効果が現れるのに時間がかかる遅効性のものも多く、根気強く継続して飲み続けることが大切なのです。
柴胡加竜骨牡蛎湯の副作用
柴胡加竜骨牡蛎湯は西洋薬に比べて比較的副作用が少ないとされています。
しかし、個人の体質によっては、まれに以下のような副作用が現れる可能性があります。
- ①皮膚の発疹・発赤・かゆみ
- ②腹痛・下痢
- ③間質性肺炎
- ④肝機能障害
間質性肺炎とは、階段の昇り降りや身体を動かしたときに、息切れや息苦しさ、空せき、発熱などの症状が現れる疾患です。
また、肝機能障害の症状としては、発熱やかゆみ、発疹、黄疸、食欲不振、全身の倦怠感などが現れます。
柴胡加竜骨牡蛎湯を服用した後に上記のような症状が現れた場合、ただちに服用を中止して医師の診察を受けることが大切です。
柴胡加竜骨牡蛎湯がハイリスクといわれる理由
柴胡加竜骨牡蛎湯について調べていくと、さまざまな危険性を指摘した情報や口コミを目にすることがあります。
副作用が比較的少ないとされている漢方薬であるにもかかわらず、なぜ柴胡加竜骨牡蛎湯は危険といわれるのでしょうか。
その理由としては、上記でも紹介したとおり、まれに重大な副作用をもたらすことがあるためです。
たとえば、間質性肺炎を発症すると、初期症状は軽い息切れや息苦しさなどが見られますが、進行していくと発熱や呼吸困難に陥ることもあります。
個人の体質によっても症状の程度はさまざまで、早期に処置を施さないと命の危険に陥ることもあります。
また、肝機能障害も同様で、γ-GTPなどの数値が上昇すると黄疸や肝硬変といった重篤な病気につながりかねません。
肝機能障害の初期症状としては、全身の倦怠感や食欲低下などが見られますが、ただの風邪と認識されてしまうことも多く、柴胡加竜骨牡蛎湯の副作用であることが見過ごされるケースもあるのです。
柴胡加竜骨牡蛎湯の効果が期待される人
柴胡加竜骨牡蛎湯は、どういった症状・持病をもっている人に有効なのでしょうか。
冒頭でも紹介した通り、柴胡加竜骨牡蛎湯は精神的不安やストレスの改善に効果を発揮しますが、特におすすめしたいのは慢性的な不眠に悩んでいる人です。
心身ともに健康な状態であれば、ベッドや布団に入った後リラックス状態が続き、徐々に入眠していきます。
しかし、精神が興奮状態にあったり、不安感が持続しているとなかなか眠りにつくことが難しいものです。
柴胡加竜骨牡蛎湯を継続的に服用することで、このような不眠の症状を改善し安眠を実現できるでしょう。
また、精神的な不安を引き起こすパニック障害や更年期障害といった病気にも柴胡加竜骨牡蛎湯は効果が見込めます。
特に更年期障害を発症すると、精神的不安以外にも身体のほてりや顔の紅潮、発汗量の増加といったホットフラッシュの発作が見られるようになります。
柴胡加竜骨牡蛎湯を継続的に服用することで、こういったホットフラッシュも改善されていくでしょう。
柴胡加竜骨牡蛎湯を服用したことのある人の体験談・口コミ
実際に柴胡加竜骨牡蛎湯を服用したことのある人が、その効果についてどのように語っているのか見てみましょう。
柴胡加竜骨牡蛎湯を試してみたところ、心身ともにリラックスできる感覚を実感しました。もともとは緊張しやすく、不安感に悩まされることが多かったのですが、飲み始めてからはそれが少し和らいだような気がしています。特に、寝る前に服用すると寝つきが良くなり、深い眠りにつくことができるようになりました。継続して飲んでいますが、今のところ副作用らしきものもなしなので、愛用していきたいと思っています。
桂枝加竜骨牡蛎湯との違いは?
柴胡加竜骨牡蛎湯と似た効能をもつ漢方薬に桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)があります。
これはケイシとよばれる生薬が配合されており、サイコをベースとした柴胡加竜骨牡蛎湯とは成分が異なります。
どちらも神経症状に対応した漢方薬ではありますが、柴胡加竜骨牡蛎湯は精神的な興奮を抑えたり、高血圧を原因とした動悸や不安といった陽証に対して有効です。
これに対し桂枝加竜骨牡蛎湯は、低血圧や身体が疲れやすい、手足の冷え症など、陰証に用いるという違いがあります。
関連記事:桂枝加竜骨牡蛎湯は自律神経に効果がある?口コミや柴胡加竜骨牡蛎湯との違いを解説
柴胡加竜骨牡蛎湯を飲むときの注意点・正しい飲み方
柴胡加竜骨牡蛎湯の効能を最大限に発揮するためには、正しい飲み方を理解しておくことが重要です。
また、健康被害を防ぐためにもさまざまな点に注意しなければなりません。
柴胡加竜骨牡蛎湯の正しい服用方法
柴胡加竜骨牡蛎湯は、年齢に応じて定められた分量を、食前または食間に水またはぬるま湯と一緒に服用します。
市販されている柴胡加竜骨牡蛎湯は、成人(15才)以上の場合で1回あたり1包を服用するのが一般的です。
また、1日の服用回数は3回の製品が多いです。
柴胡加竜骨牡蛎湯を服用する際の注意点
柴胡加竜骨牡蛎湯は、以下に該当する人は服用を避ける必要があります。
- ①生後3ヶ月未満の乳幼児
- ②下剤を服用している人
- ③授乳中の人
また、以下に該当する方は医師または薬剤師へ相談しておく必要があります。
- ①妊娠または妊娠している可能性がある人
- ②胃腸が弱い人
- ③病気の治療を受けている人
- ④虚弱体質・体力が低下している人
- ⑤薬の服用によって副作用が現れたことがある人
なお、柴胡加竜骨牡蛎湯は効果が現れるまで数ヶ月程度継続的に服用する必要がありますが、服用を続けても効果が現れなかった場合には医師や薬剤師に相談してみましょう。
運龍堂は症状に合わせたオーダーメイドの漢方薬を提供
柴胡加竜骨牡蛎湯に限ったことではありませんが、漢方薬はその人の症状や体質に合わせて配合する生薬を変えたり、その割合を調整したりすることで、より優れた効果が期待できます。
ドラッグストアで販売されている漢方薬は手軽に購入できるメリットがありますが、生薬の種類や成分量が画一的なためすべての人にマッチするとは限りません。
そこでおすすめしたいのが、症状や体質に合わせて漢方薬をオーダーメイドできる専門店です。
宮城県仙台市にある運龍堂は、柴胡加竜骨牡蛎湯をはじめとしたさまざまな漢方薬を扱っている専門店です。
例えば、運龍堂で実際に柴胡加竜骨牡蛎湯を使用することは少なく、より効果の高い麝香製剤や忘憂歓などを活用しています。
したがって、これまで柴胡加竜骨牡蛎湯を服用しても、効果があまり得られなかった場合でも、ぜひご相談ください。
(麝香の詳細はこちら)
(忘憂歓の詳細はこちら)
身体の状態や症状を問診票へ記入した後、専門の薬剤師と相談しながら最適な漢方薬を選定し処方するため、「自分にはこの薬が合っていなかった」ということも防げるでしょう。
柴胡加竜骨牡蛎湯をはじめとした漢方薬は、継続的に服用することが前提となるため、予算や飲み方も無理のない範囲で続けられるよう提案させていただきます。
また漢方に関しては、LINEからご質問を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
大きな仕事を任されたときや、学校の入試試験、就職・転職活動など、大きなプレッシャーがかかる場面は多いものです。
また、人間関係や子育て、家族関係など、日常的にさまざまなストレスにさらされている方も少なくありません。
自分でも気づかないうちに精神的な負担がのしかかり、動悸や不眠といった症状として現れることもあります。
このような症状を少しでも改善するためには、今回紹介した柴胡加竜骨牡蛎湯に限らず、自分の症状にあった漢方薬を普段から活用するのがおすすめです。
この記事の監修薬剤師
運龍堂 佐藤貴繁
略歴
1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
北海道大学薬学部を卒業
2003年 薬剤師免許を取得
2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任