投稿日:2019.03.26/更新日:2021.05.07

深海ざめの肝油 スクアレンの神秘vol.1

2019年3月24日に深海ざめの肝油、漢方では鮫玉(さめだま)と呼ばれる漢方薬の勉強会に参加してきました。主成分はスクアレンです。一度では書ききれない内容ですので、数回に分けてご紹介していきます。

<古くから使われてきた鮫玉>

鮫の肝油は歴史的にも古くから使われてきており、現代まで淘汰されずにその存在感を発揮しています。中国・明の時代(1365年~1644年)、日本でいう室町~江戸時代初期に編まれた「本草綱目(ほんぞうこうもく)」という書物に登場します。書物に残っているということはそれよりも使用歴は古いと考えられますが、少なくともその頃にははっきりといた目的をもって使用されていたことがわかります。本草綱目にはサメの肝油には「解毒作用がある」と記されており、経験的にも様々な皮膚病、アレルギー、呼吸器疾患、感染症、腫瘍(がんなどを含む)に用いられてきました。

<臓器や食べ物におけるスクアレンの含有量>

鮫玉の主成分はスクアレンを呼ばれる物質です。実はこれはもともと私たちの体内にも存在している物質です。例えば脳(1450g)には8.0mg、心臓(300g)には7.3mg、肝臓(1500g)には33.0mg、腎臓(300g)には5.5mg程度含まれていることが知られています。このスクアレンは加齢とともに減少し、25歳くらいから減少が始まり、40歳以降ではかなり減ってしまうため体外から補うことで実感をもって元気になる方が多いのも特徴です。しかし、食べ物に含まれるスクアレンの量はかなり少なく、スクアレン250mgを得るためにはマグロ缶詰なら8kg、チーズなら2kg、牛肉なら12kgという膨大な量が必要になります。これを普段の食事から摂取するのはとても難しいので、サプリとして摂取するのが現実的です。

<科学的に見たスクアレンの働き>

免疫調整作用、細胞賦活作用、抗酸化作用、解毒作用、血中酸素量増大作用、鎮痛作用、浸透作用、殺菌作用、血行促進作用、放射線障害防護作用、皮膚防護作用、利尿作用などが知られています。「免疫調整作用」は免疫バランスを整えるため、抵抗力の弱い人は病気に強くなり、反対にアレルギーのように自身の免疫力が過剰に働いている場合はそれらを抑えてアレルギー症状を緩和することが期待できます。「細胞賦活作用」は細胞の修復を助ける働きです。傷ついた組織などを修復してくれるためケガや病気の治りをサポートしてくれます。特に鮫玉(スクアレン)は火傷の患部をキレイに修復してくれることでも有名です。「抗酸化作用」は身体、組織、細胞にダメージを与える活性酸素を除く働きです。異物を攻撃するための最低限の活性酸素は必要ですが、今や疲れの原因は余計に溜まった活性酸素であると知られていますので、身体に活性酸素をためないことが健康を保つ秘訣です。

続きは次回(深海ざめの肝油 スクアレンの神秘vol.2)でご紹介していきます。

    この記事の監修薬剤師

    運龍堂 佐藤貴繁

    略歴

    1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
         北海道大学薬学部を卒業
    2003年 薬剤師免許を取得
    2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
         専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
    2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
    2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
    2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
    2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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    2019/03/26

    深海ざめの肝油 スクアレンの神秘vol.1

    2019年3月24日に深海ざめの肝油、漢方では鮫玉(さめだま)と呼ばれる漢方薬の勉強会に参加してきました。主成分はスクアレンです。一度では書ききれない内容ですので、数回に分けてご紹介していきます。

    <古くから使われてきた鮫玉>

    鮫の肝油は歴史的にも古くから使われてきており、現代まで淘汰されずにその存在感を発揮しています。中国・明の時代(1365年~1644年)、日本でいう室町~江戸時代初期に編まれた「本草綱目(ほんぞうこうもく)」という書物に登場します。書物に残っているということはそれよりも使用歴は古いと考えられますが、少なくともその頃にははっきりといた目的をもって使用されていたことがわかります。本草綱目にはサメの肝油には「解毒作用がある」と記されており、経験的にも様々な皮膚病、アレルギー、呼吸器疾患、感染症、腫瘍(がんなどを含む)に用いられてきました。

    <臓器や食べ物におけるスクアレンの含有量>

    鮫玉の主成分はスクアレンを呼ばれる物質です。実はこれはもともと私たちの体内にも存在している物質です。例えば脳(1450g)には8.0mg、心臓(300g)には7.3mg、肝臓(1500g)には33.0mg、腎臓(300g)には5.5mg程度含まれていることが知られています。このスクアレンは加齢とともに減少し、25歳くらいから減少が始まり、40歳以降ではかなり減ってしまうため体外から補うことで実感をもって元気になる方が多いのも特徴です。しかし、食べ物に含まれるスクアレンの量はかなり少なく、スクアレン250mgを得るためにはマグロ缶詰なら8kg、チーズなら2kg、牛肉なら12kgという膨大な量が必要になります。これを普段の食事から摂取するのはとても難しいので、サプリとして摂取するのが現実的です。

    <科学的に見たスクアレンの働き>

    免疫調整作用、細胞賦活作用、抗酸化作用、解毒作用、血中酸素量増大作用、鎮痛作用、浸透作用、殺菌作用、血行促進作用、放射線障害防護作用、皮膚防護作用、利尿作用などが知られています。「免疫調整作用」は免疫バランスを整えるため、抵抗力の弱い人は病気に強くなり、反対にアレルギーのように自身の免疫力が過剰に働いている場合はそれらを抑えてアレルギー症状を緩和することが期待できます。「細胞賦活作用」は細胞の修復を助ける働きです。傷ついた組織などを修復してくれるためケガや病気の治りをサポートしてくれます。特に鮫玉(スクアレン)は火傷の患部をキレイに修復してくれることでも有名です。「抗酸化作用」は身体、組織、細胞にダメージを与える活性酸素を除く働きです。異物を攻撃するための最低限の活性酸素は必要ですが、今や疲れの原因は余計に溜まった活性酸素であると知られていますので、身体に活性酸素をためないことが健康を保つ秘訣です。

    続きは次回(深海ざめの肝油 スクアレンの神秘vol.2)でご紹介していきます。

      この記事の監修薬剤師

      運龍堂 佐藤貴繁

      略歴

      1977年 北海道生まれ。北海道立札幌南高等学校
           北海道大学薬学部を卒業
      2003年 薬剤師免許を取得
      2006年 北海道大学大学院薬学研究科生体分子薬学
           専攻博士後期課程を終了後、博士(薬学)取得
      2011年 福祉社会法人 緑仙会理事 就任
      2012年 杜の都の漢方薬局 運龍堂 開局
      2013年 宮城県自然薬研究会会長 就任
      2017年 宮城県伝統生薬研究会会長 就任

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