2021/05/05

冷え性

また冷えの原因は、エネルギー不足(陽虚)、血流の滞り(淤血)、
血液不足(血虚)、水分の過剰や滞り(水毒)などがあり、それぞれ治療方針も異ります。
したがって、冷え性も漢方治療が得意とする分野です。

冷えは、むくみ、頭痛、めまい等の様々な症状に関与します。
また冷えには、段階があり、徐々に内部に進行します。大切なのは、冷えの進行を出来るだけ早期に解消することです。

第1段階では、「では、「手足が冷たい」と感じます。体の末端が敏感なため、変化にすぐ気がつきます。10代後半から20代後半は、この冷えが多いです。

第2段階は、「足だけ冷えて、手だけが温かい」状態です。上半身よりもおへその下が冷たければ、下半身の冷えが進行していることになります。30代から多い冷えです。

第3段階は、「足の裏や手のひらがほてる」状態です。手足が温かいため、冷えが治ったと勘違いしやすいのですが、冷えが徐々に内部に進行するため、相対的に表面がほてるように感じます。40代から始まる冷えで、更年期の方にも見受けられます。

第4段階は、「足の裏や手のひらがほてる」状態に加えて、「顔や頭、上半身がほてる」状態になります。これは、若い頃からの冷えの蓄積でホルモンバランスが崩れる事が原因です。

最終的には、体内のより深い部分にある「腎」などの内臓に現れ、膀胱炎、頻尿、関節痛などを引き起こします。

冷えの治療で使用する漢方は様々で、例えば、
「手足の先端が特に冷える」場合には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、「下半身の冷えが強い」場合には、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)、胃腸が冷えて、おなかに水がたまる場合は、人参湯(にんじんとう)等を使用します。

◎体力がない、胃腸も弱い(虚証)
・八味地黄丸:高齢者で特に下半身が冷える
・大建中湯:腹痛、腹部膨満感
・真武湯、桂枝人参湯:全身的な冷え、腹痛、頻尿、下痢、めまい、動悸
・桂枝加朮附湯、防已黄耆湯:関節痛、むくみ等を伴う
・苓姜朮甘湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯:腰以下の冷えが強い。尿量が多い
・温経湯:手のひらや足裏のほてり。皮膚の乾燥、月経不順
・当帰芍薬散:貧血、顔色不良、疲労感、下腹部痛

◎体力はふつう(中間証)
・加味逍遥散:冷え、のぼせ以外の不定愁訴が多い
・五積散:下半身の冷えと上半身ののぼせ

◎体力は比較的ある、胃腸も丈夫(実証)
・桃核承気湯:のぼせ、肩こり、便秘、不安、不眠、下腹部に抵抗感と圧痛
・桂枝茯苓丸:のぼせ、肩こり、月経異常、便秘はない、下腹部に抵抗感と圧痛

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投稿日:2021.05.05/更新日:2021.05.05

冷え性

また冷えの原因は、エネルギー不足(陽虚)、血流の滞り(淤血)、
血液不足(血虚)、水分の過剰や滞り(水毒)などがあり、それぞれ治療方針も異ります。
したがって、冷え性も漢方治療が得意とする分野です。

冷えは、むくみ、頭痛、めまい等の様々な症状に関与します。
また冷えには、段階があり、徐々に内部に進行します。大切なのは、冷えの進行を出来るだけ早期に解消することです。

第1段階では、「では、「手足が冷たい」と感じます。体の末端が敏感なため、変化にすぐ気がつきます。10代後半から20代後半は、この冷えが多いです。

第2段階は、「足だけ冷えて、手だけが温かい」状態です。上半身よりもおへその下が冷たければ、下半身の冷えが進行していることになります。30代から多い冷えです。

第3段階は、「足の裏や手のひらがほてる」状態です。手足が温かいため、冷えが治ったと勘違いしやすいのですが、冷えが徐々に内部に進行するため、相対的に表面がほてるように感じます。40代から始まる冷えで、更年期の方にも見受けられます。

第4段階は、「足の裏や手のひらがほてる」状態に加えて、「顔や頭、上半身がほてる」状態になります。これは、若い頃からの冷えの蓄積でホルモンバランスが崩れる事が原因です。

最終的には、体内のより深い部分にある「腎」などの内臓に現れ、膀胱炎、頻尿、関節痛などを引き起こします。

冷えの治療で使用する漢方は様々で、例えば、
「手足の先端が特に冷える」場合には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、「下半身の冷えが強い」場合には、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)、胃腸が冷えて、おなかに水がたまる場合は、人参湯(にんじんとう)等を使用します。

◎体力がない、胃腸も弱い(虚証)
・八味地黄丸:高齢者で特に下半身が冷える
・大建中湯:腹痛、腹部膨満感
・真武湯、桂枝人参湯:全身的な冷え、腹痛、頻尿、下痢、めまい、動悸
・桂枝加朮附湯、防已黄耆湯:関節痛、むくみ等を伴う
・苓姜朮甘湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯:腰以下の冷えが強い。尿量が多い
・温経湯:手のひらや足裏のほてり。皮膚の乾燥、月経不順
・当帰芍薬散:貧血、顔色不良、疲労感、下腹部痛

◎体力はふつう(中間証)
・加味逍遥散:冷え、のぼせ以外の不定愁訴が多い
・五積散:下半身の冷えと上半身ののぼせ

◎体力は比較的ある、胃腸も丈夫(実証)
・桃核承気湯:のぼせ、肩こり、便秘、不安、不眠、下腹部に抵抗感と圧痛
・桂枝茯苓丸:のぼせ、肩こり、月経異常、便秘はない、下腹部に抵抗感と圧痛

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