脳(のう)
「脳(のう)」は、漢方においても重要な概念です。
古代の医書である『霊枢・海論』や『素問・五臓生成篇』において、「脳は髄の海」と表現され、「諸髄はみな脳に属す」とも記されています。
「脳」は、頭部に位置し、中枢神経系の一部である臓器です。
脳は神経細胞や神経繊維から成り、複雑な神経回路が絡み合っています。
その機能は非常に重要で、知覚、思考、感情、運動などの高次の神経機能を制御し、全身の生理的な活動を調節します。
「脳」が「髄の海」と表現されるのは、脳内には脳脊髄液と呼ばれる液体が存在し、脳を保護し、栄養を供給する役割を果たしているからです。
この脳脊髄液は、脳や脊髄を取り巻いている脳脊髄膜の間に存在し、脳を衝撃や外部からの刺激から守る役割を果たしています。
漢方では、脳の健康を保つためには、気血の循環を促進し、体内のエネルギーのバランスを整えることが重要視されます。