不妊
不妊
「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。
「一定期間」について、様々な考え方がありますが、WHOでは、不妊症を「1年以上の不妊期間を持つもの」としています。
不妊症の原因
不妊症の様々な原因は様々で、その原因が特定できない場合も多いです。
原因が女性側にある場合は、子宮の発育不全、子宮内膜炎、卵管通過障害、卵巣腫瘍など様々な病気が関わっている場合もあります。
不妊症の改善方法
検査を行って、何らかの身体的な原因が見つかった場合は、その原因に対する治療を優先します。
なお、不妊の約50%は、男性にも原因が関係していると言われ、検査とともに、適切な治療が必要となります。
一方、漢方治療は、西洋医学的な検査において、身体の異状がないのになかなか妊娠しない「機能的な不妊」が得意となります。
※西洋医学的な治療と漢方薬の併用は、問題なく、プラスに働きます。
※東洋医学的な治療を加えることで、妊娠の確率が15%程度、上昇すると言われています。
不妊症に効く漢方薬
漢方で優先的に行うことは、女性の場合では、卵の老化防止と生理周期の調整です。
卵の老化防止には、いわゆる補腎で使用する漢方を活用します。
補腎を行うことで、副腎からの性ホルモンのバランスが整うためです。
具体的には、鹿茸(ロクジョウ)製剤、鹿角(ロッカク)製剤、トナカイの角製剤、八味地黄丸、牡蠣肉製剤などを使用します。
トナカイの角製剤は、黄体ホルモンの材料となるため、生理周期の高温期の形成がうまくいっていない場合は、優先的に使用します。
また、牡蠣肉製剤は、睡眠の質を向上させるので、ストレスや不眠を持っている場合に、優先的に使用します。
生理周期の調整には、周期ごとに服用する漢方を変える「周期療法」という方法を活用します。
なお、男性に関しては、鹿茸(ロクジョウ)製剤や鹿角(ロッカク)製剤と、牡蠣肉製剤を併用することが多いです。
この組み合わせによって、精子量の増加、精子の運動量の増加、そして、精子の奇形率の低下が期待できます。
また女性よりも短期間で結果が出やすく、1〜2ヶ月を目安としています。
そのため、男女で漢方を服用する場合は、女性の治療を先にスタートさせるのが効率が良くなります。