暑（しょ）

「暑（しょ）」は、漢方における気候条件の一つであり、六気の一つとされています。

暑は、気温の上昇によって引き起こされる状態を指します。 過度な暑が体内に入り込むと、「暑邪」と呼ばれる状態が生じます。

暑邪は、体内のバランスを乱し、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。

暑邪の特徴としては、次のような症状が現れることがあります：

1. 発熱：高温環境に長時間曝されることで、体温が上昇し発熱が生じることがあります。

2. 体力低下：暑熱の影響により、体力やエネルギーが消耗しやすくなることがあります。

3. 汗の過剰分泌：暑さによって汗が過剰に分泌され、多汗症や汗のにおいなどの症状が現れることがあります。

4. のぼせやめまい：暑さによって血流が変動し、めまいやのぼせ感が生じることがあります。

5. 脱力感：暑さによって体のバランスが乱れ、疲労感や脱力感が生じることがあります。

暑邪が体内に入り込むことを防ぐためには、適切な対策が必要です。

暑い環境での長時間の滞在を避けたり、涼しい場所で過ごす、適切な水分補給を行う、適度な休息を取るなどの対策が有効です。

漢方薬では、暑邪を除去し、体内のバランスを整えるための処方が行われることがあります。

具体的な処方は個人の状態や症状によって異なりますが、暑邪を解毒し、体の陰陽バランスを調整する生薬が使用されることがあります。

例えば、黄連解毒丸（黄連解毒丸）、羚羊角（れいようかく）製剤、牛黄（ごおう）製剤や白虎湯（びゃっことう）などが暑邪の除去や症状の緩和に使用されることがあります。